心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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つづきをつづる、肺気胸

交通事故なんかで肋骨がぶっささるわけでなく、自然に穴が開く自然気胸、原因不明。

なぜか細身で長身の20代前後の男性に多いらしく。成長期に飛行機に乗った数が多いからって仮説、なんてこったい。テンキン族のテンテキ族。

思春期の縦の成長に肺が追いつけなかったからっていう仮説、なんてこったい。思春期の激しい運動が心肺を鍛えるって、中学野球、入部説明会の上野先生が嘘をついていたとでも。

ググるとイケメン病って、芸能人の罹患歴。いやいや、ほんとのイケメンは入院して10日もシゴトに穴、あけないんだぜって、むだに夜景の綺麗な呼吸器系の病棟。

 

することないからセックスしようは森山直太朗の歌ですが、

することないからSNS開こうでしょうかポケットからどこでもスマホ

facebookでは、身内知り合いの肺気胸のシェアが続々。

くしゃみで再発ってそれまじで、から慣れてくると、あ、空いたって言うらしい。いやお腹の赤ちゃんの、動いたのそれじゃないよ。右がなって左がなって、もういっかい右がなるなんて丁寧な幼稚園児の横断歩道もいいところ。

そもそも聞けば、肺気胸の再発率は30~50。加えて2回目なった人が3回目なる確率が80らしく。50、80、喜べない。手術をすると3~5%だって。

再発率って日本語、やさしくない。

 

管を繋がれ、寝がえり打てず。お手洗いはコロコロコロがして移動。ドレーンって言うらしい変な箱にも、決して倒してはなりませんよって肺の恩返し。

シャワーもダメで、ボディシートの発明者に深く感謝。なんでかってまだ20代。海のように青々い「恥」という感情を看護師さんに浸して。ガクセイでなく、社会人になってからでよかったと思うのは、医療従事者の医療に従事する姿を見て感動したことでしょうか。

カーテンで仕切られたプライベートに、マナーモードはなく音声ノーボーダー。

初日はもう不安と違和感と、ニュウインっていう変な高揚感。傍耳そばだてオムカイサンはガイジンサン。カップルなんだろうか、面会時間を過ぎてもときどきちゅっちゅ聞えたから、欲望に素直な人たちだ、きっと。お隣さんは聞けばひ孫が高校生。直接聞いたわけじゃないけど。屁をこいたり鼾をかいたりにぎやかな病室で思うのは、世間体って邪魔で、大切だ。

 

おタバコは吸いますかに対して、2週間前にただ一度だけ「もらい煙草」童貞を捨てたのですがそれはその吸ったに入りますか?入りますか。小児喘息にはじまり、煙草とは縁のない人生を生きている。あなたが気づけば、マナーが変わる。

僕は別に怖い話も怖くなくて、僕がいるとどんな怖い話も怖くなくなるっていう、これはこれでニーズがありそうな人間なのですが、麻酔の説明はそれこそ怖い話で。万に一つはマヒどくこんらんねむり。ポケモンセンターでも一生治らないんだって。てぃんてぃんてぃりりん(効果音)

説明係のおばちゃんは、説明するのがお仕事だから。あとはペンを渡してこちらのサインを待つのみ。結果、手術はしなかったんだけど、健康第一の意味を知る。それに、若い医師が多い病院は、症例数のノルマを奨励してるらしく、悪く言えば練習台になるらしい。再発しやすいんでくしゃみに気をつけはっ、はっくしょい!

 

古畑任三郎の好きなお話で真田広之演じる忙しすぎる殺人者が最後「いい休暇になりそうだ」っていうめちゃカッコ良い台詞があるのですが、入院2日目そんな気分。年度末だし小企業は死ぬほど忙しいの分かってて恐縮なんだけど、それでもね。

 

・「カリフラワーの酢漬け」の病院食たるや入院3日目。川上未映子『乳と卵』とよつばと!を読む。大森靖子『愛してる.com』を聞く。頻繁に放屁するじいさんが越してきた。思うに、肺気胸って手術すべきなんでしょうか。再発率っていう言葉は優しくないね。aikoじゃないけど大丈夫になりたいね。

 

・そんなことどうでもいいのに、音楽番組に母校が映るらしくテレビカードの残額を減らし続ける入院6日目。毎日レントゲンで被爆している。入院してても風邪は引く。雪だと分かっていても東京の交通網は脆弱だ。卒業と分かっていても特に何もできず、晴れ着のあの子が見れたらそれでいいのだ。刺身食いたい。

