心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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「人生、出会うべき人には必ず出会う。しかも、一瞬遅からず、早からず。」という、哲学者・教育者の森信三の言葉は、「しかし、内に求める心なくば、眼前にその人ありといえども縁は生じず。」と続いているの、ご存知?

 

お盆と正月は実家に帰らねばと、離れて暮らす末っ子長男のプレッシャーから解き放たれるのがそう、シルバーウィーク。昨年の仙台がものすごく楽しくて、今年どうしようと考えた時、行く理由が一番多かったのが福岡だった。そうだ福岡、行こう。ピンとこなさはさておいて、分かりやすくシーズン大詰めのホークス戦だったり、年男であるうちに見ておきたい自分が生まれた病院だったり街だったり。育ちはカナガワ、クマモトなのですが、拙者3歳児まで福岡人。幼馴染のおばちゃんもいるってもんで想いを西に馳せ。あとこれ書くのヤボでブスイだからホドホドにするけど、長らくフラれ続けた、僕にとってアイドルみたいな人がいる街が実は福岡だったりします。いや、それ目当てじゃねぇかってけっこう簡単なダウト。いやいや何をおっしゃいますやらなんて、取り繕っても恋、好意。彼女からの卒業アルバムの一言が、自分の人生を後押ししてくれたと言ってもカゴンでないゴン。(公文行くもん的)

ゼミの友人にチケットをお願いして、母に生まれた町の情報を聞いて、好きだった子にメールして。LINEは知らない。書けるメールに賭けるしかなく、返事をもらえてとりつけて、人生って素晴らしいぞって15の僕に自慢する。

神さまはそれでも意地悪で、デートを取り付け飛行機を取り付けたその翌日、発生させる台風ラブハリケーン。やめてやめてって子どもみたくダダコネまくったのが通じ、遅れさせてくれて、あぁ、一瞬遅からず早からず。ありがとうを言うのはいつだって今だ。

 

日曜日。お金で解決している部分もあるし、計画的に消費している部分もある。つまりは成田の格安航空へ。ガクセイぶりの成田。ガクセイぶりのLCC。こりゃ度々呟きたくなる旅だなって、ガクセイぶりの相棒リュックサックを背負って思う。早朝の空港は駆け回りたくなるのです。TSUTAYAの雑誌コーナーには源星野の新曲『恋』のインタビューが並び、これまた遅からず早からず。秋雨前線を切り裂いて福岡へ。

 

大学の友人はただのただの仲良しすぎて、よく言う「友達以上恋人未満」の表現で言うと「友達(他に言うことはありません)以上!」である。なんて冗談が言えるくらい楽しいやつでいいやつで。振り返れば13年ぶりだか、ヤフーがオークションまでネーミングに盛り込んだ球場を背景にパシャリ。振り返れば平家物語みたい、ホークスタウン跡地を背景にパシャリ。同じ笑顔のはずなのに後者に漂う哀愁、をよそにおよそ超満員。マッチの2発とバンディの好投。生「熱男」はもう鳥肌。改めてすごいスローガンに、でんつう九州さんに感謝。盛り上がった楽しかった。その昔のスローガン「ダ」もすごく好きだった。ぼくはやっぱり、ことばがすきなんだなぁ、にんげんだもの。あつを。

 

雨が強まる。いくつかの特急があの子の住む街へ連れていく。せっかくのLCCもバカにならない土地勘のないチャレンジングな旅でもいい。アコガれればアコガれるほど、コがれればコがれるほど、想い叶わなかったアイドルに、会える。

219 - 心頭滅却すれば火もまたスズシ

とか

122 - 心頭滅却すれば火もまたスズシ

とか。

お分かりのように勝手に神格化。神ってる。成人式でお写真撮ってもらったくらい。

降りやまない雨と、一生降りない駅が続く。一見平行線に見える二つの日々が実はほんの少し傾いていて、いつか交わることもあるらしいぜって、24の僕から15の僕へ。今夜のご飯は死ぬ前に思い出したいワンシーンに内定が決まっております。目も見られず声もかけられなかった当時言えなかった「かわいいかわいいかよ!」を言ってみようと思います。

