心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

274

「なんのために生まれてなにをして生きるのか」「なにが君のしあわせなにをして喜ぶ」アンパンマンの歌詞が刺さる染みる25歳の、梅雨入りしたのに降りそうで降らない6月の、起きるでも寝るでもなくぼんやり過ごす日曜日。

別に闇期でも病み期(笑)でもないから心配はご無用で、静かに滔々と日頃を綴る。ネアカなのは間違いないからネアカ全国選手権に参加する権利はあるんだけど、かなりネクラに近いネアカなので、間違いなく一回戦敗退だ。ネアカ集団の中で最もネクラなのが自分だ。

 

人間、久しく恋をしていないと、炊きたての米とか愛ではじめる。

最近振られていないのは別に実ってるわけでなく、ちゃんと告白すらしてないなって土俵に立ってなかったのか、そもそも立たせてもらえなかったのか。いやー男として見られてないんだよなーなんて仲いい女の子に聞いてみたら「女子の言う『男を感じない』は結構な割合で『私のこと女の子として見てくれてないでしょ!』が含まれてるよ」って丁寧に教えて励ましてくれたんだけど、あれおかしいな申し訳ないくらい見てるんだけどな。春先も初夏も中秋も真冬も全部うわーいってガン見させていただいておりますですが。ちなみにその仲いい女の子は「谷間で寄ってきた人は、またすぐ別の谷間に行く」って言ってて、ほうほうなるほど、これからの季節のファッションのヒントにしたいと思います。

 

この辺のやりとりのこっぱずかしさがとても苦手で、例えば誘ったり口説いたりする時、自分の下心には十分気づいてて相手にこれバレてたら死ぬほど恥ずかしいし、相手も気づいたら引いちゃうかもなーって分かってるからええい、いっそ「好きだけど飯いかない?」なんて言っちゃうと、それはそれで野暮で無粋でロマンがなくてルール違反でってもうさぁ!

どっかで何かで見たけど、「好意」とだけ書かれた紙を持ってそれを果たし状みたいに渡したい。そんな気分だ。

恋愛学という講義で学内1位を納めたのなんて過去のエイコウ、お酒のツマミ。人間の原始的なホルモンの話から、集団社会の心理学まで、SPA先生を年間購読したくらいの知識に落ち着くおちちつつく。

通算3年目のやついフェスはゲッターズ飯田さんが、占う女性にずっと正論言ってていやはやベストアクトだった。いや、PUFFYのキラーチューンに泣きそうになったから、こっちがベストアクトかな。筋肉少女帯の生ダメ人間に踊ったし、ゆけむりDJsの皆さんに御礼申し上げます。アイドルネッサンスの皆さんの思春期を爆発させたような、それでいてすれていないエネルギーに勇気をもらったし、ぱいぱいでか美さんはぱいぱいがでかかったけど普通にいい歌声だった。そしてそれ以上に爆乳ヤンキーが爆乳だった。そんな中で、Negiccoは相変わらず超いい表情してた。かえぽのステージ上の笑顔はたまらないのです。常に心のどこかに置いておきたいのです。ぽんちゃの髪トゥルットゥル。なおちゃんは真っ赤なほっぺたと額の汗にきゅんときました。ベストアルバム買おう。財布の紐まで笑ってる。

 2年前付き合ってた人がお笑いとか音楽が好きで、初めて連れられたやついフェスでNegiccoに一目惚れしてファンになって。結局その子とはそのあとすぐ別れちゃったんだけどこうして今、3年目のやついフェスに向かってると、人って影響されて生きてんなぁって思う。

その点で、影響とか作用とか考えながら冒頭のアンパンマンへの問いに答えると、話したり関わったりした人の心地いい読後感みたいなものを作っていきたい。これ、25歳7ヶ月時点の将来の夢。

マーク亭ザッカーバーグ師匠は目的意識こそ世界を変えるってスピーチ(つかみのジョークばっちり)をかましてたけど、人間そこまでやりたいことあるやついないよって前に上司に言われて、それがある意味自分の赦しになってる助かってる。稀代の起業家みたいなものにはなれないけれど、周囲数メートルを心地よくできるような。手触り感のある好きとか幸せとかそこいらから伝えていければと思う。僕がネアカであることはこの辺が証明してる。好きなアイドルが突然ケッコンを発表したとしても、びっくりしながら「おめざいます!」って言っちゃうと思う。僕がネアカであることはこの辺が証明してる。