 

そんな呟きを繰り返しながら季節がら、びっくりするくらいたくさんの人にオミマイに来てもらう。オミマイしてやるぜって、嬉しい言葉なのね。

「何か感じるものがあると思って」とデコポンをくれた後輩よ。では聞くが、兵庫出身の君はタコをもらって何か感じるかい?北海道出身の同期が持ってきてくれたバターサンドを、手ぶらでやってきてかっさらってく直属の上司のジャイアンism。千疋屋はとっても美味しかったし、電話で話したあの子の声はとってもかわいかった。親戚のフットワークの軽さも痛感し、持つべきものは遠くの親戚より、近くの他人より、フットワークの軽い親戚だ。ただ従兄弟のけん君は笑かしてくるからちょっと来ないでほしかった。あはは、アイテテテ。

あとサークルの後輩は、れんこんやらドーナツやらぼこぼこに穴のあいたものをくれた。一緒に『アメリカン・スナイパー』という洋画も入っていて、聞けば「これは人に穴があく映画です」とのことで、しばらく頭を使ったボケに対応しておらず、スムーズにつっこめなかったから、穴があったら入りたい。

 

・良くも悪くも、特に立ち止まって考えてこなかった人生なので、ちゃんと書いておきたいと思うんだけど長文はムズカシイ入院7日目。明け方39.3出て院内感染やらインフルやら疑われたけど原因は分からずビロビロに広がったきんたまをぢっと見つめる。

 

・右乳首横にぶっ刺さってた管も取れて退院が見えた入院9日目。この期間、何人もの看護師さんたちに全身を見られてきたわけだがついに意を決した1人の若い女性が声をかけてきて「あの、誰かに似てるって言われません?」「あー、言われますよ」「平井ケンさんですよね」「えぇ、はい」「えへへ」「えへへ」

 

そんなこんなで10日ぶりシャバ。一点、退院って言葉は一転、やさしい。9泊10日手術なしゴハン付き風呂なしクダ付き。シャバの空気は美味かった、ほんとだ。

これからは人にやさしく。自分にもちょっとやさしく。

10日ぶりの我が家は入りきれなかった新聞がドアポストからはみ出し、普通に地べたに落ちていて、あぁまた忙しくなるなと思った。

あっちへ行ったりこっちへ行ったりすることを、僕らは春と呼ぶのです。

239

土曜日、いつものようにいつもよりゆっくり目を覚ます。

昨日の同級生との飲み会も収穫はなく、15回目くらいの、えーい好きでもない人に投資するのはもうやめじゃいって思ってすぐ、15回目くらいの、そんなん言ってるからアイドルに走っちゃって、同僚から冷めた目で見られるんだぞって戒める。アイテテテ。

ベッドから体を上げておはよう違和感。

近しい感覚で筋肉痛。そっかそういや昨日お姫様抱っこでもしたんだっけ。もしくは打撲。そっかそういや触らないでってぶん殴られたんだっけ。

いやいや、指一本触れてないし、心一つも通じ合ってないさと浴びるシャワーは強がりで。どうも右の心、それも奥の方が痛いことに気づく。なんなら右腰もやや痛く、なにかこう、痛みを筋肉がサンドイッチして。飲めないのに合わせて頼んだ強いお酒のせいか、アイテテテ。

 

ええい、土曜出社。ひねると痛い。シャツも着られない。

駅までの徒歩7分で3回も立ち止まったのは、大雪の日も、桜が満開の日もなく、この町に越してきて初めて。たまった仕事を片付けながら、おんなじチームの後輩に笑う。君への指導であたしゃ胸が痛いよ。年度末もっとしっかりしておくれよ。

その晩サタデーナイトは新しい自由帳を買ってきて好きな漫画家を模写して過ごす。ふと寂しい40代がちらつき、アイテテテ。

 

日曜日、3、4時間寝て、痛い朝。もう少しだけ寝ていたい朝。

休日診療所、おじいさん先生の一言「ここじゃ分からんなぁ」でもしっかり1600円取られ、ハナから大きな病院へいくことを学ぶし、薦める。病院の最寄を聞いても、事務のおばちゃまからは電話番号を教えられるから、スマホが栄えたんだと思う。

救急外来に、徒歩で、駆け込む。

 

受付に、今日は休日だから診察費+8000円ドン!って書いてあってたじろぐ。そもそもここの病院を選んだのも定期圏内だったからで、僕の中のドケチきりまるは8000円に普通にビビる。これで最後、アイテテテ。

とは言え他に選択肢はなく、お金がかかる医師にかかる。待合室の人数のわりに待たされて川上未映子を読み終える。女心ののち、レントゲンのち、肺気胸ドン!

