2013-06-28 01:23:47
えー、皆さんに内緒にしていたことがあります。
実は私は地球でした。
黙っていてすいません、隠すつもりはないのですが、タイミングが分からなくて。
別に、皆さんに、私に優しくしろということが言いたいのではありません。
そうではなく、
皆さんの人生の1つ1つは、私地球からすれば、ほんとうにほんとうにちっぽけなことです。
賢い皆さんなら、分かるでしょう。
地球のよう、ではありませんよ、地球そのものですよ。
分かる?ほら。ち、きゅ、う。
すべては一喜一憂の範囲を出ません。
今、学生の方は勉強しているでしょう。
今、社会人の方は働いているでしょう。
いい点とった、契約が取れた。
いじめられた、左遷させられた。
どうです、一喜一憂じゃありませんか。
それは、私地球が存する限り永遠に続きます。
たとえ大恋愛をしたって、新たな命を宿したって、家族に看取られ亡くなっていったって
その喜びや、悲しみが大きくて深いほど、小さい、と思うでしょう。
いや、素晴らしいことだと思いますよ。マズローの欲求五段階説を知っているでしょう。
そう、あるべき、というか、そうあるのです、皆さん、ニンゲンは。
しかし、いかんせん私が地球なものでね。いや、この実、申し訳ないというか。
何をしても、何に熱くなっても、ねぇ。
そこで、目が覚めた。
最悪だった。
1ヶ月前くらいに見た夢は、
ただでさえ終盤を迎えた私の就職活動の残りわずかなライフポイントを、からからにした。
こんなことは今までなかった。
私は熱しやすく、好奇心は多い方で、加えて田舎育ちのミーハー精神が、東京で活躍する自分を
書き殴らせたのに。
翌々日迎えた最終面接では、人事の方に自己紹介をしてくださいと言われ
「私は地球です。」
と言い切ってしまい、あわてて
「地球の出身ということです。」というおもしんない冗談でごまかし、落ちた。
この先向こう50年働いて、私は子どもが好きだから、多分子孫を残すだろうし、
もしくは、4年くらいで、死んでしまうかもしれない。
そのすべて、どうでもよくなってしまった。
一喜一憂、という言葉が、こうも人の心をぐさぐさにするナイフだとは。
なんでも話せる彼女に相談したら
「時間があるからでしょう、何かに打ち込みなさいよ。」
と言われた。
「いや俺地球だよ、目を見て聞いて。僕は、地球。あなたは、地球の、彼女」
と、真顔で説くと
「なんなの!?怖い。何?社会に出る前の恐怖?なんなの?」
と怒らせてしまった。
その後も言い張り続けて水掛け論。結局今度私(地球)が、かわいい夏物のワンピースを買ってあげる約束を取りつけ終着を迎えた。
この話は、次回に続く。