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心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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僕の自伝がもしあるのなら、10歳くらいまでのお話に伏線がもうめちゃくちゃちりばめられていて、それが2016年かなり回収されていってるから、きっと今年は読み応えがある。それ単体でなにか成し遂げる章ではないんだけど、謎が解けてすっきり進めていける、そんな未来に繋がるような。

 

移動距離の長い転校を経てきたので好きな人があちこちにいる。

先日の姉の挙式、姉の大親友ユッキーが1000kmを超えてかけつけてくれた。ユッキーの弟たっちゃんと僕もまた大親友で、6~8歳が同じクラスだった。ポケモン世代ど真ん中の僕らは自由帳に「改造ポケモン」略して「改ポケ」なるキャラクターを書いて遊んでいた。僕はクワガタをモチーフにしたとても世界観の合わない目つきの悪いキャラを書いていた。周りにはゆう君がいてヒロちゃんがいて横ちゃんがいてウノッチマンとかヒロトとか、ひっそり好きだったMさんとか帰り道が同じだった高橋さんとか。ドッジボールして野球してケンカして、2000年問題とは程遠い何のプレッシャーもない温々としたそんな日々があった。

披露宴でユッキーに挨拶した時「たつも会いたがってるよ!」と言われて、そうなったら早いのが僕らデジタルネイティブゆとり世代。小2以来、16年ぶりにたっちゃんに再会した。

 

「改ポケ?そんなんやってたっけ?ごめんなんだっけ」って、いやいやあなた暑中見舞いにご丁寧に水彩で改ポケ書いてくれてたじゃない。泣いた。「横ちゃん?あぁ横さんね」って距離感が変わっててちょっと笑った。ウノッチマンもヒロトも荒れまくって地元の族に入ったらしい。笑った。僕にとっては温々とした低学年ライフは高学年で一転、学級崩壊で先生が3人も変わったらしい。笑った。いや、笑えない。そんな中たっちゃんは高橋さんと中学で一時期付き合ってたらしい。やっぱり笑った。

思い出の答え合わせは見事に外れた。

残念と言うよりそりゃそうだよな。日記なんかをつけてきた手前、僕は人より日々の楽しいやありがとうを色濃く覚えてる傾向がある。半分くらいはこっちの感情だけが勝手に舞い上がっちゃってて、物足りなさを感じることも多いんだけど。でも、港町のべらぼうに美味しい魚を食べながらシゴトの話は楽しくて、別々の離れた場所で20年近くお互い色んな感情を覚えて生き延びて、こうして同じ社会人3年目をやっていることがなにより嬉しかった。一緒に通学路なんかを歩いてみたりした。

 

で、だ。

君の名は。』をようやく見た。

新海さんの映像と同じくらい美しい女友だちに、今月は忙しいって断られたから1人で。まだ腹落ちしてないからモスコシゆっくり考えたいと思うんだけど、実は僕も似たような経験がある。

移動距離の長い転校を経てきたので好きな人があちこちにいる。

 

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101 - 心頭滅却すれば火もまたスズシ

 

読み返すといかに頭がとち狂ってたかが分かる。

続きは書いていないけど、実は会いに行った。行ってしまった。とある沿線のとあるカフェチェーン。これもまた運命で当時姉の住む最寄駅のカフェでMさんが働いていた。

姉にメシ食おうぜとかって無駄に用事を作って帰りに1人でカフェに立ち寄る作戦。一回目は確か無駄足に終わった。いなかった。がっかりはしたけどある意味ホッとした。それでも、大学4年の僕は頭がとち狂っていて2週間後くらいにまた行った。

そして、会えた。会えてしまった。

とびきり綺麗になってて名札にMの苗字が書いてあって、初恋の人に気づかれないまま接客された。声がすごい綺麗だったことを覚えてる。カフェオレ注文して少し待って受け取って座って飲みはじめる。どうする?どうする?どうする?声をかけるかどうするか。たまたまを装ってるとは言えやってることはドが付くほどストーカー。時間も21時半。閉店も近い。空いたカップを下げる。意を決する。

「あの、Mさんって、Mさんだよね?」無駄な小芝居をする。「小学校同じクラスだった○○です」って言ってみる。Mさんを見ると完全に戸惑ってる。そりゃそうだ一緒に卒業してるならまだしも3年生で引っ越した奴を誰が覚えていようか。後悔した。急に後悔が込み上げてきた。「あ、って言っても覚えてないよね、ごめんまた今度!」って逃げた。すぐさま電車に乗った。会えて嬉しかったのは間違いないけど困らせてしまった。申し訳なさで一杯になった。1時間半の帰り道が永遠に感じられた。

 

もう最後にしようって決めてその日帰ってからMさんのツイッター見てみたら「○○くん?」って僕の名前のつぶやきがあって、何人かが「引っ越しちゃった背の高い子だよ!」みたいな返信をしていた。Mさんは覚えていなかったっぽいけど、周りの人は覚えててくれる人もいたみたいだった。それから一切見ていない。アカウント名も何1つ忘れた。

 

そんでもってそんなことがあった上であぁもう運命ってすげぇなって思うのが、その翌年から僕らは社会人だったんだけど、Mさんの内定先、配属先が姉と全く同じ職場だった。

「あれもしかしてうちの弟もMさんと同い年なんだよー」って姉すごく仲良くなったらしい弟の初恋相手と。僕がバイト先見つけちゃって会いに行ったことは姉には言っていない。

これが僕の『君の名は。』 

 

話は戻って現在。

たっちゃんに聞いたら「あぁMさんこないだ結婚したよ」って聞いてぎゅんってなった。「確か9個上の人と」って聞いてぎゅんぎゅんってなった。上手く説明できないけど"きゅん"と似てるけど全く非なるものです。

 

帰り道最近覚えたスポティファイで『SWEET MEMORIES』を聞く。失った夢だけが美しく見えるのは何故かしら。たっちゃんと別れた時は降ってなかったのに、車窓から見える雨、赤い電車。思い出をしょいこみ過ぎるから、いつもこうなる。人生のこれからの章に、警鐘。土曜の夜、終電間際、一人ひたひたに浸る帰り道。

突然!仮装した外国人留学生が15人くらい乗り込んできて囲まれた。爆音でクラブミュージックを流し、ウイスキーを回し飲みし、僕が少しでも寝たふりするとUZAI?UZAI?って聞いてきた。

えぇいあぁ君からもらいノリ。「Sounds nice!」と「Have Fun!」で応戦した。7駅くらい一緒に乗ってたノッてた。荒療治だけど、思い出は時にこうやって上から塗り潰してくのかもしれない。それも悪くないな。いややっぱそっと取っておきたいな。

そんな2016のハロウィンでした。