七夕さまって願いを叶えてくれるんでしたっけ?
年1で会えることと、短冊の願い事は何の関係が。
まぁいいや、願うんだ、力強く、今年もまた。
「やぁ七夕さま、贅沢は言いません。
禿げへの覚悟はできてます。だからどうか良い感じに禿げてくれろ」と。
髪に関するコンプレックスがとてつもない。
開く卒アルはその昔、所謂、地肌見え坊主であったことを物語る。
TENPAでうすうす、なんて書くと男性用のそういう商品みたく。
シラガとヌケゲは新ポケモンかよ。進化前かな。
覚えているのは小1、2学期、僕だけに訪れた空前の毛抜きブーム。
ただでさえ不毛な土地から、次々に伐採していくもんで、止まらない頭皮の砂漠化。
抜いた髪の毛の先っちょについてる白いの、今思えば毛根以外の何物でもないんだけど、
駄菓子屋の籤みたいですげぇ楽しくなっちゃって、
友だちに引かせて、
友だちに引かれて。
子どもって、残酷。
先生から両親に連絡があったのもしごく当然。
「お宅のお子さん、みんなに髪抜かせてる(抜かれてる)みたいなんですけど。」
先生が気づいて止めるのがもし3学期にでもなっていたら僕のつむじは10円でも500円でもなく
石貨くらいなってたと思う。まじで。
「禿げたら坊主にしたらいいじゃん」って簡単に言ってくれるなよ、この後頭部見ても同じこと言えるのかい。
何より、頭の形いかれぽんち。
あるはずの丸みが無く、脳みそ反立つ壁。
富士急で言えば後頭部、高飛車。
最大121度で落下してくるアトラクション的に頭の形がおかしい。
優しい人もいるもんで、
「遺伝って言うよね、気にしなくていいんじゃない。母方のおじいちゃんはどう?」なんてかけてきた大外刈りには、
「えー、父方のおじいごと禿げておりますが何か。」
と大外返でカウンターパンチ。
親戚の集まりで思わず言っちゃった言葉が
「いや、サラブレットかい!」だもの。
ちなみに、
悩むと禿げると言うが、禿げが悩みだ。
とはだいたひかる師匠のお言葉。
薄毛を気にする人への優しさの正解は
「そんなことないですよ」でも「大丈夫じゃないですか」でもなく
「思ったことないですけどね~」である、
って昔先輩が言ってたな。
しごく分かる。
つくづく、
よく苛められずに済んだな、と思う。
もうちょい自尊心が高かったら私はきっとおソトで遊ぶ子になってない。
それ以上に、私の良い所に目をつけてくれた友だち様には心より感謝したすぎて、もう、禿げそう。(この表現、スーパー、胸にくるよね。)
これは余談だが、
だからなのか、私はその人のコンプレックスを見抜く力が人より強いと思っていて、
例えば似顔絵を書かせると、わりと上手い。
ツッコミどこ探すのも、少しだけ、得意。
七夕さま
贅沢は言いません。まともに、禿げて下さい。
みっともなく禿げないで。
これまで黙ってくれていた友だちの優しさが、
「これは我々がもうはっきり言ってあげないと本人のためにならない」
なんて狂気に、凶器に豹変してしまわぬよう。
分かっております。だてに長年薄毛やってないんだ。
同窓会の連絡が来て、
これから恐らく年一とかでしか会えないことになる友だちを思いながら、
七夕みてぇだなって、お願いごとをしましたよっと。
か~な~え~!!