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心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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2013-05-16 02:46:47 

 

ここは長野は松本のちょっとした森の中

僕たちダンゴムシはみんなで仲良く暮らしているよ。

 

ダンゴムシって書くと引いちゃう子がいるかもね。

そういうときは

「壇ゴム氏」に脳内変換してみよう。

壇蜜の関係者っぽくなるでしょ。

このお話では普通にダンゴムシって表すよ。

虫が嫌いな人は、嫌いだよ。

 

僕たちの1年は秋が1番楽しい。次に春、んで冬。

 

夏は最悪。

だって避暑地を求めて人間が荒らしに来るもん。

 

恐ろしいのは、特にコドモ。

僕らはコドモドラゴンって呼んでる。

あ、ごめん、僕らって言ってしまったけどそう呼んでいるのは僕だけですなんかごめん。

 

コドモドラゴンはとにかくめちゃくちゃな奴で僕らの無敵ボディをイとも簡単に引き裂くんだ。

あれ、普通に死ぬからやめて欲しいんよ。

 

でも僕らも負けっぱなしは嫌だから対策を取ってるんだ。

今日は2つ紹介するよ。

 

【その1】ローラー作戦

これは森中のダンゴムシの協力が欠かせない。

コドモドラゴンが寝静まった後、やつらの別荘の下の隙間に僕たちみんなで入り込むんだ。

数で言うとおよそ8億匹なんだけどイメージできるかな。

 

入り込んでどうするかって?

みんなせーので転がるんだ。

大昔の、大仏やピラミッド建造の時の丸太の利用方法と同じだよ。

僕らが人間の別荘を転がすんだ。

これはとっても疲れちゃうけどとってもわくわくだよ。

朝起きたらびっくりするだろうなーって。

だって松本で寝たはずなのに

朝起きたら安曇野だぜ。

安曇野て(笑)。

 

でも悲しいのが一晩じゃ0.02ミリしか動かせないんだ。

ただのゴムだよ、これじゃ。

大体ここに来るコドモドラゴンは2泊3日で帰っちゃうしね。

これは一度も成功したことがない作戦。

 

 

【その2】スイミー作戦

これはとっても有効な手

君らには特別に教えるけど言っちゃだめだよ。

言ったら君んちの周辺でスイミー作戦を実行するからね。

 

これも仲間の協力は不可欠。

小さい生き物はこうするしかないんだ。

ちっぽけな力を集めて何かでかいことをするって、結局悪くないってことだ。

 

スイミーって知ってる。

レオレオニが書いた名作。

ちなみに

レオレオニって言葉楽しくない?

俺らの中でレオレオニゲームってのが流行ったくらいだもん。

 

いや、ごめん、僕ふだん俺って自分を呼びません、かっこつけちゃった

それに「ら」じゃない、もちろん僕一人だけだし、

そもそもそんなゲームはありませんでしたはいなんかもう情けなくて。

 

要するに僕らが集まって巨大な化け物になって人間をびっくりさせるんだ。

僕らは黒くてちっぽけで丸まることしかできないけど

集まるとばかでかくなれる。

ちゃんと遠近法とか立体視を考えてるから場所によっては上に積み重なってさ。

 

僕はもちろんスイミー。

断固としてスイミー。

 

僕は自分で言うのもなんだけど目立ちたがりでヒーロータイプだと思うんだ。

だからたまに浮いちゃうんだ、きっとそうなんだ。

僕はキメっキメでこう言うよ。

 

「それなら僕が目になるよ!!」

ってね。

 

その時のみんなのきょとんとした顔と言ったらもう。

普段はオチこぼれている僕が名乗りを上げたものだからビックリしてる。

 

「どこでも一緒だろ」

なんて父ちゃんは否定する。

まぁ父ちゃんのように、美しい花は咲く場所を選ばない理論ってのかな、それは分かる。

 

「意味が無い」

なんて友だちは笑い出す。

まぁ意味が無いなんてのは何もやらない奴の口癖だから気にしないけどね。

(ポジ+アク)ティブの数式の出来上がり。

 

「スイミーはみんな赤い魚の中で一匹だけ黒かった。

お前はどうだ、というかワシらはどうだ?

お前あの話のオチ理解してる?」

なんて長老はまた小言。オチって何?スイミーみたいにヒーローになれればそれでいいや。

 

いいんだ僕は目になるんだ。

この真っ黒なボディを活かしてそれはそれは意志のある目を、力強いメンタマを。

 

 

最後にお願い

僕らダンゴムシはコンクリートみたいな平らなとこじゃ起き上がれないんだ。

表面が何かしら羽毛立っていればひっかかりになって起き上がれるんだけど。

この場合は、「僕ら」みんなそうだよ!

やたらにひっくり返さないでね。

 

さぁて今日もでっかい化け物の目になって人間をびびらせるぞー!

 

 

その晩、人間の子ども

『ぎゃーお母さん、でっかい黒い変な生き物がいたー!!

 

目とかは無かった。』