駅が近づく。メールが続く。前時代的コミュニケーションはなんて愛しい。ハッシュタグNowplaying サンボマスター世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』と、ハッシュタグNowplaying ORANGE RANGE『ラヴ・パレード』から分かるこのときの「僕」の気持ちを答えなさい。それはそうと『恋』は、どんな曲なんだろうなんて考えて、駅に着く。

 

会えた。話せた。楽しかった。可愛かった。

 

語り尽くせない3時間とちょっとは、ヤボで、ブスイだから、ホドホドに。中学でめぐり合えて、そして今再会できて本当によかった。そうすべて、一瞬も遅からず、早からず。

 

心の奥からのあったかい気持ちで、今晩の宿、高校バスケ部イケメンお調子もんの家へ。1時過ぎに泊めてもらうのだから、エロ漫画の中でも一番クオリティの高い『快楽天』さんを献上する。小一時間くだらない話をする。楽しくてあぁもう、たくさんだ。飲みたい友人がたくさんだ。

 

翌日、まさか家族そろって住んでた街を回る。モノゴコロなぞ当時は備わっておらず、生まれた病院を見ても正直ピンとは来ないけど、懐かしそうな両親の顔を見て、離れて暮らす末っ子長男なりの親孝行ふふふ。よく団地でいなくなってたってエピソードトークの中の僕や、ベランダに来るかもめに「かもめさーーん」って呼びかけてる、前に見た映像の中の姉は、20年以上昔のはずなのに僕には新しかった。姉はもうすぐ嫁ぐので、そういう意味でも仕掛けて正解だった。姉を抱えてゴミ捨てをしてた親父がいたり、出産前に筥崎宮で散歩してた母親がいたり。

幼馴染のみーちゃん家にも行けた。みーちゃんのおばちゃんに10年ぶりに会えて、笑みがこぼれた。みーちゃんの妹あおちゃんにも姉は追い越され、これで完全に団地で一番小さい存在になった。同じ九州だからいつでも会えるでしょって後回ししがちなんだけど、そこにはやっぱり「えいやっ」が必要なんだって改めて思った。まさに「しかし、内に求める心なくば、眼前にその人ありといえども縁は生じず。」

 

飛行機は無事に飛び、名残惜しくも東京へ。

あの子とのご飯は死ぬ前に思い出したい夜ランキングに堂々とランクインするし、今回会った人みんな、幸せになってほしい人ランキングに絶対ランクインするし、こんなこと言ってても何の意味もないんだけどそれくらい素晴らしかった1泊2日は、それくらい素晴らしかった1泊2日ランキングにランクインする。

検索履歴に残る、距離感も土地勘も分からない福岡の駅名がいくつか並んでいて、あたたかい。家に帰って荷物をほどき、ちゃっちくて、へろへろなホークスのフラッグに笑う。

 

会いたい人に会えて、それは多分今じゃなきゃダメで、なんとなくでも、これからも「えいやっ」って、実現できるようがんばります。

あつを。

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すれ違う小学生の数人が「お前あいつのこと好きすぎるよなー」って言って行ってった。好きにもすぎるって状態があったなーって思いながら、勝手に照れて24の夏が行ってった。

 

食べるにしても、寝るにしても、この年になると「過ぎる」はこたえる。過ぎたるはなおてんてんてんを思い出すけど、好きすぎて辛くなるくらいなら、いっそ好きにならなきゃよかったみたいなことなんでしょうか。今夜も月がきれいです、よね、ですよね?よかったー。

 

