心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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出来れば願わくば、明るく楽しい話を書きたいと思っている。現実はトントン拍子ではなく拍子抜けするし、日常は青ざめたり白を切ったり色々あるんだけどそれでも。少々の強がりもまぶして言うと、今、仕事が楽しい。おもしろの幅が広がってきている気がする。

 

早いものですでに複数回登壇したシンソツの説明会、毎回アンケートを取っている。お笑いサークル時代経験があるのだが、アンケートってけっこう重要。うけてたすべってたって肌の感覚的で、照明に照らされ客席の顔は見えないし、練習しすぎてもはやどこが面白いのか分からなかったりするから、5点満点で数値化されたり、面白かったですの声をもらったりすると安堵と嬉しさが込み上げてくる。で、そのあとの飲み会の気分がいい。別に1位になったから何になるわけではない。遊ぶように生きて、生きることを遊ぶのだ。

話戻して学生からのアンケート。中でも1番嬉しかったのが「知的欲求が掻き立てられました。」って声で、そうそうそれそれ~ってなった。うちの会社の間違いない魅力の1つだし、僕自身が学生の頃に説明会でまんま同じ魅力を感じていたことを思い出す。知識はアメーバ、情報と情報の掛け合わせ。美味しいものを食べるとほっぺが落ちる。物事の本質や実態が分かると目から鱗が落ちる。聞いた話と自分の経験がクロスして初めて腑に落ちる。いい話を聞いていい話を伝える人になりたいと思っていて、いい話を聞いた時、耳を用いた慣用句が何かあるといいんだけど見つけられず。調べたところ四十にして惑わずでおなじみ孔子論語で言うと、六十にして耳順(した)がうらしい。なんてこった、人の言葉を偏見無く聴く事ができるようになるのにあと30年以上、今まで生きてきた倍かかるらしい、なんとまぁ耳が遠い。

仕事柄、初めて出会った人の勤め先を聞くとたいていオフィスがどこにあって最近の業績がどうでマーケティング部長が誰で、ってのが分かる。もっと言うと各社の企業理念や、最近の広告コピーも知ってて、合コンだとまず最初に引かれるから言わないようにしてる。知識が知識を連れてきて、思えば遠くへきたもんだ。

1年目の尖った後輩が「まず三年頑張れってみんな言うけどなんで三年なのですかね?」ととても気にしている。わかる。超わかる。3年修行してるうちに変な話死ぬかもしれない。もし死ぬんだとしたらこれなんのための3年なのかって僕も思ってたことがある。ちなみに僕は3年目の春と夏に肺に穴を開けた。全身麻酔の手術で「万が一の場合死ぬ可能性もあります」という文章に同意せざるを得なかったとき、なんだこれって人生の無常を思った。「石の上にも3年」の石、ほんとにこれで合ってますかね?なんか僕のこの石、やたら座りづらいんですけどハードモードですかこれ?設定ミスですか?とかいろいろ考えてみてるけどクリティカルな答えは出てなくて、自分自身「3年、5年、10年というのはあるよ」とコピーライターの先生に言われた言葉だけを信じてやってきた。座るべくして座ったこの石を、あとは意地でも正解にしていくだけなのだ。なんで働いているのか、もう少し言語化していかないといけないっぽい。

5年やってようやく少し身に付いたのが、あれ?これもしかして僕も経済ゲームのプレイヤーの1人なんじゃない?感覚。「はいそれでは、皆さまのお手元に配りました100億円を使って何をやっていただいても結構ですのでお金を増やしてください。“お金増やし”に嫌悪感がある人がいらっしゃいましたら“幸せ増やし”、“愛増やし”、“ユーモア増やし”と捉えてもらっても構いませんよ。」と、脳内で謎の司会者が話しかけてくるゲーム。失敗したり成功したりしながらいろんな勘定といろんな感情を覚えて人生を彩り濃くしていくゲーム。遊ぶように生きて、生きることを遊ぶのだ。

学生時代、人数合わせで入れてもらったボードゲームカタンの開拓者たち」は僕はめっぽう弱くて、最初から1位を諦めトリッキーなことをやって3位を苦しめる4位みたいな立ち位置だった。マリオカートで言うと首位争いをしていないけどキラーが出てくる最下位でもない9位10位がやたら赤甲羅投げてくるみたいなプレースタイル。痛いよ。もう少し上位になってから赤甲羅使えよ。熊本弁で言うまぜくるスタイル。で、カタンが世界中で人気なのも、もっと言うと資本主義経済でここ200年ぐらい?みんなが働いているのも、ちょっとしたゲーム感覚なのかもと思う。俯瞰して見るとなぜ働いているのかの問いは、幸せ増やしゲームにヒントがありそうだって目から鱗鼻から牛乳。耳から〇〇(みんなで埋めてみよう!)。

まだまだできていないけど、会社目線と社員目線、現場目線とマネジメント目線の両方を行き来できるようになるときっともっと楽しい。マネージャーになるとハードじゃないですか?って前に先輩に質問したら、「全然。自分でやってもいいし、部下にやってもらってもいいし、自分でやるの1択から選択肢ができて、結果的にできることが増える」とあっさり言われてびっくりした。短い人生、早いところ選択肢を増やした方ができることが増えて楽しいんだろうなと思う。

