心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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ヒトの細胞は90日で入れ替わるらしい。

見聞き触れ嗅ぎ味わったものを書き残しておく。

 

今この時代のメッセージング、ディズニー『ズートピア』。差別や人権、マジョリティの暴力的な正義、マスコミュニケーションの危うさ、強制される共生。今さら書かなくても世の中には多くの称賛があり、あるある観た観たあのシーンこのシーンは少し置いて。

諸々の社会課題を超越するのは、エンターテイメントだなんて感じちゃった。僕らのクラブのリーダーはいつだって彼なのさ。しばらく立てなかった僕は何というか、人生で初めて彼にヒレフシタ。良い映画だった。

 

ところ変わって日も改めて『ピクサー展』。「芸術はテクノロジーの限界に挑み、テクノロジーは芸術にひらめきを与える。」なんて言葉にこれからのものづくりを想う。「キャラクター」「ストーリー」「世界観」という三要素。車に目ん玉くっつけただけじゃカーズは生まれないし、現実をただ映すだけなら実写の映画でいい。制約があってルールがあるから想像力が発揮される。

膨大なドローイングとインタビュー映像を観て確信したことは、彼らのアイデアはものすごい数、却下されているということ。その理由はとってもシンプルでずばり「もっといいアイデアがあるから。」である。

えっ、これがあのウッディ?というキャラデザインの山を書き分け掻き分け、これこれ、これじゃなきゃというウッディに辿り着く。未来の当たり前が出来上がっていく様にとても勇気づけられる、正解はないのに探しちゃうゆとり世代夏目漱石夢十夜』の第六夜にもそんな話があった気がする。

もっといいアイデアがあるから、を承知しておくだけで、否定する方も否定される方も、正確には否定ではないんだけど、ポジティブに失敗ができる。自分ごと自分事、全否定されたと思いこんじゃうさとり世代。別にクリエイターなんてかっちょいいお名刺ではないけれど、良い時間だった。最終日の2時間待ちも関係なくトイ・ストーリーを観たくなった。

 

ところ変わって日も改めて気持ち切り替えてNegiccoニューアルバム『ティー・フォースリー』。ホントめっちゃめちゃいい。音楽詳しくないけどポップスっていうジャンル、耳に超楽しい。とは言え大衆受け狙いではなく、すさまじいアーティストからの無理難題を忠実に再現しようとする中で、お三方らしさがありあまっている感じ。田島貴男さんが「僕がオリジナル・ラブを結成して目指してきたことはずっとそれだけ。渋谷系でもなんでもない。普通の良いポップスが一番難しいし凄い。普通だから舐められることも多いけど、本当はそれが一番クリエイティブなんだ。そこに近づいてきてるNegiccoT43は大したもの」とまで呟かれていて、最&高

1曲1曲、曲順へのこだわりも受けて、シャッフル機能はオフにして。ユメトコスメさんのつぶやきからは、0コンマ何秒のたった1語の発音に鳥肌を走らせる。曰く「ポップミュージックに特別な魔法が宿る瞬間は、こういった一瞬に拠るものだと僕は想う。何度聴き返しても、この瞬間をずっと待っている。」って、音楽づくりの醍醐味なのでしょうきっと。神は細部に宿ると言うのなら、もうきっと神さまとハイタッチできるようなとんでもないところまで連れてってくれる、そんな一瞬が鏤められた名アルバムで、最&高

 

いい仕事してますか?って逆に問いかけてみる自分の中の中島誠之助先生。おんなじインプットでもガクセイ時代とは少し違った捉え方に、いい仕事してますよって言いたくなるし、いい仕事してますねぇって言われたい日曜日、病院、ベッドの上。

気胸再発してしまい、悔しい情けない申し訳ない手術は怖い大丈夫になりたい。奪われて初めて知るこの「働きたい」も早くも2回目で、3回目は許されない。

 

ヒトの細胞は90日で入れ替わるらしい。

3か月ぶりの、またしても空いてしまった肺の穴ぼこを埋めるため、見聞き触れ嗅ぎ味わい続ける。会社がある南方に頭を下げながら。