273

「自由にやって。」と頼まれた乾杯の挨拶の自由をはき違え、結果的に地力が足りず僕ら以外の列席者を苦笑させるものになってしまったので、お詫びと今までの言葉にできないありがとうをできる限りまとめてみようと思う。

人生の大親友、谷村君が結婚した。

今にして思えば、「14歳の転校生」に影響を受けないワケがなかった。

 

僕らの中学は、数年前に生徒数日本一をたたき出したようなマンモス校。売店を掃除していると2年13組なんて校章が見っかるようなちょっとした社会の縮図に、突如として彼は越してきた。そりゃまぁ転出入はいつだって突然なんだけど、その時は彼がこんなに自分の人生を語る上で不可欠な存在になるとは思わなかった。っていうの、あるあるですよね?出会いに感謝、である。

 

野球の話からしよう。中3にあがる春休み。それまでの鬼顧問(あだ名UT)が異動され気の抜けた野球部の見学に来た彼に一番最初に話しかけたのは僕なんだけど、ここだけの話「カネムラ君だってよ」って聞き間違えた嘘の名前を部内に拡散させてしまったのは今だから言えるごめんなさい。後日同じクラスになったエッちゃんから「タニムラだったよ」って言われてやべってなったのを覚えてる。

サウスポーで、左打席からボカスカ打ちまくり、あっという間に谷村はレギュラーを取った。ベスト8進出3回とは言え、エース以外はへっぽこ弱小チームだったから納得だ。これは2人とも覚えてるんだけど、初めてがっつり喋ったのは雨の日のブルペンで。左右お互い投げ込みながら、オナニーの話で盛り上がった。中学生なんてそんなもんだ。エース以外はへっぽこ弱小チームだったから納得だ。

 

語り尽くせない彼との思い出のドラマチック部門グランプリは、最後の大会中体連。県大会出場をかけた対西山中。1死満塁サードランナー谷村。これ以上ないチャンスに、9番ハマちゃんが放ったこれ以上ないボッテボテのピッチャーゴロ。

不運なことに相手投手も慌てたのか、指に引っかかりバックホームの球が逸れ、要らない交錯クロスプレー。結果、(これ結局後日病院で分かるんだけど)谷村選手両足骨折。笑

とは言えこれはベスト4をかけた最後の大会。足を引きずりながらも次の回レフトの守りにつく谷村。センターから声をかける僕。明らかに動けてないレフトを狙って打ってくる西山中打線。左翼線にファールが飛んでもほぼ1歩も動けていない絶望的状況で、ホント奇跡みたいなんだけどこの回彼はレフトフライを2つ処理した。

スリーアウト目のフライを彼がキャッチしたとき、僕は思わずライトのハマちゃんを呼び寄せて二人で谷村の脇を抱えベンチへ戻った。水前寺球場は拍手喝采感動の嵐(言っても平日、両校の保護者数十人しかいないけど)。このシーンは中継していた地元ケーブルテレビにも、報道ステーションで言う「熱盛」的に取り上げられ、解説者も褒めてたらしい。うちケーブルテレビ映らないから本物の映像を見ちゃいないんだけど、先日の谷村の結婚パーティーでもその写真がムービーに出てきて胸が熱くなった。熱盛。

チームは1-0で惜敗する。僕らの夏が終わった。

 

野球を取ったら何も残らない、なんて中学生は実はそんなにいなくって、早速通いだす夏期講習。僕らは偏差値も志望校も同じだったので、野球を引退してからの方がさらに仲良くなる早稲田スクールからの帰り道。

彼のものの見方は僕にはないものを持っていて単純にすげぇおもしろかった。例えば、中学の校長の話なんて誰も聞いちゃいないんだけど、「あの話は着眼点は良いけど着地のさせ方が違くね?あれじゃ伝わらんだろ」みたいな指摘を全校集会とかにカマしていて、そんな中学生なかなかいないからこいつめんどくせぇなってハマってったし、僕の口癖が「たしかに」なのも間違いなく谷村の影響なんだと思う。あとたまにカラオケにも行った。普段の声とは想像もつかないくらいの美声で歌めちゃうま。『スノースマイル』は何回聞いたか分からないし、僕は『even if』を何回歌ったか分からない。こないだの結婚パーティーでも、奥さんが大好きな安室ちゃんの『CAN YOU CELEBRATE?』をサプライズで歌ったのは、こっちも照れたけど、やっぱり上手かった。

