「半径500mに高齢者世帯が10世帯あるか、って一般的に言われてますけどね」
って引っ越すとき、不動産のワタナベさんは治安のチェック方法を教えてくれた。
たぶん、半径50メートルですら10世帯以上ある気がする。
圧倒的な安心感で暮らしている。
そんな、住んでいる街の話です。
久しぶり、スんできれいな夕日に、ベランダがある部屋にスんで良かったと思う。
わっしょいぴーひゃらどうやらオマツリ。担ぎやがったなとオミコシ。
ママががんばっている。
子どもの成長を見守り、町内のイベントを開く。提灯のあの名前はスポンサーなのだと、大人になった今なら分かる。
当たり前だけどここ東京でもイドバタ会議はよく開かれ、今日もたくさん油が売れたんだって。予算回収できたかしら。
夜には夜で。毎日ぐちゃぐちゃになってかえり、新築戸建てのお風呂にあかり。
パパががんばっている。
たまに一緒に入っているらしいお子さんの声が聞こえてくると、それだけで何一つ関係ない僕も頑張れるんす。
シャンプーメーカーは、あの匂いが意味する、えもいわれぬ日常のシアワセを作ってる。いい仕事してますねぇ。
きっかけを探しているのさ、人はいつも。
住処を変えることで大きく人生が動きだしたりする。
次引っ越すときは例えばお嫁さんを迎えるときだったりして、わっしょい。
思い返すガクセイの最後、下落合の家を出る3日前に鍋をやった。同期と後輩と10人くらい集めて。
夢の一人暮らしの夢、大好きな皆藤愛子のカレンダーは案外飾るところがなく、ガムテープストラックアウトの的にされたっけ。それ以来買ってないや。
持っていたクマ型のぬいぐるみは四肢の綿を内蔵にねじ込まれ変形した。
年配者が昔を振り返るとき、「ヤスイ酒を飲んで朝まで語り合った」って80%以上使われる表現で、ベタだなさぶいって思うんだけど、全く同じ体験をしているからべたは強い。年配者にならないよう気を付けよう。
勤務地的に引っ越しはマストではなかったけどそんな、ぴーひゃらから引っ越したのは良いきっかけだったと思う。
ボクががんばっている。
鍋やって飲んで朝になり、部屋を出るとき後輩が笑い乍らこんな言葉をくれた。
「いつかここが、伝説はここから始まったって言われる部屋になるんすね。」
こいつ曽呂利新左衛門の生まれ変わりかよ、なんて思いつつ下落合から次の区へ。
もうすぐ2度目の年男だから、自分が伝説なんてとても思わないけど
ここからどこかへ。もうちょっと先の自分へ。
わっしょいぴーひゃら。