「肺に穴が開き、空気が漏れ出る。結果、肺が縮んで息がしづらくなったり、最悪心臓にも影響を及ぼしたり。」(えっ、えっ、なんですか?)

「君みたいな若い男性、イケメンに多いんだよ、ははは。」(え、ちょ、まだ飲み込めてないんですが、これ無事なんですか?)

「入院だね、家族はこっち?誰か荷物取りに行ける?」(終わった。)

すぐに管を入れ、空気を抜かないと、とのこと。拒否権はない。家族への電話?あー、管刺した後でもできるから!ウケる。

担当してくれた人が25歳で、部分麻酔の中聞こえてくる「私やりたいです!」「結び方これで合ってますか?」「あ、そこはそうやってやるんですね!」素直さは時に人を傷つける。ウケる。

 

メスって気づかないうちに2センチほど開くし、いつの間にか体に15センチくらいチューブをねじ込まれる。まずは肺から漏れた空気を抜くらしい。麻酔が切れると痛い。麻酔が切れると痛い。大事なので2回言いました。胸ドレっていうらしい、僕の呼吸に合わせて水位が上下に推移する、わりとアナログな箱を取りつけられる。

例えば結婚するってなったとき、誰に知らせようかってとってもワクワクするし、第一次情報の楽しいとこなんだけど、入院は何もワクワクしない。かと言って黙秘権もない。おかげさまでローニンもリューネンもなく、ネボーはあったけどケッキンはなかった僕がニューインだ。人生の一回休みが、まさかの年度末。「2週間かな」という見通しでは年度をまたぐではないか。ウケる(ウケない)。

 

あれよあれよと入院よ。

奇しくも同じ日に姉は入籍し、弟は入院し。これ一生言われるんだろうなと、田舎の口うるさい母を思う。

かくして始まった人生初の入院生活。心頭滅却しても肺には穴が開く。

お見舞いされる側から見たベストな手土産とは。病院という巨大組織と、美しくも寂しい都心の夜景と。老夫婦の会話から聞こえてきた理想の最期の迎え方とは。愛と、友情の、短いようで長い8日間+現在も更新中の入院生活。暇つぶしのつもりで書き始めたものの、どっちへ話をふろうかと、患者さんとしてあるまじき午前2時。

続く。

続ける。生き続ける。

238

お待たせしました、いらっしゃいませ、あ。

「こんばーじょん」

こんばんは。

またこの人だ。こんばーじょんってわざと言ってるのかなぁ。気づいてるよさすがに。よくこの時間に来るまぁ、いらっしゃる人で、うちは22時閉店の21時半オーダーストップなんだけど、あたしがクローズが多いからかよく会う。そしていつも、

「ホットコーヒーと、これを」

ホットコーヒーと3割引きの安くなったサンドイッチを買って帰るまぁ、帰られる人。

 

「30%オフだから、私の価値まで3割引きになってしまうかもな。」

これ毎回言う。オモシロいと思っているのか本当に分からない。毎回レジで二言くらい話すから先月から遅番に入ったみきちゃんに仲がいいと思われてる。あ、またこっち見てる、こら、見ない見ない。

ちょっと前には献血をしてきたらしくて、

「今日は400ml血液がないからね、400ml分いつもと違うでしょうな。」

って言われた。あたしはあたしで、そうかもしれないから、そうかもしれないですね、って言ったら、少し嬉しそうだった。変なの。あれで顔が中の下以下だったら返事はしないし、店長にもすぐに文句言うんだけど、まぁ栃木から出てきてサークルにも入らず少し昔の言葉で言うとやや非リア充のあたしは、少し、この変な感じを楽しんでいる。中の中だと思うけどみきちゃんは中の上って言ってて、じゃみきちゃんに話しかけてくれれば需要と供給がって思うんだけど、あ、またみきちゃんがこっち見てる。こーら、見ない見ない皆意味ない。

 

ある時には少し怒られちゃったりもした。あたし怒られるの苦手だから多少おかしいと思っても受け止めちゃうそこそこ凹んじゃう。なんか、妹の受験とか、親戚のお見舞いいかなきゃとかでシフトのことぼーっと考えてたら

「笑顔は?」

って言われた。今思えば怖い。

「駅前のスーパー」

はい?