 

そんなこんなでお互い同じ高校に入学するわけで。お互い野球部に入部するわけで。

ここから先のストーリーは谷村の兄、谷村さんをはじめ野球部のメンメンに大変大変お世話になる。こないだの結婚パーティーにも想像以上に野球部が集まっていておかげで居心地がよかった。サウスポーエースと、「みんな行くばい!」っていの一番に呼びかけたキャプテン奥ちゃんのチームだったことを改めて思う。九州は宮崎のぐっさんや、三重でヤクやってる(製薬会社)ヨネミや、顔が年々小さくなってる大学院生タナティーと、顔が年々大きくなってるパントマイマーシオンの横並びだけで笑っちゃった。全員は書ききれないんだけど、実は一番変わったのは奥ちゃんだと思っていて。強烈なキャプテンシー、と言うかジャイアニズムで、僕らを引っ張ってくれた奥ちゃんの発言が「泣きそう」とか「結婚超よくない?」とか、高校時代からは考えられないくらい終始浅ぇのばっかりだったのがおもしろおい江上、出欠の返事しろよ大事だぞそういうの。

 

高校時代は谷村君に加え、中嶋君という大親友もできた。いつも3人で帰ってはなんなら練習時間より長く語り合った、帰り道△の分岐点。あの頃あの時作ったクダリは一生忘れない気がする。コンビニのオネェ店員ゴウさんとか、ナンのためにとか、20点古畑とか、ナソキチもシノのケツもオタチャンクイズも、何を賭けるわけでもなく称号を得るわけでもなく毎日昼休みやった大富豪も(4右渡しってなんだよ)。

2次会に来てくれた谷村の奥さんが「なぜ彼が大学で楽しくなさそうにしていたかが分かった。あの環境を一度味わったら仕方ない。」って言ってたらしいんだけど、僕らにとっては最高の褒め言葉かもしれない。そうなのだ谷村はいつもなんか不機嫌そうでむすっとしていて、「怒ってる?」って聞かれて「いや、怒ってねぇよ」って怒り出すやつなのだ。寡黙で口下手かと思いきや持ち前の批評家精神はピカイチでそのセンスが面白いんだけど勘違いされやすくいや、むすっとするなよ。歯、出して笑うといいかもよってアドバイスしておこう。

だから、だからこそ、もう一度言うと、僕らといるときは最高に面白いんだけど、シャイで批評家で色白で日焼け後がすぐ出るそんな彼が結婚するって言ったときはびっくりした。っていうのも、あるあるですよね?一番最初の結婚の報告は誰でもびっくりだ。

 

あれはちょうど私事ですが肺気胸やってた昨年3月の病床。お見舞いに来た谷村に「この出会い系アプリが世界的に流行ってるらしくてさ」「看護師さんってのは見た目より愛想だな、ちょっと美人ってだけじゃやってられないな」なんてくだらない話をする僕に一言「俺、結婚するわ」ってははぁなるほど、この差はどこで。

前々から付き合ってたことは聞いてたし、もうずいぶん経つから多分だけど相当谷村のことを分かってくれているんだと思う。僕もまぁ付き合いは長いけど、ここは男女の差、僕らの知らない彼を支えてくれているに違いない。高校時代より大学時代の方がそりゃもっと腹割って付き合ってるわけで、ケンカとかしながらも逃げずにちゃんとしてきたんだと察する。

 

ベタだけど結婚っていう決断力は男として幾らでもかっこいいし、ある種確実に手の届かない人になったから、いい意味でどんどん差をつけて夫としての正解を見せつけていただきたい。奥ちゃんとショウマは「泣きそう」を連呼していたけど、もしそのうち子どもでも生まれたなら、さすがの僕もちょっと涙腺が危ない気がしている。ふざけたオシメでも買ってあげよう。変顔でも一発ギャグでもたくさん笑わせてやろう。手始めに、ゴウさんのマネがいいかな?古畑はあれ、チュパチュパうるせぇよって君のツッコミがあって初めて成立するやつなんだけど伝わるかな?

