中学だか高校だか習ったそれもまた、うろ覚えだけど太田さんに影響されている。
「遥か昔ビックバンから生まれたそのエネルギーが形を変え地球の自然界のエネルギーになった。だから私は宇宙の子であるのだ。(ここで笑い)
春先、どうにも頭が働かないのは自然界に存在するエネルギーが植物の芽吹きに使われる分、私に供給されるはずのエネルギーが奪われ、結果、お寝坊をし遅刻をするのだ。だから仕方ないのだ。(ここで笑い)」なんてカンジ。
自然界に存在するエネルギーの総和は常に一定。誰かが減って、誰かが満たして。
祖母が、往った。
最後に声を聴いたのは僕がたまたまレンタルCD屋にいるときで。見舞いに行ってた父の携帯から電話。
「ありがとね」をたくさんもらっちゃったのだけど、御礼を言うのはこちらの方なのに。
あのすみません、祖母の声をもう一度聞きたいのですが、TSUTAYA何店で借りられますか。あとあぁそうだ返さなきゃ、ありがとうの延滞も心配なのですが。
「元気?元気だよ。うん、はいはい、元気でね。またね。」元気かどうかの確認なのに、僕の声で元気になるらしい。
あのついでなんですけど、どこの機種ならもう一度声聞かせてあげられますかね。
姉が、行った(お嫁さんに)。
お目出度い反面、家族揃うのはこれで最後の新しい年。
「年越しは地球にいなかった」と言うためだけの、年越しの瞬間小さくジャンプするっていう母と姉のしょうもない恒例。
仕方がないから来年は、母と一緒に飛ぼうと決める。
変わってく。
24歳の僕は例えば東京に戻るのが憂鬱で仕方なかったんだけど、いざ戻っちゃうとさぁやろうやってやろうなんだばかやろうってなってる。
今がきっと過渡期っと。
回ってく。
おんなじ苗字が2人も減った。教科書的に「悲しい」を自分の中に見つけるけど、
とは言え悲観せず、変わってく役割の中で、変わってく幸せを考える。考えすぎる。考えすぎてみる。
ふと何気なく着てみた毛糸のベストは祖母の手作りで、
編み物が得意で、働き者だったなぁと。
そしてこのあたたかさはきっと、
おばあちゃんのエネルギーが、熱エネルギーになったに違いない。
ありがとう、おばあちゃん。
ちょっと変だけどいつもみたいに
元気でね、おばあちゃん。