「パートのおばちゃんだってちゃんと「笑顔で接客します」って十字架を背負っているよ。」

って言われた。今思っても怖い。でもあたしもあたしでそれもそうかもって思ったから、それ以来、笑顔で接客します。してます。そこらへんからなんか変な言い方、仲悪くなくなった気がする。別にいいも悪いもないんだけど。

 

逆に、全くお客さんがいないとき、シフトもみきちゃんとかじゃなく、あまりしゃべらないヒロさんとかで、たいそう暇なときはこっちから話してみることもあるし、聞いてみることもある。今日だと、このサンドイッチが売れてますよ。うちはスタバに憧れているマイナー店舗だから見よう見まねでカップに絵描いたりもしてる。さっと書くの難しいんだあれ。うわ、あたし何書いてんだろ、いや、誰がほしがるのよこんな女子大生の落書き。自意識って邪魔ね。こんばーじょん。

あのですねあたくしですね、前髪を切ろうと思うんですけど、どう思いますかね?あ、どうでもいいですよね。はーい。なんて口パクのつもりが声出しちゃってて空中に放り投げた言葉をキャッチしてくれて3秒。これしっかり3秒経って答えてくれて

「いいんじゃないですか。春ですしな。」って。その続きは何も言わなかったけど十分でした。自意識には、無責任が優しいね。

 

いやそのですね あたくしですね、とは言え前髪を切るの結構久しぶりで自分でも変な気オーラと言いますかどうなんでしょうね。好きですか?あ、いや、あてくしのこととかそういうのではなく、前髪切って変になる可能性もあるわけでして、そうなった際の責任を取ってもらえますか?いや、だから責任とかくっつくもらうとかではなくって。変じゃないですかねって、これは割とちゃんと伝えようとしどろもどろに投げた言葉をキャッチして今度は2秒、ちゃんと2秒。1秒分、距離が早まりまして

「変じゃないと思いますよ。おでこに3つ目の目があるわけじゃあるまいし。」って。面白いことが優しいのだ、って少しわかった気がする。そんなこんなで今オン眉。あたしナウオンセール。

 

当たり触らず、干渉をせず。

恋とか愛とかじゃなく関心がありますよって伝えあってる。動きが会ったらまた書くね!

 

「ねぇあなたちょっとなにそのキスマーク?」「お気になさらず、これ心電図。」

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はい、じゃお願いします。

えー明転飛び出しで、はいどーもで始まりまして、、、オチ前からやります。

「いやそれ、ヤマダ電機の電子ピアノコーナーでヤマダ電機のメロディ弾くとちょっとウケるし、なんなら店員さんはちょっと照れてるやつ!もういいよ。」

で暗転で、ハケます。

 

後輩の卒業ライブを観させていただき、この話だけで2兆字書けるなと思いまして。

何年ぶりか、学館と和室とB202と。

何回だろか、照明写真のとこと、書類記入する受付のブラインドカーテンのある窓の前での練習、すなわち、諍いも。

 

片方から入って、もう片方から出ていくそんなハコがあるとして、ならば入れ替わるはずなのに。学館の匂いも、集団の文化も変わっていなくてそりゃそうだろそうなのどうだろ勝手に組織論。

実は、中MCの発明もセンターマイクを置く発明も俺らの一個上からなんだぜなんて、OBの革命武勇伝なんか知らなくていいのさ気にしないで楽しんで。「やりたいようにやりなさい」が、その革命の代の幹事長からの教えだったしさ。

 

くだらなさの中に見えるありあまる才能。

あの時デニーズで辞めたいって言ってたツッコミは、もうなんかちょっとドヤ顔まで作ってツッコんでて嬉しくなった。あんな風に相方使えると楽しいだろうなって、参った。演技のヘタウマや、パフォーマーとか女性の活かし方とか、個々の強みがさらに発揮されてて、笑った。いや、こいつの顔でこの言い方だったらそりゃもうずるいよってのも何個もあった。プロへ進む彼らが完成度を見せつけてくれてよかったし、最後の合同のあの作り方、一生忘れない気がする。挨拶できなかったけど、入部時はあまりにブスブス言う集団だから完全にドン引いてたあのスタッフさんも、のちに自らの飲み会での失態を笑えるようになったくらいだし、楽しかったことでしょう。