 

今にして思えば、「14歳の転校生」に影響を受けないワケがなかった。

影響を受けまくっているよありがとうという想いを、「私もあなたの数多くの作品の1つです。」って乾杯のスピーチでタモリさんの弔辞を引用してしまったことは深くお詫びいたします。ただ、あれ、パーティーの列席者の中で中嶋君だけ笑ってたから、つまりはそういうことなんだと思います。

 

当分こっちサイドに予定がないのが難点なんだが、僕の結婚式にはお返しを待っています。すなわちスピーチ的なことをぜひお願いしたいと思うんだけど、君は言っても寡黙で口下手ではあるからそうだなあれでいいよ、安室ちゃんの『CAN YOU CELEBRATE?』をサプライズで歌うっていう。

野球部、爆笑するから。俺、それ見て多分笑って、泣いてるから。

 

結婚おめでとう。今まで本当にありがとう。

これからもどうぞよろしく。

272

麦茶の美味しい季節。パンツ一丁の生活。貧弱なまな板を見て「人間ひまになると筋肉を鍛えだす」って友人の発見。

いやらしいほどの晴天。正しいことばかりなの聖典。「とは言えお仕事はとても順調なの」というでんぱ組の歌、浅野いにおの歌詞。

この家4年目。1人暮らし8年目。いやそんなことはないと思っているけど、結婚できなかった時に備えて煮る大根と人参と鶏肉。

好きな曲はyoutube。スポティファイとサウンドクラウドもいい感じ。ホントに好きな音楽は楽譜買って弾く。1曲覚えたらそれまでのすべて忘れちゃうあたり才はないごめんなさい。

昨日まで僕の中の100を占めてたものが時が経って0になることが増えた。100の不安、困難、憂鬱は時が解決してくれて、それでよかったのか確認する前にすぐまた何かが100になる。

「キャンプは順調です!」と聞いて、「昨年最下位のチームが順調ということは今年もまた最下位ということだ」と危惧したらしいオリックス宮内オーナー。同じことを繰り返しながら違う結果を望むこと、それを狂気という。とはアインシュタインの言葉。可もなく不可もなくが危険な日々。ようこそ憂鬱。ありがとう文春。

「好きな女性のタイプを聞かれたら必ず2人あげなさい。そしたら勝手に相手が線でつないでくれるから。」ってTwitterのタイムライン。皆藤愛子さんと仲村みうさんってこたえるんだけど、来月いよいよみだらな映像にご出演。買うか買わないか。to be or not to be。

ビール一杯で眠くなるようになる。飲まなくても酔っぱらえる気がする。お酒の力を借りなくても面白い人たちがいる。彼らを知っている。なりたい大人になる。なりたくない大人にならない。

何とか生きている。長生きする気はしない。半年に一度39度が出る。必ずインフルの鼻穴ほじほじも、結果は陰性、俺あるある。気管支が弱いらしい。寝てないとき心臓が痛くなる。死ぬのだけは怖いから、最後の最後は無理をしないと決める。

手触り感のある言葉を。自分から生まれた感覚を。閉じこもらないようインプットと同じ量アウトプットを。結婚してく友人には花束を。思春期みたいな恋を。一生かけてもいいような趣味を。美しい景色を。豊かな美味しさを。思い出したくなる香りを。死んでもいいと思える夜を。やっぱごめん死にたくはないなって撤回する朝を。発狂しそうな孤独を。向き合える自尊心を。いいね!よりありがとうを。ごめんなさいよりおやすみを。

271

『一年一組せんせいあのね』という本がある。

日記を書きなさいと言われても戸惑うけど、「せんせいあのね」とお題を決めてあげると鉛筆が進む。小学一年生が書いた「あのね帳」をまとめた一冊の、調べると編集者は『兎の眼』の灰谷健次郎らしい。教員一家だったからか、そういう本に囲まれて育った。

 

「おとうさん」

ぼくがおとうさんにおこられようとき

おとうさんがおならをしたから

おとうさんがおかあさんにおこられた

 

「けっこん」

ぼくはけっこんしたら 2かいめをしません 

したらまた ダイヤモンドを あげないといけないから 

ぼくは1かいめのおよめさんを だいじにします

 

つくづく、教員ってのはオモシロそうな仕事だなと思う。いい仕事してるなって親父、母さん、姉貴を思う。

話変わって、こんな記事を読んだ。僕のこれだって、せんせいあのねの延長だなって共感した。

kurashicom.jp

インターネット上に持て余した表現欲を吐き出し、ここにいるよと承認欲を満たしてるのも、「おもしろいから読めやい」というより「せんせいあのね」のほうが近い。実際のところ1日の訪問者は10もいない。それでいいのだ。吹けば飛ぶよなアリんこメディアでも、少なくともやってて楽しいし、命令されなくてもいくらでもできる気がする。

