心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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シャカイ人になってカショブン所得が増えて何がよかったかって、自分の好きなものを表明し、投票し、いい意味で差別できるようになったことだと思う。

AKB総選挙はあれは実はAKB株主総会なのです、ってのは有名な話で。より多くの金を出してより多くの株券を買った人により大きい権利がある。って言うほど僕はまだ稼げてないし末端の消費者、雀の涙、ハトのふん。

不細工なのにいい顔しがち。好きでもないものに気を遣って好きですって言うのは優しさでもいいやつでもなんでもない。嫌いなものや苦手なことを、あ、全然いけますって残さず全部平らげたところで、大人は別に褒められないし、後からすげぇ腹くだす。

だったら嫌いなものに嫌いって言うエネルギーは注ぎたくないから、好きなものをひたすら愛でる応援するエコ贔屓エゴ贔屓。

 

「小さなきっかけが、壮大な冒険の始まりだった。」とだけ書かれた1枚のポスターその小さなきっかけが、10数年ぶり南海大冒険か太陽王伝説か、それ以来のドラ映画の始まりだった。

育ちのよいしずかちゃんですら、お客さんにお尻を向けているこの1枚のポスターたったそれだけ。前評判も、予告編も見ず調べず聞かず土曜の夜に1人映画館へ。このポスターを作ってくれた人への感動感謝が連動連射溢れ出し、スンズク駅の地下ロードに展示されてあったポスターは全部写メ取っちゃった、シゴトで急いでいたのに。facebookにもあげてみる。感動をシェアできるいい時代。好きなものを好きな人と分かち合えるいい時代。このポスターを作ってくれた彼か彼女か彼の人かのためだけに払える1,800円がある。好きなものには好きと言う。お金を使う。投資する。いざ、ドラえもん

 

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観終わった。

お話自体はホントそんななんてことなかった。すごく都合良かった。目が覚めた。

とは言え平井堅師匠の『思いがかさなるその前に』以来の「ねぇ」始まりのメロディは心に沁みた。早速youtubeで調べてみたら彼、お弁当のおかずになってた。

www.youtube.com

すごいな。来るところまで来たな。よく分からないよ。

別に、歌ってみたの数々はいいんだけど、アップしてみたは鬱陶しいもんで。ちゃんとお金出して本家本元を聴こう。差別しよう。ね、ドラえもん

 

日曜の夕方には、話題作『ラ・ラ・ランド』へ。ち・び・まるこは差し置いて。

これをララランドと書くか、ラ・ラ・ランドと書くか、人間が出る気がします。後者の人は一生付き合っていたいです。予告編の最後「ようこそラ・ラ・ランドへ」ってナレーション入るんだけど、公園とかテーマパークのランドっぽく誤解させててちょっと勘弁。Welcome to Tokyo Disney Resort的な感じは違って、後で意味知ってふるえたけど「恍惚」とか「陶酔境」って意味らしいじゃん。うわぁあ。

 

『セッション』をたまたま先月観たので、この監督の、人の内面をズレなく突き刺す感じうわぁあってなった。男の恋は名前を付けて保存して時々開いてあー今ごろこうだったかなって妄想して叶わないからまた閉じて。ただ単にめでたしめでたしじゃなかったねー、じゃない。最後の見つめ合い。見つめるミア、見つめるセブ、見つめる僕、口角の上がるミア、口角の上がるセブ、口角の上がる僕。うわぁあ。なんだこれ。すごいいやで、すごいよかった。好きの反対は無関心で言うと、ほっとけない映画ナンバー1。それで言うとさ「観るもの全てが恋に落ちる」なんて雑なフレーズはやめてほしかったな。そんなわけないって一気に安っぽくなる。全米が泣いた。みなさまのお墨付き。

いきなり歌いだすミュージカルの違和感も、ところどころ音じゃなきゃ歌じゃなきゃ伝わらない部分があるんだろうから、音楽への教養も深めていく。ピアノ弾こう。

ドイツ語は詩を書く言葉。フランス語は愛を語る言葉。イタリア語は歌を歌う言葉。英語は商売をする言葉。日本語は人を敬う言葉なんて言われる。ないと思うけどラ・ラ・ランドの日本語吹き替えがあったら地獄だな。

 

女優さんはやっぱりきれいな背中をしているし、長く付き合って別れちゃったことのある自分にはスーパー染みた映画でして、帰り道色々考えながら思い返したりなんかして。

恋したら好きな子の喜怒哀楽が木彫りの鑿みたいに僕の心を形作る。あなた仕様に出来上がっていくそんなとき『僕の心をつくってよ』って歌う平井堅師匠に、一生師事しようと決める。