 

奇しくも、通された席は最前列で、あの日あのときの和室と同じ。小道具の座布団の懐かしさ。

お疲れ様です。えー、そうだな、あーむずかしいな、俺コントよく分かんないんだよね。うん、面白かったです。面白くない箇所もあったと思うんだけどどこだったけな笑っちゃったしね。いいんじゃないかな。お疲れ様です。

コメントの下手さは変わらない。あの時と変わったのは、隣がプールのおじちゃんだったことくらい。

 

7回くらい演ツーかよって思ったし、100回くらい嫌だけどコンビは同じ彼とでもいいからまた戻りてぇなって思った。

ブルーライトの舞台裏の袖の緊張感を一度味わってしまったら。

もっと言えばその昔対決ライブなんかで、先に相手の漫才がすんごいウケててとてもとてもプレッシャーで逃げたくなって、でもそういう時の方が意外と上手くいってウケて結果勝てた時あの時の、有能感というよりは安堵感にとても似てる。どうだ!ではなく、ただ良かったっていうあの感覚を一度味わってしまったら、

スーツ着た日常はまだまだどうもどうしても物足りない。やっぱキンチョーしなきゃダメなんですよね。『憂鬱でなければ、仕事じゃない』。

 

エンドトークのあの感じ、勝手にコカ・コーラのCM「こんなに楽しいのに、なんで切ないんだろう。」ってコピーを思い出してた。どんな楽しくても、終わらないコントはないのです。

今でも覚えてる、僕が一番最初に見たこの研究会の「卒業ライブ」。

ギャガ―が複数いらっしゃった代で、ギャグ合戦みたいになって、進行しなきゃいけないメガネの方が笑いながら「おんもしれぇなぁ」ってものすごく普通のこと言ってたこと。

僕はㇵッ。ツッコミって、ツッコまなきゃ正さなきゃとかじゃなくって、まずお客さん目線で共感してあげるっていうことなんだ、それがこれか!と思って勝手に尊敬してた。そもそも入部したのはこの人がきっかけだったし。のちに落語家さんになるこの人のポンコツエピソードをそのあと山ほど聞いて、あれは深読みだったことを知るんだけど。

 

同じように何のエイキョウも与えてないんだけど彼らの代の卒業は、もうライブを観に行くことはないなーと、僕自身にとっても卒業だったことを思う。いや、とっくのとうに追い放たれてるんだけど。同期の小さい彼もようやくシュウショクらしい。相方の彼はもう少しお休み。シャブだけはやめてね。

 

あー、2兆字書けるネタなんだけど、ちょっと疲れちゃったから続きはまた今度どこかなにかで機会があれば。

お酒まったく飲まない飲み会で。

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ワリオランド2。サンリオタイムネット。桃太郎伝説1→2。ぞくぞくヒーローズ。ポケモンピンボール

そして、ポケットモンスター

 

あのとき、99年~01年を矢鱈と覚えている。

いつかこのジダイを思い出してきっと泣いてしまう。

テレビゲームを持っていなかった僕にとってのゲームはゲームボーイで、たまにスマブラをやりたいときはてっちゃんちへ。ポケモンスナップもダンレボもレゴブロックも、もっと言えばキリスト教との出会いもてっちゃんち。

K1は3つ上。おもしろくてかっこよくて高学年で流行ってるギャグを教えてくれた。そう、てっちゃんのお兄ちゃんK1の由来は、同じ団地にケイスケが二人いたから。

ピアノ教室はみーちゃんち。物心ついたときからずーっと一緒。

ハムスター飼ってたちかちゃんち。外国人みたいな美人で、もしかしたら人生最初の恋かもしれない。

ゾイドはゆうたくんち。ナチュラルにくん付けで呼んでるあたりキョリがあったんだろうか。

団地の横のドッジボールができるとこ。

フェンスを越えた隣の団地に野球ができるとこ。

階段下はポケモンカード専用バトル場。

1200枚を超えるカードの山は、そのままオヤジ、母さんのお金、いや、愛と呼ぼう。

 