Negiccoを好きすぎるようになって1年ちょっと経った。

何回でも説明できるそのきっかけはやついフェス2015で、初めましてなのになんでだか前から2列目くらい、今にして思えば新規ファンに優しいでおなじみNegiオタさんのおかげだったのかも。絶好の位置でたしか1曲目「ネガティヴ・ガールズ」の振り付けのあのキャッチーさと真似しやすさに一瞬で心奪われた。雰囲気がそうさせるのか恥ずかしくもなく「自由に」で一緒に踊るのが楽しかった。「二人の遊戯」にアイドルとは思えないカッコよさを感じた。

 

消費者金融に借金してでもDJセットを買い、作業用BGMを僕らに提供してくれるヒッピーみたいな先輩がいて、彼の作るアイドルリミックスとリカルデントで僕は卒論を乗り切ったわけなんだけど、そのリミックスをかけて30分、リカルデントの味が少しなくなりかける頃に流れる「さよならMUSIC 忘れじSONG」 というあの一節が、目の前の女の子3人からも聞こえてきた時、ごんお前だったのかと兵十もびっくりのアハ体験。感動した。あんなに感情をくすぐる一曲がカップリングって聞いてびっくりしたし、ヒッピーさんは何でも聞いてんだなって感動した。一発ではまった。僕は下手に位置していたので、かえぽにめろめろになった。これがセンターだったらなおちゃんに、上手だったらぽんちゃに、同じようにめろめろだったと思う。

今の時代便利なもんで、帰って早速情報収集。僕が気付かなかっただけで、13年アイドルやっている新潟在住のお嬢さんたちの画像を保存しはじめフォローしはじめ、お写真もライブ情報も流れはじめ。初めてのTIFもそりゃいくわけ。握手もそりゃ並ぶわけ。何を話そう。やついフェスすごい良かったです。可愛かったです。えーはい、大好きです。いぇい。

 

1デシベルも言葉を発せなかった。

3人の人柄が素晴らしいあまりついつい話が止まらず列が進まないことで有名なNegiccoの握手会に僕チョーキンチョー。

かえぽにもなおちゃんにもぽんちゃにも「あ、えっと、あ、あ、あ。おう、えん、してま、す。」って。間近で見るお三方はきらきらしているのにとんでもなく気さくで多分いろいろ聞いてくれたと思うんだけど、逃げるように離れた。なんでお前サイドがキンチョーしてんだよって話。ここだけの話その昔、上京したて好奇心と性への憧れがピークだった状況で、ふらついてた秋葉原でアダルティーヴィデオ女優さんのサイン会に並んじゃった時には全然へいへいとしていたのに。恋は盲目、好きは障害。口八丁のアイデンティティをさらに粉々にするのは、普通のおっちゃんなのにメンバーから笑いを取る他のファンで。ドリカムもがっかり、悔しいむなしい大好き。

 

アイドルアカウントを立ち上げた。

いや、正確に言うとシューカツの時、意識高い系をフォローするためだけに作ったアカウントをアイドルさん用に一新。アイドルへ、意識高い系。

それから毎日SNSの向こう岸へ、君に届け。同じく1デシベルも発してはいないんだけど、かわいいとか最高とか、頑張ってとかありがとうとか。気持ち悪いけど、楽しくて。かえぽのTwitterがとても好きで、発見があったり、まっすぐ変だったり、心を掴まれた。

おはようと呟くだけで300人くらいが☆を押すような大人気アイドルへ、埋もれないように言葉を考えるのが楽しい。みなさんがかわいいと送る中、とびきりだな!みたいな。あなたの存在が日々嬉しいです!みたいな。そりゃふぁぼるわって感じです!みたいなどこか違和感のあるメッセージングを。念のためもっかい言っとくと、気持ち悪いけど、楽しいのです。