 

ブログで言うと、こんな曲がある。銀杏BOYZの峯田さんがラジオに出た時、即興で『キラキラいいにおい』という曲を歌った。

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「キラキラいいにおい」 峯田和伸

 

僕はインターネット上で ブログというものを書いている

もう一年以上書き続けているが 訪問者数はまったく伸びない

昨日の訪問者数も たったの「1」

昨日の訪問者数も たったの「1」

でも僕はこう考えることによって

悲しい気持ちを紛らわせている

この一人の訪問者が

長澤まさみちゃんであると信じて

昨日の訪問者数も たったの「1」

昨日の訪問者数も たったの「1」

キラキラいいにおい

キラキラいいにおい

キラキラいいにおい

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1日10もいない訪問者の中に、僕だったら皆藤愛子さんがいてくれたらいいな。またはNegiccoのかえぽさんがいてくれますように。

 

糸井重里さんがやってるほぼ日刊イトイ新聞の、糸井さんが毎日書くエッセイのようなもの「今日のダーリン」にも、いつも最後、今日も「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。と書かれている。広告の偉人で、個人メディアの先駆者で、モノを売ったり人が集まったり、そんなヘンでスゴイ方が丁寧に出迎えてくれる。しかと心得ようと思う。 

何も成し遂げていない若造が言うのはスーパークサいけど、何というか言葉に丁寧に生きてたいナ~と思ってる。本やスポーツ、音楽マンガ映画そんでもってお笑い。コンテンツ屋さんを広く浅く好きな人間として、その大元の言葉には丁寧でいたい。単に、丁寧な言葉を、とは違って。

それは例えば、お笑いサークルの飲み会で一つ上の先輩が放つ、ミリ単位まで精工な、それでいて快闊で笑っちゃうようなツッコミフレーズだったり。それは例えば、プレゼン百戦錬磨のクリエイターの企画書の表紙をめくった1枚目「おはようございます。コピーライターの○○です。」って毎回必ず挨拶をして始めることだったり。曰く誰でも気持ちよく仕事したいじゃないですかっていう、流行り廃りじゃない華美じゃないそういう人間の本質みたいなことだったり。

サラリーマン3年やってみて企画書ってのは、これ絶対オモシロいからぜひとも一緒にやりましょうっていう味方増やしツールなので、もっともっとできるようになりたい。当然そこに入れる言葉にも丁寧にこだわって。

 

春。

ちょっとだけ、出世しました。

昨年の今ごろ、同期入社が先に主任になったときは「常々、スーツのコスプレをしてサラリーマンのごっこをしていると思っている僕は、同期入社の出世はなんだかとってもオツでした。」なんてツイートをカマしてスカしてたんだけど、いざ自分のこととなると嬉しいし、僕以上に離れた父母が喜んでくれてて嬉しい。職員室にはあるのかな、ないような肩書きをぶら下げてまたがんばるとする。学校の先生になるんだろうなと思っていた時期もあったけど、踏み出してみてよかったと言えるように。

 

最後に、最近いいなって思った言葉。6年ぶりに日本球界に復帰したホークス川崎選手のジャパニーズサラリーマンを勇気づけるような言葉を。

「向こうでポジションをたくさんできるようになった。どこでもできるのがポリシー。監督の起用に対して、日本人らしくイエスと言いたい」

270

旅先で撮った写真を送りつけてくる女の子、恋〜。

あれ、おい、嘘だろ?便座が、ひんやり!?春〜。

知ってたけどやっぱり止まっちゃくれない、時~。

それぞれの人生を、どうにか元気しててね、旅~。

永遠に見えて月日って文字がひそんでるの青春~。

明かりを灯す。ここだよここで生きてるよ、窓~。

思い返すとケンカも悩みも涙もどこかへ、阿保~。

思い返すと笑って笑かされて笑いあって、阿保~。

1人なんだけど1人ぼっちじゃない気がする、夜~。

人と人と人と人と人と人と人と僕と君の、日々~。

起きて食べて役に立って学んで眠る普通の、幸~。

269

「幸せに向かってるはずなのに、その途中が不幸せだったらそれって果たして幸せって言えるんですか!?」って、こないだ年下の、同じ業界に身を置く女の子が言ってた。

「あたしは人生、ずっと、いついかなる時も、どの一瞬を切り取っても、幸せでいたいんです!」って酔っ払って言ってた。

 

