心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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スマホのメモを久しぶりに開くとあっという間に3週間くらい経っていることがあって自分が自分に久しぶりなことがある。ボーっと生きてんじゃねーよとチコちゃんに叱られ、タラタラしてんじゃねーよとよっちゃんは言う。原料に鱈が使われているからと言って「タラタラしてんじゃねーよ」なんてネーミングは普通思いつかないさすがよっちゃんのスルメイカ。法人営業の血が騒ぎ、会社サイトを訪れてみると企業信条のところに「当社はマネはされてもマネはしない技術開発の王者たる事を期す。」「現状を救わないものはすべて空論である。」「怠け者の吸う空気はよっちゃんグループにはない。」「良品に国境なし。世界は我が市場なり。人を生かす金井流の経営に徹する。」とあって、いやめちゃくちゃかっこいいなよっちゃん食品工業不定期に更新しているスマホのメモ欄に思いつくままを吐き出す。前回のブログ348に書きそびれた話がある。

「作家が1番言いたいこと?そんなもん処女作に全部書いてあるだろう」というジョークがある。出版社に勤めているので本に触れる機会は多いが、1作目で出した事例を2作目以降も薄めて使われる著者も多い。爆笑問題太田さんの本を何冊も何冊も子どもの頃から読んできたけど主張の幹は変わっていないように思える。きっと僕が言いたいことも、今もこれからもそんなに変わらない。そんなに変わらないんだけど言葉の粒度なり捉え方が変わることがある。あと書いてる途中に頭の中で自由に喋りだすからあまりコントロールが効いてないことも多い。脳科学者の茂木さん曰く「おじさんが親父ギャグを言うのは、脳のコントロールが効いてないから」らしい。怖っ。連想記憶の能力は高まる一方、感情をコントロールする前頭葉は20代をピークに萎縮していく。怖っ。新入社員と友達感覚で話してしまうんだけど、彼らが今まで所属していたどのコミュニティにもいない1年生と7年生という年齢差に気づいた瞬間、こうして老害は生まれるんだなと戒める。

とは言え駄洒落の効能として覚えられやすいということがあって、喉に塗るから「のどぬーる」、熱を冷ますシートだから「熱さまシート」など小林製薬の商品名一覧はアハ体験の宝庫。こうして前に出した話やくだりに戻ってくる文体を好む僕は、連想記憶大好きっ子ちゃんなのかもしれない。「ダジャレではなくオシャレです」とは「でっかいどお。北海道」などの名作コピーを残した眞木準さんの言葉である。

 

「センスを磨く」「感覚を研ぎ澄ませる」という方法がなんとなくわかってきた気がしている。それは少年漫画みたいにうおおー!って心身をヘロヘロにすることでもなく、逆に精神統一!呼吸が乱れておるぞ未熟者みたいな呼吸法とかでもなく、アンテナを張って細かい情報も蓄積して考える回数を増やすことなんだと思う。1日5分でも10分でもそのことについて考える。よく言われるけど人間の脳はその10%くらいしか使われていないらしい。前回のブログ348で言うポイント制を貯めていく。その繰り返し。ボーッと過ごすか小さな粒を集めていくかの違い。例えば小学生にヒットするお菓子を作れ!という命題を与えられたらとりあえず今小学生の間で何が流行っていて、小学生は何が好きで何が嫌いで、日常にどんな不満があって、どういう存在のお菓子になるといいかなって考えを張り巡らせると思うのよ。さて、張り巡らせた後で街を歩くとそこにはヒントだらけ。通学路には何があるかな?公園や団地のどこが好きだったかな?想像と知識を寝かしたり起こしたりしながら考える。考え続ける。ずーっとではなく頻度を上げる。

例えば想像してみてほしい。公園の遊具は3つ。シーソーと滑り台と砂場があるとして、大人になった僕らはすぐ遊び場は3つだけと捉えてしまうけど、小学生からしたら滑り台の足はのぼり棒になるし、滑り台の下は雨に濡れない秘密の隠れ家になるし、シーソーはバランス崩さず渡り切れるか一本道になるし、砂場なんて落とし穴や砂風呂やダムにすらなる。遊びアンテナが子どもに比べて縮んでやいないかい?Hey!みんな元気かい?

けんという方が書く漫画がすごく好きなんだけど、そうした日常の小さな心の動きを表すのがめちゃくちゃうまい。拙者、amazonが使いこなせないアナログ人間であるゆえに、誤ってけんさんの漫画同じの2冊買っちゃったから欲しい人送ります。見てみてみ。

https://omocoro.jp/writer/ken

 

世界に、日常に、そば耳を立てるイメージ。思ったけど「耳をそばだてる」「聞き耳を立てる」という表現はあるが「そば耳を立てる」ってあるのかしらと不安になって、大辞林を引くと一応あるらしい。恐らく耳をそばだてるから自然発生的に生まれた言葉だろう。ついでにそばだてるって漢字で書くと「欹てる」って読めねぇ。受験生がこの文章を読む機会は限りなく0だと思うけど、センター試験で出てもこれで慌てないで済むねよかった。要するに、自分の名前って聞き漏らさないじゃないですかカクテルパーティー効果。それをいくつストックできるか。いくつ面白がれるか。面白いと自分がどれだけ思えるか。会社の経営陣と話す時、その差にいつもひるんでしまう。この記事読んだ?面白くない?のレベルを同じにしていく必要がある。

金曜ロードショートイストーリー3が最高に面白くて、SNSにはアンディの成長が世代的に自分と重なってエモいというコメントが見られたけどその「エモい」の裏にディズニーのめちゃくちゃ緻密なマーケティングがある。マーケティング=価値を創造する仕組み。実際ディズニー映画とディズニーリゾートのアトラクションができたタイミングを追っていくと、映画『ファインディング・ニモ』を見に来た2003年のカップル2人が、2005年にディズニーシーのタートルトークで遊び、結婚して子どもが生まれて今度は子どもと一緒に2016年に家族で映画『ファインディング・ドリー』を見て、翌年2017年に家族でシーに行ってニモ&フレンズ・シーライダーで遊ぶ。そうして遊んだ子どもたちが大人になったタイミングでまた次の一手があるのではなかろうか。ターゲティング広告ばりにディズニーにターゲティングされてまっせというお話。

「どんな新規事業もワークショップからは生まれない」「マーケティングフレームワークから出たヒット商品はない」と言われる。大数の法則。プロは打率の世界。作り手が本気で面白いと思わないものが売れることはないと思う。下手な英訳みたいになったけど、要は作り手が熱狂しないと始まらない。マネはされてもマネをするな。怠け者の吸う空気はない。

 

緊急事態宣言は長引き、財布からお金がまぁ出ていかない世の中。

なんてことをほざいてたら、例のごとく高校の友人が「絵本を作ろう」と言い出した。2チームに分かれて助っ人あり。期限は5末。5末!?どうやって作るかも分からないままそれでもせっかくやるのならいい本にしよう!「作家が1番言いたいこと?そんなもん処女作に全部書いてあるだろう」その通りである。さぁ子ども達にどんなメッセージを伝えようか?どういうコンセプトの絵本にしたいか?僕らの子どもに向けて、か。そりゃいいね!みたいな議論をしてたら1人ばりばりの絵本屋さんで働くやつがいて、「作り手のエゴは読者からしたら知ったこっちゃないからな」って本気のダメ出し。いやこれ仕事かよ。読者なんてほぼいないよ。よく絵を描いてる知り合いの可愛い女の子に聞いて、ひとまずお絵描きアプリをインストールしてみた。さぁ描くよ!

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いや、なんだこれ!!!