たまにお気に入りにされるととっても嬉しくて。ハードスケジュールを見て、大変だけど頑張って!とか、「ぽんちゃのツイートから感じられる、10年以上アイドルの前線でばりばりやってるのにまだ垢抜けない、逆に言えばどこまでも尽きない向上心みたいなの、だいすきです。どうぞそのままで!」みたいな呟きをお気に入ってくれると、本当に嬉しい。こっちもそっちも嬉しいが、たくさん溢れるすごい時代。劇団ひとりさんの処女作のアイドルの話にとても共感する。付き合いたいとかじゃないんです。友だちとして好きってヒョウゲンがあるように、アイドルとして好きってヒョウゲンもあると思っていて。いつも笑顔できらきらしていてくれればそれだけでいいっていう、そういう、ただただ腰の低めな、あれです。

 

そんなこんなで1年が経ち、リベンジのTIF。ぽんちゃはものすごくお洒落で絵になる人でinstgramで勝手にときめかせていただいているし、なおちゃんは本当に純真で最近の体調不良大丈夫?まっすぐな歌声がすごく好きですとか、かえぽに関しては好きとか感謝とかいろいろな想いが溢れちゃって整理が大変だぜなんて、なんて話そうかと言葉と想いを頭でメモして。あと、保険のために少しのずるを。お気に入りのTシャツのキャラクターをアイコンにしてるんだけど、そのTシャツを着ていった。あわよくば、このアイコンからいつも好き好き言わせてもらってますと、あわよくば、伝えようと。胸に描かれた鬼太郎にラブレターを渡してもらう。

いざ、握手。アイドルファンのステップの一つ。いざ、認知。

 

最初のぽんちゃがまず、話してたら気づいてくれて「えー!これあれ君だったのか!どこかで見たことあると思った!」ってびっくり&喜んでくださった。もうこれだけで、笑顔で死ねる。なおちゃんは正直すごくあっさり終ってしまい、まだまだだなって少し落ち着いた。笑

そんでもって一番の憧れかえぽさん。同い年で大学を出て、と相当親近感。講義レポートに追われながら売れ始めて忙しくなってた頃の動画を見たりして、あとよくアイドル向いてないんじゃないかって悩んでる姿を見ていて、ちっぽけだけど伝えたい想いを伝え続けた1年間を思い出した。

以下、旦那こんな感じでしたよと五感に焼き付いております。

 

僕「いつもこのアイコンでTwitterやってまして」

かえぽ「えっ、あ!見たことある!いつもリプくれるよね」

僕「はい、好きとか頑張ってとか勝手にすいません」

か「ありがとう~」

僕「かえぽ推しなんです!」

か「えー!!!(世界一可愛いあの笑顔&握ってくださる手が強くなって)」

僕「これからも頑張ってください!大好きです!」

か「ありがとう~(宇宙一可愛いあの笑顔)」

僕「ずっと応援してます!」

か「またTwitterで!」 

 

 

か、

完璧。。。

 

天使。。。

 

あのですね、アイドルの方からまたTwitterで!って言われるこのドキドキ感伝わってます? 

ほっぺたTIFの会場に落っことしちゃった気がした。顔がとろけ目がなくなるくらい笑顔になっちゃったと思う。感動した。報われた気がした。誰が見てるかもわからないSNSの向こう岸へ送り続けて初めて認知してもらえた。Negiccoファンでよかったと心底思う。

ステージは2つとも見て、ポテリッチのやつではNao☆ちゃんがネガティヴ・ガールズをポテリッチ〜私ポテリッチ〜きっとポテリッチ〜みんなポテリッチッチッチッチッチッチッって歌ってて、この人天才だなって笑った。

 

好きが、過ぎて、たとえ辛くなるんだとしても、

Negiccoを好き過ぎる今はとっても楽しくて、

「お前かえぽのこと好きすぎるよなー」ってどうぞ冷やかしてください。

よせやいって、やめろいって、幸せな顔してると思います。

249

「アサヒに入社したら、キリンは一生飲まなくなるのよ。本当よ。」と、

新卒ジョブハンティング時代に、とある会社の熱心な人事に言われたことを、

大ほら吹くもんだなぁシャカイ人はと思っていたけれど、

うちの品物がお店屋さんに並んでいるところを見るとすこし嬉しくなったり、奥の方にあると前の方に並べちゃったり、

持ってる時間の大半を過ごす環境に、染まってくそんな3年目。

 

