2014-01-12 22:31:50
実家。帰省。お正月。
お久しぶりの、自分の部屋を
グルリ見回し、全巻ズラリ
揃っているのは、気持ちがよくて。
『ブラック・ジャック』文庫版全17巻の
個人的お気に入りランキングベスト7をメモしておこう。
長くなりそうなので今日は4位まで。
第7位
「恐怖菌」
原子力船「むつ」の放射能漏れ事故がモデルとなっているらしいお話。
政府から、治せなかったら隠蔽のために患者を殺すと言われて、ドクター・キリコも待機している。
初めてもうダメかもしれないと思う絶望と、これは治るかもしれないという希望が普段のB・Jらしくない。ドクター・キリコの使い方も頼もしくて痛快。
目隠しされて車で運ばれながら「生きのびろよ!上陸を祈ってるぜ」っていう最後の台詞がいい。
第6位
「過ぎ去りし一瞬」
長編大作。
長いお話ってあまり好きじゃないけど、この話は完成度が高くて雰囲気が違う。
要約はパス。まとめるなんてもったいない。
「ブラック・ジャックの腕前に匹敵するほどの好敵手」をどう出すか、考えに考えたのではなかろか。
話の筋をどこから組んだのか知りたい。最初から書いていってスラーッと起承転結終わらせたようには思えない。そんなの天才だ!いや、天才なんだけど。
そんで、
後味もんのすごく悪い。神父が撃たれてなけレバ…とマンガなのにタラレバを本気で思った。モドカシ。
ピノコの最後の台詞もかわいいんだけど、切ない。
第5位
「20年目の暗示」
自己暗示とかカウンセリングとか心理学とかを僕は好きなのでランクイン。
奇跡的な手術によって一命を取り留めたB・Jが病床で、
浅草先生が本間先生に言った「きみのオペは失敗だ。手や指などは20年もたてば動かなくなる」という言葉を聞いてしまう。そして20年後本当に動かなくなる。
おもしろいなぁ。聞こうとせずとも聞いてしまう聴覚の鋭さって厄介だもんな。ご丁寧に動けなくなってしまう身体も。このシバリよくあるよね。
治療がまたかっこいい。
「本間先生はりっぱな手術をしたということ。きみにはどこも欠かんがない。」にピノコ涙。僕も涙。
第4位
「笑い上戸」
ゲラ。
この話は有名どこではなかろうか。
B・Jの友だちの話は何話かあるのだけど、ゲラもまた数少ない友だちだ。
どん底の家庭環境の中で、笑えることは高等な動物である証なんてテツガクを持っているゲラ。
人って、亡くなる直前にあんなゲラゲラ高らかに笑えるもんじゃない。
笑えることは強いこと。だと解釈している。
後味は良くないけど、自分の中に残るものがあったから好き。