心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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最近、腑に落ちたこと。

とかく自分には何の才能があるんだろうか何のため働くのか生きるのかって言いがちなんだけど、案外ただドライに誰でも長所と短所があって、長所を活かして人の役に立てば嬉しいし、とは言え人生は長いんだから短所とも時間かけて向き合ってきゃ楽しいんじゃない?っていう、そういう話。

そんでもって、じゃあ君は何が好きで何が得意なのよっていう、そういう話。

 

先日のM-1グランプリ

M-1の存在する12年(なか4年)と共に大きくなってきたし、やっぱりお笑いが好きだなと思うこの季節冬の風物詩。ド恥ずかしながら卒業文集小中高、芸人になりたいしか書いてこなかった。正確には小学ではミスター・ビーンって書いてたけど。もっと正確には中学では「福話術師」って書いてあってこれについてはもう誰かいじめてください痛くない程度に

とは言え、好きだ好きだのわりに1回も出たことがないのがM-1で。どうも僕はそういうところがある。野球が好きなわりにWBCマー君が出るか出ないかは実はそんなに興味がなかったりして、スポーツ好きの上司の方の肩透かし。

今年はお客さんも温かく、緊張感とドカンドカンがとても心地よかった。中でもBRUTUS漫才特集にも、ベストオブ「もうええわ」に挙げられていた和牛川西さんのツッコミの上達っぷりに胸が熱くなった。芸人さんに何を上からという恐れは重々承知しておりますけど、そこは「だって今朝、まっちゃんもテレビでそう言ってたもん!」って素人限定の隠れ蓑を羽織る。好きなことを仕事にしている方はカッコイイのだ、ものすごく。

「ツッコミは上手くなる」ってのは僕も知ってる信じてる。所詮サークルレベルなんだけどガクセイ時代漫才をやっていて、僕は怒るツッコミが苦手だった。どうもキレちゃうのだ。当たり前だけどキレちゃうとお客さんも笑えない。上手く怒れると後半盛り上がっていけるところなんだけど、ネタを一切書かない癖に面白くないとだけハッキリ言い放ち、のくせ本番びっくりするくらい飛ばしてまさに噛みってる相方君に、どうもキレちゃうのだ。

とは言え、コンビも組んで2年くらい経つと多少はツッコミが上手くなっていって、大学3年くらいになると少しは怒れるようになっていった。相方君からも「今日はちゃんと怒れてたよ」って褒められた。照れ隠しとかじゃなくただ素直にうるせぇって思った。

大した話じゃないけど、ガクセイエムワンという放送研究会がやってるような大会にもエントリーして決勝8組に残ったこともある。確か50組以上は出てたんかな。結果、6位だったけどね。ウケてもなくそこまで滑ってもなく、ただ実力が足りず強いボケがないよねっていうそれ。ちなみにその時の1~3位のコンビは皆さんプロになられた。得意なことを仕事にしている方はカッコイイのだ、ものすごく。

 

昨日は昨日で、そんなサークル時代の先輩の初単独ライブを観に行った。

7年前初めて見たその先輩のハーマイオニーのネタで僕は生まれて初めて涙を流すくらい笑った。それくらい面白い人が、魚好きが高じて今はさかな芸人として釣った魚だけで1か月生活していたり、100種類達成するまで東京湾にて自分で釣って調理した魚以外食べないチャレンジをしていたり、とんでもない世界を日々突き進んでいらっしゃる。普通のピンネタは封印して魚に関するネタしかやっていらっしゃらない。その覚悟がどれだけすごくてどれだけかっこいいか。

ライブも超満員。企画でお世話になったらしい老若男女の水産関係者の方も多く来ていて、人情でお笑いの概念を広げていた。どうか体調だけは崩されず。今後も応援していきたい。

1つ、お気に入り動画も挙げておきます。好きなことを得意なことに変えて仕事にしている方はカッコイイのだ、ものすごく。もんのすごく。

www.youtube.com

 

さて本題、オシゴトの話。

前にも書いたが、1年に亘る偉大なコピーライターの方とのプロジェクトが終わった。

showkakeru.hatenablog.com

今回もまた多くのことを学ぶ知る盗む聞くありがたし。これさえなければNegiccoのライブに行ったなーという日もあったりしたけど、月に1、2回土曜の夜を潰してでも得たものはあまりあるロマンスがありあまる。年齢が近い方も多く、これはもう切磋琢磨friends略してセフ、いやよそう。またどこか何かの式典で会いたいナと思っている。あと2回も肺と仕事に穴を空けてしまい大変申し訳ございませんでした。

 

改めて、キャッチコピーもお笑いも、自分の人生すべてをさらけ出さないと作れない。

今までの人生でこういうものの見方をしてきて、ここをオモシロポイントだと思っていて、こういう伝え方をすれば受け入れられ人の心を動かし世に伝わるということを、たった15秒だの4分間だのにぎゅっと詰め込む。

ものすごい怖いことだ。1億総コンテンツメーカーでありながら1億総クレーマーのこの時代、ガンガン否定批判鹿十される。何も言えなくなるその無力さに日々向き合っている。だからこそこれ間違いないなと思うのは、面白い人ほど、キャッチコピーが上手い人ほどめちゃくちゃに人想いで優しい。

 

ちょっと前、youtubeのコピー「好きなことで、生きていく」ってのがあった。

その実際はもっと必死で生々しくて、私はこれで食っていきますから。っていう覚悟があって。で、今の僕にはそれが圧倒的にないもんでこうして3年目、わりかしぷらんぷらんノープランでやっている。

野球好きとは言え「マー君はメンバー入りさせるべきです、そうすれば大谷はこういう起用法ができますから」という宣言意思表示覚悟ディスカッションが苦手な理由もここにあると思っている。そもそも何が好きか、どういう風に物事を見ているかすら自分でたまに分かっていない。お笑いサークルの代表なのに後輩のネタを見て「うーん、ちょっと俺あんま分かんないな」って言っちゃってたし。

 

一方で、M-1の決勝に残るコンビってのはどこも「ここが面白い」っていう1つのぶっとい軸(って言うとシュウカツ生っぽくてゲロ出ちゃうな)、RGが星野源との対談で使っていた言葉で言うと「シーン」がある。

「好きなことで、生きていく」前に、やっぱり石の上にも3年で、もうちょっと時間をかけて、好きなことと得意なことを追いかけてみようと思う。姿勢とか理念とか誇りとか軸とかシーンとか、あと個人的に優しさとかちゃんと意識しながら。

 

忘年会シーズン。ウケたいですね~。受け入れられたいですね~。

久しぶりに怒りツッコミを練習しておくとする。