1日5回は眠たい疲れた腹減ったが話しかけ、

1日4回はどうか平穏な日々をと願う。

1日3回は貢献度の低さから逃げたくなるけど、

1日2回は認められたい褒められたいがくすぐってくる。

僕のマズローのてっぺんはなんだろう。ちょいと自己実現でぐぐってみる。

 

Negiccoの連載を読むためだけに毎月630円払っているアイドル誌にはライター募集の広告が出ていて、そんな気はなくてもそんな気を起こさせる。朝長美桜のグラビアはまた違ったそんな気を起こさせる。あぁできない、が積み重なる日々は、あっちだったらと言い訳をしがち。

自分の居場所を作れない軟弱モンには『会社を替えても、あなたは変わらない』なんて書籍タイトルが刺さる刺さる。人一倍、自分の弱いところが明確で明白で、コンプレックスですらなるようになると逃げ続けてきたツケが重い重い。お会計して~。

 

有難くも今年もまた、浜松のお客様からお仕事をいただく。

タクシーの運転手さんが、聞いてもないのだけれど、楽器の町と言われる所以を話してくれて曰く。

時計や医療器具の修理工だった山葉寅楠のもとに、近所の小学校からオルガンを直してくれないかと修理の頼み事。時計や医療器具が直せるならオルガンもできるっしょと相当な無茶ぶり。

西洋からの輸入品である高価な木製オルガンの蓋を開けると、彼はすぐに壊れた個所に気がついた。修理を行うとともに、彼は構造をスケッチし、これくらいなら自分でも作れると言った。国産にすれば半分以下の費用でもっと良いオルガンが作れると。そうすればもっと日本の音楽教育は普及すると。

2か月後、自らの手で日本初の国産オルガンを完成させる。試作には地元の飾り職人をしていた河合喜三郎も協力していた。実はこの河合喜三郎の親戚で、山葉寅楠に弟子入りしていた河合小市という人物が、のちの河合楽器の創業者でもある。キョウゴウ、いとをかし。

ここからはよくコピペされてる話なんだけど、ピアノを作る木工ノウハウがたまったから家具を作る。家具作れるなら木製のプロペラも作れるっしょと陸軍から頼まれて作る。その実験用のエンジン開発がのちのヤマハ発動機へ続く。バイクを作ったりテニスラケットを作ったり音響機器を作ったり。なければ作るの文化が創業以来ずっと続いてきた。

 

浜松の言葉に「やらまいか」という言葉がある。

「とにかくやってみよう」「やろうじゃないか」という意味であり、チャレンジ精神が言葉に根付いている。ちょっとしたシリコンバレーのよう、ヤマハ、ホンダなど多くの起業家を生んだ。

 

そしてもう1つ、楽器の街の浜松は、出世の街でもある。

天下を取るため、まず武田信玄を倒さなければと考えた徳川家康岡崎城を長男に譲り、浜松城を築城。浜松在城の17年の間、姉川、長篠、小牧・長久手の戦い三方ヶ原の合戦など、のちの徳川260年を支える試練の時代を過ごしたと言われている。

当時、睡魔を耐え凌ぐだけのある意味試練の時代だった日本史の時間を、10年近くたってようやく後悔する。せぐっちゃんごめんなさい。

 

僕のマズローのてっぺんに、今んとこ出世の文字はボールペンくらい細いんだけど。なんとなくこういう生き方をしたいなってものはあって、そろそろ名前をつけないとと思う。それは例えば、いとうせいこうが売れなくても書けなくても自分は作る人だって言い張って「作家だ」って名乗っていたように。『何者』は何も、シューカツ生だけの悩みじゃないぜ。

分かりやすく星野源に励まされ、『化物』を聞いて泥のような日々の自分にそれでも期待する。彼の、いろいろをぐちゃぐちゃにしてアウトプットするという生き方がとても好きだ。