仕事がうまくいかないらしい。第一声そんなこともあるよって言おうとしてやめとく。分かりやすく壁にぶつかっているその子を見て、1年前おそらく僕も分かりやすく壁にぶつかってたっけって思い返してそう言えば、肺に穴あけてたから何も言えない。どう克服したかなんて分からないし、克服したのかも分からないから何も言わない。何というか元気で笑ってくれてたら嬉しいなって、無責任に思ってる。応援してる。

「酔っ払ってぱっぱらぱーになるのは好きなんですけど、二日酔いになるのがきつくて。あ、でも知ってます?二日酔いにならない食べ物、これです!」ってカバンからラムネ取り出して食べ始めた。2件目のお洒落なバーでぽりぽり食べ始めた。「含まれてるブドウ糖の量から、森永のやつが一番いいんです!」って僕のお皿にも数粒くれた。愛(いと)しいなって思った。「あと実は、今まで黙ってたんですけど、長く付き合ってる彼氏がいるんです。」って報告してくれた。愛(かな)しいなって思った。何というか元気で笑ってくれてたら嬉しいなって、無責任に思ってる。「歌って踊れなくてもいい。誰かの明日を元気にできれば、それはもう誰かのアイドル。」ってミスiDのコピーを頭でなぞる。応援してる。

 

そろそろモテナイ君の企画に出られそうなくらい、どうしようもなくモテナイ人生だなって思いながらも後日、あの子の言葉をじゅんぐりじゅんぐり。すぐ惚れてすぐ影響される自分の心に手を当てて、今幸せかって問い質す。「一瞬も一生も美しく」っていう素晴らしい資生堂さんのコピーも参照しながら。たしかに僕の日常もパッとはしていない。言わないだけで、何も成し遂げていない1日も多い。すれ違う女子高生に「あーうちらもあんな風に社畜になんのかなー」「ちょ、やめなって聞こえるって」なんて言われたこともある。言わないだけで、それでも負けないぞって思ってる。

 

例えば、どんな発明家でも成功するまでは失敗してる。iモードの生みの親夏野さんも、ミドリムシビジネスをはじめるも500社に資金援助を断られた出雲さんも、チリンチリンに辿り着くまでのチュートリアルさんだって、やり続けたから当たったのかもしれない。「リボルバー理論」という言葉を会社の上司がよく話してくれるんだけど、要は弾は1発必ず入っていて早く出るか遅く出るかの差だと。だから出るのを信じて撃ち続ける。できる限り速度を上げて。

今一緒に仕事をさせていただいているレジェンドクリエイターの方も「3年、5年、10年ってのはやっぱあるよ。」って笑って話されるんだけど、3年、5年、10年を毎日あがいてあれこれやった結果のそれでもかそれゆえか3年、5年、10年だと思う。後から笑って振り返れるカッコヨサに憧れながら、僕ら若手の不安は尽きないモテナイ。

 

ヒントになるかなこないだの朝刊に、星新一大賞の結果が出てた。言わずと知れたSF作家星新一の圧倒的な想像力から、「理系文学」を土俵に、アイデアとその先にある物語を競うコンテスト。その贈賞式で、星新一の次女の方の挨拶の言葉があった。どうやら星新一の親父さん星一がそもそも大のSF好きで、憧れのエジソンからもらったサインの横にはこんな言葉があったらしい。

「なぜ成功しない人がたくさんいるのか。それは彼らが考えるということをしないからだ。」

 

端っこだろうが、若手だろうが、創造的産業をえらんだその子と僕。

最近個人的に思うのは、「やらない」っていう選択肢はあってもいいけど、「考えない」っていう選択肢はないのです。知識はあるけど知恵はない僕には難しいテーマでそれこそ3年、5年、10年考えようと思う。

次の瞬間には消えてなくなってるかもしれない人生で、悔しいけど幸せになる覚悟みたいなものが必要なのかもしれない。あと、考えるための数と時間も。まだまだ死ねない。ほんと頼むからもうちょっと頑張るから。

 

またしても悔しいけど「好きだ」って言えなかった僕からは以上です。飯食ってた一瞬、すごく僕幸せだったんで愛しいけどまたご飯でも。

268

シャカイ人になってカショブン所得が増えて何がよかったかって、自分の好きなものを表明し、投票し、いい意味で差別できるようになったことだと思う。

AKB総選挙はあれは実はAKB株主総会なのです、ってのは有名な話で。より多くの金を出してより多くの株券を買った人により大きい権利がある。って言うほど僕はまだ稼げてないし末端の消費者、雀の涙、ハトのふん。

