心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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2013-12-14 23:08:35 

 

あふれてあまるありったけを。

 

 

サークルの1つ下が引退した。

連絡事項より緊張感を伝えて流れてくるメーリスを見ながら、僕は接客に打ち込んでいた。

ハレの舞台を見届けることはできなかった。

ガンばってる彼らのキラキラは「開場します!」だけでもいたく伝わる。

たった一行のメールを、ガンばれってガンをかけ、ゆっくり眺める。

こんな日に限って、お店は閑古鳥。

 

友だちの少ない僕らのライブはだいたい集客が悪く、ほぼ毎回10分押すんだけど

「時間通り開演します!」

あぁそうか、満員なんだな。

って熱くなった。本当にハレなんだよ。セイシュンの全てなんだよ。

 

 

少し離れた場所で、勝手に馳せている元代表は置いといて、

舞台の終わりを知らせたのは、2つ下の代表からのメーリスだった。

あぁ無事に、代が変わったんだな。

どんな顔してんだろ。

見られてたならきっと、うわお前感極まってんじゃんくらい飛ばして言える想いが、どうもだめだ。

見てねぇから、見てねぇのに、泣きそうになった。感極まったのはこっちだった。

 

酒もロクに飲まず、世界一無益な議論を朝まで交わす僕らの飲み会がその日、

まぁどこのサークルでもあると思うんだけど、引退挨拶みたいな感動的なやつで、

それすらも、行けずに1人、

たいして売れなかった店を閉める。

 

 

見届けてあげられない後悔が、僕に、1人1人に手紙を書かせた。っていう下手くそな英文の訳。

僕なりに、同じ和室の空気を吸ってきた1人1人へ。

実際こんなん恩の押し付けじゃねぇかって、間違ってんじゃねぇかって何度も手を止めた。

別にお世話になった覚えはないです、って言われたらイッパツ。

書いてくとちっさい思い出もびっかびかに美化されてて、

勝手に熱くなってる元代表からの「こんなこともあったよな!実はさ、あん時…」は、

イタイとかクサイとか通り越して、いらねぇ、なんじゃないか。

 

背中を押したのはその数日前、後輩らにたまたま会えた時に

「あえて空気を読まない」がモットーのふざけた1人に「あぁ僕そういうの大事にしちゃいます。」って言ってもらえたことだ。

「あえて空気を読まな」かったのかもしれないけどさ。

二転三転、迷ったんですよっていう言い訳をしっかりかましたうえで、

書いてよかったなって今思う。

1つ下も、例年に負けズ劣らズくズで、僕もお世話したったと思っている、それ以上に、

僕が彼らにお世話になっていたからだ。

 

トンガった漫才コンビの後輩たちから、僕らは果てしない危機感を覚えた。

彼らが入らなければ、僕がコンビを組んでた、クイズ型社会不安障害の彼は、永遠にネタを飛ばしてただろう。2年になってからどんどん上手くなっていった気がする。

後輩から「いや、でも先輩ら結局ライブでウケてますからね」って言ってもらえたとき僕の脳ミソはそれを勝手に「参りました」に変換するくらい、ずっとケツを叩いてもらっていたのだ。

 

もっぱら、そういう刺激は置いといて、単純に後輩のおかげで楽しかった。

シャッフルで舞台立てたり、僕の12点のボケでも「何やってんすか」って呆れながら言ってくれたり。

後輩は、どう思われていようが、ずっと、かわいい。

 

そういう本意で

「入ってくれてありがとう」が自然にでてきた。

1人1人にとってどんな居場所だったかの涙を交えて聞けなかったことは心残りだが、

もし、入ってよかったって思ってくれてたら、

一応サークルを動かしていた側として、筆舌しがたいくらい冥利に尽きる。

そう思って今またちょっと泣いてる。

自慢じゃないが、自分の引退の時には流れなかった涙である。

 

後輩は、ずっと、かわいいもんで、お手紙に返信くれるやつもちらほら。

それ待ってましたみたいなっちゃってるのが情けないけど。ありがとう。

 

 

この際だから言うけど、

僕はそりゃま代表を務めてたけど、サークルにハマってなかった。笑

机で頭を悩ますことから逃げ、体裁を整えることに逃げてしまっていたし、

ゆえにテクニック的なコメントは何1つ言えないし、

そんなやつがイチバン偉くなってしまったもんだから、変に言動に重みが出るし、下から見れば厄介だったと思う。

1年前ちょうど僕らが引退するときに、ロータリーでそれこそトンガってた後輩コンビに

「変なことやっててすいませんでした。」って謝られたっていうエピソードがそれを物語る。

挑戦者に頭を下げさせてしまったことが、僕の間違いをこれ以上ないくらい表してて、すごく辛くなった。

そいつらへの手紙には「どうか頭を上げてくれ」を一言添えた。

 

 

イヤミではなく愛を込めて1つ下を述べるに。(載せなかったパンフへのコメントである。)

 

恐らくみんなヘロヘロの達成感を浮かべ引退することだろう。

でも惑わされちゃいけない。

実質サークルを動かしてたのは3,4人である。

あとの10人以上、「もうダメ死にそう」感を出すのが上手いやつらだった。

そんな代をバランス取って引っ張り合って、仲の良さっていうシンプルかつ強力な武器。

敵を作らない、クズを笑える雰囲気は、代の良さ、さらに言えば、このサークルの良さである。

どうか最後

「もうダメ(楽しすぎて)死にそう」

「もうダメ(引退したくなさすぎて)死にそう」

であってくれたら僕は、この上なく嬉しく思う。

 

 

長々書いた私信もこの辺にしとこう。

もっともこの記事の存在を知らないサークル員が山ほどいるから私信にすらなってない。

 

50代、

お疲れ。ありがとう。ごめんよ。おめでとう。