そういうイミではいろいろを与えてくれる今の環境は逃げるにはあまりにもったいない。なければ作るってのは、モノもそうだし、シゴトもそうだし、イバショもそうだと思う。ギョーカイが大きく変わるポスト2020に向けて、自分がどのシーンに身を置くか考えはじめる。なに、キャッチコピーを10本も書かせれば、その人のモノの見方はよくわかるもんなのです。キャパシティの割りに合わない自己顕示承認欲求が、今日もグッジョブ!を探してる。

 

やらまいか。

海水浴に行けない夏は、ネットの海に、心のおもらし。

248

夏だ。

洗濯物があっという間に乾くわ、チュッチュピカピカ。午前のうちに2回まわして、午後2時にもう取り込む。乾いたシーツ、くたびれたスーツ、汗でまた濡らすお昼下がりのぶら下がり。

夏だ。

ポキモンGOもやってはみてもいるけれど、How to playはわからずじまい。出ない。1匹も出ない。原から新まで宿から宿へ歩いてみても1匹も出なかったことをtweetすると、OLになるという夢を叶えたOLから「それおかしいよ」とreply。「狭山市駅だけで4匹捕まえたし」と続き、狭山市だからだろと笑う。それ、可笑しいよ。

夏だ。

日差しに気をつけなくちゃいけないのは、目じゃなく肌じゃなく唇だってさほんとはさ。昔イガク部の知り合いに教えてもらったから間違いない。サングラスよりサンオイルよりサンリップクリーム。僕らは顔の目立つ部分に粘膜を飾っている。

夏だ。

コンビニの奥、どぎついコーナーの表紙の文字がテッカテカってか、踊る輝きだす。「生まれて初めてサカってます。」ってあほあほしい自己申告に笑っちゃう。夏風邪ですかねなんか棒状の薬出しときますね、お大事に。自分を、お大事に。

夏だ。

「無茶な口説き方して」っていまさらハマりまくってる源星野の、好きな一節『Week End』。今日ライブDVD買って、明日雑談集買って、明後日動画あさって。multi talentのアウトプットは、いろいろをぐちゃぐちゃに消化してさてどんなうんこが出る。取り入れてみようと思う。書き続けようと思う。

夏だ。

「最近何してんの?」って聞かれたときは、「頑張ってる途中。」って答えるって決めている。その昔ある先輩がSNSでそう切り返してて、拝借したいなと。海だけじゃなく山まで休みを取るような今年は、よりいっそう頑張ってる途中が必要だ。

夏なのに。

一向にモテない。一考の余地あり。

夏だ。

ノースリーブとか浴衣とか水着とか。冬の恰好の方が好きなことを忘れさせるほど、アイドルは力強い。「世界一じゃない、世界唯一だ。」という言葉が当てはまるお台場のアイドルフェスは今からとっても楽しみで。どうせ手のひらで踊るのならば、変な踊り方でも、あの子が笑ってくれればいいやって思う。

夏だ。

情熱はどこだ。本気はどこだ。温度はどこだ。期待はどこだ。使命はどこだ。傾倒はどこだ。未来はどこだ。証明はどこだ。真実はどこだ。罫線はどこだ。引力はどこだ。

夏だ。

平成28年の、夏が始まる。

247

「ヤメル時もスコヤカナル時も、トメル時もマズシイ時も。

支えアイ、慰めアイ、助けアイ、変わることなく愛することを誓いますか?