2ゴウトウのチハル兄弟はヤンキーで。後ろの髪の毛伸ばしてた。少し怖かった。

コウセイんちはカービーを持ってるけど少しワガママなところがあった。よくけんかした。

コープの牛乳を3階まで運ぶのが大変だった。よく落として破裂させちゃった。

砂だんごがあまりにも上手に作れたときは、もったいないから玄関横のポストにしまっておくのさ。

ビワ取って食べた。花の蜜を吸った。海まで散歩に出かけた。同級生ミユキちゃんちが近かった。仲良しのタツヤ君とユウ君ちは逆方向に遠くって、ちょっとしたボウケンだった。怖かった。ちゃんと1人で帰れるか心配だった。暗い中走って帰った。ユウくんちは竹藪の中にあって、独自のグラウンドルールで野球した。ユウくんはのちに甲子園に行った。

もっと思い出せば、ヒビーノはおもしろかったし、カネとはよくつるんだ。ウノッチマンはサッカーがうまかったし、ヒロトはバレエを習っていた。横ちゃんは優等生で、スナコはオカマっぽかったけど引っ越すとき遊戯王をくれた。ハラトモは保育園からの縁で、けっけは疲れたサラリーマンみたいなおかしなやつだった。ミナミさんはかわいかったんだけど、僕はモリさんが好きだった。いわゆる転入生に一目ぼれをしたのだ。ヤマダさんはよく席が近くって、成人式あたりfacebookで見つけたとき、向こうもボクを覚えていてくれた。

 

ゲンタイケン。すべてゲンタイケン。

いつかこのゲンタイケンを思い出してきっと泣いてしまう。

姉とちかちゃんが今度ケッコンする。みーちゃんと、まだかかりそうだねって笑う。

それぞれの両親はそれぞれの成長を楽しみにしてる。団地じゃ誰かのお母さんはみんなのお母さん。

流行りのビフォーアフターを18年ぶりにみーちゃんと撮ってみる。上手く撮れなくてカメラマン姉が笑う。うわ、と思う。うわ、これ、すごい幸せじゃんと思う。

 

基本キャパ越えしてくる仕事。えいやで終わるこの死後と。

明日の自分すら分からない、ほんとにアンコントローラブルな世の中なのであればもう、

どんなはいてくのろじーも、どんなぱらだいむしふともなく、

ただ「会いたい」だけが時間を越える。場所を超える。

 

そうそう、もうちょい右。

あ、そっちじゃなくて少し左向いて行き過ぎ。

下がってもいいかも、そうね。たまにはね。

前後左右、会ってきた人の声がする。

これからも会いたい人がいる。僕を作ってくれた人たちがいる。

会いたくない人、合わない人、いつかてきとうなキョリでえいっ。

 

なんてことはしないけど。そんな、人生、スイカ割り。

235

「負けたことがある」というのが いつか 大きな財産になる。

という名言を残された、山王工業高校・堂本監督に質問です。

「バレンタインにうんこを漏らしたことがある」というのは いつか 大きな財産になる でしょうか。

 

記憶はとびとび、話はちぐはぐ。覚えているのは当時の心境。メリークリスマスではなく、いつかのバレンタイン。

放課後粘ってたら1個くらいお情けで貰えるんじゃないかってあたり、食あたり。たまに自分で自分に引くのは、そんな時。

「きゃーこの人モテようとした!ねぇあんた今モテようとしたでしょ?ちょっと駅長室来なさいよ」って現行犯。気づいちゃった瞬間、子ども心にヤンなって玄関の前カギを探してたらうんこ漏れちゃって。

 あの子の時間割知って何曜何限であればすれ違えるか計算してしまったその瞬間。

「ごめんなさい。でも一生僕のファンでいてください。」なんてお断りのシミュレーションしたその瞬間。

もし億が一、上手いこと結ばれ、名字を合わせてしっくりくるか確かめるその瞬間。

あ、やばい。

ああ、恐ろしい。

あああ、ちょっと楽しい。

 

ありがたいことここんとこ、昔の友人と食べたり飲んだり。

今だから話せるとか、大人になったねとかはあっても、あのとき実は、はないから安心。一緒にいたい友人を、僕の中のいたい中学女子は「人として好き。人としてね」ってとんがる。同じ空気吸った人はとにかくめっちゃ幸せになってほしい。そりゃもううんこ漏れるくらい。

逆にすごくよく声かけてくれる女の子がいて、学生時代とくに話したことないのにさ。

へいこれモテキキタんじゃないかとわくわくしてたら、いいシェービングクリームの有難くも難有りなお話。やれやれ、会員制ネットワーキングソリューションメンバーシップビジネスシステム袋のねずみ講ちゅーちゅー。