不細工なのにいい顔しがち。好きでもないものに気を遣って好きですって言うのは優しさでもいいやつでもなんでもない。嫌いなものや苦手なことを、あ、全然いけますって残さず全部平らげたところで、大人は別に褒められないし、後からすげぇ腹くだす。

だったら嫌いなものに嫌いって言うエネルギーは注ぎたくないから、好きなものをひたすら愛でる応援するエコ贔屓エゴ贔屓。

 

「小さなきっかけが、壮大な冒険の始まりだった。」とだけ書かれた1枚のポスターその小さなきっかけが、10数年ぶり南海大冒険か太陽王伝説か、それ以来のドラ映画の始まりだった。

育ちのよいしずかちゃんですら、お客さんにお尻を向けているこの1枚のポスターたったそれだけ。前評判も、予告編も見ず調べず聞かず土曜の夜に1人映画館へ。このポスターを作ってくれた人への感動感謝が連動連射溢れ出し、スンズク駅の地下ロードに展示されてあったポスターは全部写メ取っちゃった、シゴトで急いでいたのに。facebookにもあげてみる。感動をシェアできるいい時代。好きなものを好きな人と分かち合えるいい時代。このポスターを作ってくれた彼か彼女か彼の人かのためだけに払える1,800円がある。好きなものには好きと言う。お金を使う。投資する。いざ、ドラえもん

 

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観終わった。

お話自体はホントそんななんてことなかった。すごく都合良かった。目が覚めた。

とは言え平井堅師匠の『思いがかさなるその前に』以来の「ねぇ」始まりのメロディは心に沁みた。早速youtubeで調べてみたら彼、お弁当のおかずになってた。

www.youtube.com

すごいな。来るところまで来たな。よく分からないよ。

別に、歌ってみたの数々はいいんだけど、アップしてみたは鬱陶しいもんで。ちゃんとお金出して本家本元を聴こう。差別しよう。ね、ドラえもん

 

日曜の夕方には、話題作『ラ・ラ・ランド』へ。ち・び・まるこは差し置いて。

これをララランドと書くか、ラ・ラ・ランドと書くか、人間が出る気がします。後者の人は一生付き合っていたいです。予告編の最後「ようこそラ・ラ・ランドへ」ってナレーション入るんだけど、公園とかテーマパークのランドっぽく誤解させててちょっと勘弁。Welcome to Tokyo Disney Resort的な感じは違って、後で意味知ってふるえたけど「恍惚」とか「陶酔境」って意味らしいじゃん。うわぁあ。

 

『セッション』をたまたま先月観たので、この監督の、人の内面をズレなく突き刺す感じうわぁあってなった。男の恋は名前を付けて保存して時々開いてあー今ごろこうだったかなって妄想して叶わないからまた閉じて。ただ単にめでたしめでたしじゃなかったねー、じゃない。最後の見つめ合い。見つめるミア、見つめるセブ、見つめる僕、口角の上がるミア、口角の上がるセブ、口角の上がる僕。うわぁあ。なんだこれ。すごいいやで、すごいよかった。好きの反対は無関心で言うと、ほっとけない映画ナンバー1。それで言うとさ「観るもの全てが恋に落ちる」なんて雑なフレーズはやめてほしかったな。そんなわけないって一気に安っぽくなる。全米が泣いた。みなさまのお墨付き。

いきなり歌いだすミュージカルの違和感も、ところどころ音じゃなきゃ歌じゃなきゃ伝わらない部分があるんだろうから、音楽への教養も深めていく。ピアノ弾こう。

ドイツ語は詩を書く言葉。フランス語は愛を語る言葉。イタリア語は歌を歌う言葉。英語は商売をする言葉。日本語は人を敬う言葉なんて言われる。ないと思うけどラ・ラ・ランドの日本語吹き替えがあったら地獄だな。

 

女優さんはやっぱりきれいな背中をしているし、長く付き合って別れちゃったことのある自分にはスーパー染みた映画でして、帰り道色々考えながら思い返したりなんかして。

恋したら好きな子の喜怒哀楽が木彫りの鑿みたいに僕の心を形作る。あなた仕様に出来上がっていくそんなとき『僕の心をつくってよ』って歌う平井堅師匠に、一生師事しようと決める。