アイ、よろしい。ハヤカッタですね。クイギミでしたね。

 

それではヨイですか。誓いのキスを交わす前にワタシから一つだけ、たったの一つ。

この世に、美魔女など、存在しません。

 

アナタ方は本日ケッコンします。愛し合うフタリは互いの手を取り合い、これから家族になります。少し丁寧に言うとご家族です。ヨッ、ご家族。少し後ろをミテミテください。ワタシから見て左側はシンロウのご家族。メガネ多め。ワタシから見て右には、シンプのご家族。やだなワタシじゃないですよ。いやワタシもあなたもシンプですけど、それ今言いますほらヘンな空気。純白に着飾ったシンプ、そうアナタ。そのご家族。イログロ多め。ご両家が本日をモッテしてご家族になります。ヤーイ、ご家族。

 

『ひとりで生きていけるふたりが、それでも一緒にいるのが夫婦だと思う。』

こんなキャッチコピーを送ります。

 

『人生にティファニーを。

おたがいに甘えずに、自立しているふたりだからこそ、ふとしたきっかけを示しあう愛情が、心を強く動かします。
夫から妻へ。妻から夫へ。ティファニーの贈り物は、ふたりの絆をより強く深いものにするでしょう。』と続く、もうお分かりティファニーのコウコクだったりします。

 

フシギなものです。顔まっ赤にしてまっ赤な嘘つきまっ赤な他人が、家族になる。シツレイシッケイ、プロポーズは本気でした。それぞれの場所でそれぞれ育ち、ある時出会い恋に落ち、ジブン以上に大事な存在になったり、アイのあるSEXに精ェだしたり。なんだってまたすごいカシ。三木サンの綴るライムにやりきれない感情を覚えたものです。たまに、アイのないSEXに正座したり。

 

そうしてやがて、2人は3人になる。次のセダイが生まれる。3人が4人になることもある。明るい産声が、どこまでも響く笑い声が、世界を照らす。ときに責任感やプレッシャーがのしかかり、マヒ状態になったら『こんなのただの希望じゃないか』と呟いてみてクダサイ。『おやすみプンプン』いいよね。今度貸すからカンソウ聞かせて。

 

守るべきものができるとシンロウ、あなたはますます家で小さくなる。いえ、カイシャでは相当かっちょいい、ハズ。でもね、世の中のお父サンはみな家でちいちゃいんだ。

愛情を注ぐ先ができてシンプ、あなたは今より家で大きくなる。ライオンだってなんだって子を守る母は、つよいこわいウツクシイ。

 

シンロウ、あなたはシンプがどうやったら喜んでくれるか、今よりずっと考えなさい。髪切った?ネイル変えた?毎日尋ねなさい。アイヅチの練習をしておきなさい。聞く時間を作りなさい。

シンプ、シンロウは一生ガキのままです。あきらめてイヌだと思いなさい。テイシュ元気でティッシュがすぐ減る。昔の人はよく言ったものです。

 

こどもが生まれたらカワイイカッコイイじゃいられないのだから、敬いアイ、励ましアイ、良きチームメイトになりなさい。それはパートナーでアリ、乗組員でアリ、仲間でアリ。同じ方向に向かって舟を進める。

いいですか。

この世に、美魔女など、存在しません。

テレビやザッシにドウゾ踊らされないで。

 

そして、これだけは忘れないで。

いつモどんな時モ『母』がニコニコしてること。

ニコニコした母のあたたかい思い出がいつモどんな時モおモいだせれば、その子はきっと、大丈夫。そのために、そのためだけに、『父』モ頑張りなさい。ほら後ろ、ご両家のご両親モ肯いてる。メガネとイログロの。

 

エー、長くなってしまいましたのでスコシ巻き戻します。

ヤメル時もスコヤカナル時も、トメル時もマズシイ時も。

支えアイ、慰めアイ、助けアイ、変わることなく愛することを誓いますか?