 

最近聞いた「会議」の話。世の中無駄な会議は少なくないけど、こんな会議意味あんのかよーと言ってるだけのやつは永遠に伸びない。それはなぜか。口に出した瞬間に自分に返ってくるらしい言葉はブーメラン。つまり、意味ある会議1つ開くのがどれだけ大変か。価値ある仕事を作り出すことがどれだけしんどいか。こんな会議意味あるのかよーと言った時、同時に「自分は会議1つに意味を持たせられるのか」を問いかけて自分の首を絞めているのだ、という。「こんなの意味あるのかよー」とクリティカルな批判をした風に悦に入ってるその瞬間、同じぐらいの強さで「どうせ自分がやってもうまくはいかないだろうなー」の首輪に締められる。できないの箱に閉じ込められる。そして一生、当事者になれず巻き込むこともできず、大きな仕事が逃げていく。小さな意識1つでも意識は習慣化され、言動になって現れるっぽい。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。(と初めて使ってみたけど用法用量合ってますかねこれ?)

よく聞く「ポジティブであれ」のその理由を考えたことはなかったけれど、楽観的や積極的でだけでは言葉が足りず、能動的もっと言うと自分の人生、自分が主人公たれということなんじゃないかと思う。で、たぶん今僕が仕事が楽しいのは、元々の楽観的で積極的でポジティブな自分が、自分の人生の主人公になるための能動性を理解し動き出しつつあるからなのだと思う。これはこれは、目から鱗瓢箪から駒。二階から目薬。

 

さて主人公、へいジャリボーイ。映画ミュウツーの逆襲を21年ぶりに見て、相も変わらず「俺はマサラタウンのサトシ!」と名乗る彼に、「僕は熊本市のカケル!」を名乗っていこうかなと思う。オビヤマタウンのがいいかな?きっとオビヤマタウンは、やたら人の多い街で現実社会の縮図。ジムリーダーはウエノ先生。きっとかくとうタイプの使い手だ。

僕は緑版でゼニガメを選んだのでゼニガメで話をすると、今の自分はゼニガメレベル36みたいな感じ。いや、いつまでゼニガメのままレベル上げてるのよ進化は!?カメールカメックスは?ってなってる。人としての成長進化変化ってのは責任を持つことだと思う。できる仕事のサイズを増やしていく。カメックスになった僕に乞うご期待ですお楽しみに。限られた社会人人生、うまくいこうがうまくいかなかろうが70で引退。ポケモンもレベル100以上は上がらない。終わりが見えているなら早めに世界を広げておいた方が楽で、楽しい。進化変化への憧れが強まる。映画、エンドロールの風といっしょにが超超良くて人生賛歌。

歌詞でも書いておこう。

歩きつづけて どこまで ゆくの? 風に たずねられて たちどまる

ひとつめの たいこ トクンとなって たったひとつの いのち はじまった

やがて なにかを もとめて 小さな 手のひらを ひろげ
きみは すぐに みつけたね きみじゃない だれかを

誕生日祝う ローソクふえたけど たったひとつの ふるさと 旅立った

いまも なにかを もとめて大きな ひとみ かがやいて
きみの ポケットの なかにはきみじゃない だれかとの‥‥

いくつもの であい いくつもの わかれ まぼろしのような 思い出も すこし

歩きつづけて どこまで ゆくの? 風に たずねられて 空を見る

歩きつづけて どこまで ゆこうか 風と いっしょに また歩き出そう

大地ふみしめ どこまでも ゆこう めざした あの夢を つかむまで

www.youtube.com

 

沢山の出会いと別れを思い出しながら映画館を出る。知ってる人みんなが笑顔で愛とユーモアにまみれてくれてたらいい。風といっしょにを口ずさみながら歩いて帰る。家に帰ったら信じらんないけど鍵をなくしている。おいなんだこれ。そういえば映画中にニャースが出てきたとき、左下でチャリンと小判みたいな音がしたな。最先端の4Dかと思ったけどあれ俺のカギだな、ひっかく攻撃。

Twitter開いてタイムラインを見るに、オビヤマタウンからの大親友が病院にいるらしい。いよいよ彼がパパになるのだ。俗に言うパパ活である。思えば彼の結婚報告を聞いたのは僕が肺に穴を開けて病床にいる時で、おいおいこの差はどこで?ってなったんだけど、彼がパパになるその時に、僕はなくした家の鍵を探しに大雨の中、映画館まで戻ってるのおいおいまじでこの差はどこで!?我ながら笑えてくるけど、今後彼のハッピーニュースの度に僕にプチ不幸が訪れると思うと少々怖くもある。

 

ひとつめのたいこがトクンとなって、たったひとつのいのちがはじまった。父になって着実にレベルアップして責任を負って進化していく彼を見て僕はとても感動したわけですこりゃとってもおめでとう。ふわふわしている僕(と奥ちゃん)に彼がくれたアドバイスがくそほど刺さったのでここに書いておきます。

「ただ人として相手をしっかり見ること。それだけ。」

すげぇなこの人、人生何周してるんだよミュウツーみたいなこと言うやん。カケルはめのまえがまっしろになった!