あごまで伸びた鼻の下を一瞬で畳んで、お店畳んでお会計。あ、ごめんちょっとうんこ漏れそうだからまた今度。

 

「バレンタインにうんこを漏らしたことがある。」

事実のイマシメは力強い。こんな僕ですよろしく頼みます。

ふと「相応しい」の語源を調べると平安時代「触れ添う」から来ているらしく。あ、じゃ、違うなと。ハズレくじをもう一回確かめてやっぱりハズれてるみたいな。


では次のお題です。えー、わたくしがあなたを喜ばせる好意のある言動を取るので、それに対してこちらに少し寄り添ってきてくれますか?そしたら私が付き合ってくださいと言うのでまた一言返してくださいね。

いいですか?そちらから、ではないですよ。信じませんからね。売りつけられ、会員登録を迫られ、これじゃいけません。


安西先生、モテたいです。

ちなみに今年のバレンタインは母親からパンツが届きました。あれあン時ちゃんと片付けたはずだけどな。ま、いいや。

あったかいんだからぁ〜。

234

強くも上手くもないのだけれど、見るのもするのもオオギリは楽しい。

 

僕のいた研究会にこの時期、大喜利の大会があって全員参加オモシロバロメーター。毎年予選敗退だったことを思い出す。そもそもオオギリってなんなのかよく分かってなかったんだと思う。

 

例を。覚えてる1年目の初挑戦。

「この図書館、なんか集中できないな~。どうして?」

教科書のようなきれいなお題に、先輩の回答

「司書の人が、集中してますかと話しかけてくる。」

お手本のようなきれいな一本。

 

一方の僕は、

「滝が流れてる。」

なんて答えてギャラリーをふわっとさせる。笑った人が笑って少し恥ずかしくなるような。

 

「おすぎとピーコには実はもう一人兄弟がいました。何している?」に対して

おすピーの批評」

もうこれ正解だろって、先輩のきれいな回答に食らいつくべく出した答えが

 

「邪魔」

とこれまたふわっとしたウケ。笑った人が笑って少し恥ずかしくなるような。

 

激戦を通過した者のみの、毎年、夜を通して行われる決勝トーナメントは、所詮素人でしかないんだけど、阿保みたいにレベルが高くて、チャンピオンズリーグみたいだった。たのしろかった。

 

 

大喜利って実は、そんな難しいもんじゃねぇんじゃねぇか。」と先日久しぶりに鍋を囲んで、研究会の先輩から教えていただく。

「要はお題は決してオモシロいことを言え、とは言ってねぇのよ。図書館で集中できない理由を考えるだけじゃん。」と、なんだかそのままのことを言ってた。多分だけどお題をちゃんと受けて、決められた設定ルール枠組みの中で、突拍子もないオモシロワードも一つの戦い方ではあるけれど、まずはまっすぐ答える。ということなんだと思う。この解釈で合ってますかね、みのりさん。

こねくり回すんじゃなくて実はシンプルなコミュニケーション。なんて言っちゃうと少しきもちわりぃけど。

目先の言葉に左右されると、いつだって本質を見失う。

 

こないだの亀田さんの音楽番組ゲスト星野源がとってもおもしろかった。

星野源に最近ようやくハマって聴き狂ってるんだけど、『くだらないの中に』を書いた人が、「言葉に意味なんてない」っていうスタンスなの、すごいと思う。

歌詞で全部言おうとしちゃうとそれもはや説明文じゃないですか、ってもう、すごい。あぁ、語彙。

長ったらしく話して何も伝わっていない僕は、彼の言葉数に憧れるのです。

 

仏教の言葉でいう「月をさす指」。

「月だ」と月をさす指は、あくまで人の指だから。月を指さされたとき、その指にとらわれていると月を見ることができない。んだけど、その指がなければ僕たちは月の存在に気づくことができないし、月の方角だって分からない。

目先の言葉に左右されると、いつだって本質を見失う。

し、それすらオロソカになってしまうことがあるからたまにかえりみる。

 

今度から尊敬するコピーライターの方々とご一緒できることが楽しみで、無力さも有力さも言葉の力を知っている方々との経験は、将来何やってるかまだ分からないけど、社会の赤ん坊のこの時期、非常にとってもめっちゃすごーくオニ有難い。

あなたと私の、どうぞ、いい加減な言葉を。