アイ、よろしい。ハヤカッタですね。クイギミでしたね。

え、チョ、泣いてるの?ナンデナンデ。幾久しくウケル。」

246

死ぬようなそれでないにせよ、覚悟は決め、意は決し、腹は括る。

たくさんいただく「がんばって」のお届け先はこちらではなく執刀医さんへ。

生まれて初めて手術をしました。いや、受けました。肺気胸

 

麻酔の説明はやっぱり怖い。下手なお化け屋敷より怖いのは、それが確率論の話だからで、自分がその1/10000じゃないことを願うのみ。

今この教室に不審者が侵入したら僕はどうやって身を守りつつ好きなあの子を守れるか、あわよくばちょうどいい感じの怪我をするかって、男子なら誰でもそういうリスク的なこと考えてきたと思うんだけど、それで言うとあまりに他力本願あみだくじ運任せ。

輸血やらなんやら続く説明。最悪の場合の話に最悪かよってツッコミを入れ、納得してなくても進まないから同意書にサイン。美人の先生の「麻酔科の」って頭につける自己紹介、少し気に入る。僕も思わず「患者の」を付けそうになる。

 

翌日のゲーム(手術)に向け、ユニフォーム(オムツ)が支給される。背番号はなし。サイズはM。

さすがにビビってSNSに吐露すると、自身も手術経験のあるゼミの同期のクールボーイからリプライ貰って曰く「痛みを受け入れると楽になるよ!」って宗教的哲学的な励まし。

 

昨日は眠れましたか?ってこれマストで聞かれる手術当日の朝。案外、寝られたから、そんな執着ないかもしれない。

田舎から母が来てくれるものの、凍狂の電車に飲み込まれぎりぎりになる。ちらりと見送る姿から、多分違うけど赤紙というワードが浮かぶ。

扉の向こう側へ、小さくて大きな1マス進む。

 

「今日は何の手術ですか?」「どちらの肺ですか?」という質問も、事前の傾向と対策はバッチリで。なんならすでに右の鎖骨に☆印のカンニング

病室の貴重品の鍵やメガネを預かるおばあちゃん看護師さんがいれば、「麻酔科の」って例の美人先生もいた。「クランケの」って返しそうになって止めた。10名くらいに見送られ向かう。扉の中に8つくらい手術室があって、その中の6と書かれた部屋に入る。案外、明るい。

スピッツが流れていた。案外、明るい。ちょっと面白かった。詳しくない僕でも知ってる曲だったので多分あれベストだ。野球選手が試合前に球場に好きな音楽をかけてアップを行うみたいなもんで、そのハイパフォーマンスへのルーティーンに共感した。

痛み止めを打つために背中を丸めて差し出すこれが痛い。右乳首横にドレーンの管がつながれているまま、ベッドの上で体位を変えるこれが辛い。ソープものAVで見るようなモコついたベッドの上ではなかなかに体勢を変えられない。背中への注射は新鮮な痛みだった。そもそもずっと四六時中、右乳首横の管がむずむずしているのでこれで1本撮れそう。

 

右腕に、3分に1回膨らむ血圧測るやつ。右指先に酸素量測るやつ。左腕点滴。右乳首横にドレーンの管。頭は給食室のおばちゃんキャップと恐らく脳波的なの測るやつ。背中から痛み止め流すやつ。

これどうしたの?って僕の左肩にある痣について話しかけてくるくらいアットホームなオペ場です。7、8回右腕が膨らんだから20分ちょっと経った。整った。いざ、手術!

 

「麻酔流します」って流しそうめんみたいなプレイボールと、左腕から流れるひんやりに気付いてボーっとしてきて3秒。落ちる。前述のゼミの同期のクールボーイの言葉を借りると「ちょっとしたタイムスリップ感」を味わう。

手術自体は2時間程度で終わったらしいが、目が覚めたのは4,5時間後くらい。切り取った肺の一部を母は見たらしい。確かに白い風船みたい穴が開いてたよ、と。あぁそうですかまぁなんにせよ生きて戻りましたよ、と。

痛みに魘されると聞いていたもののそこまでひどくはなかったけれど。部位が部位、背中と肺なので、動けないし、息苦しさはどうにもこうにも。「痛みを受け入れると楽になるよ!」の真理を目の当たりにし、彼をますます崇拝する。

 

うつらうつらしたままスマホを開くと、

「昨晩の件、ふとした会話のときに「彼氏は今はほしくない」と、ぽつりと言われたので今回は告白やめました」って、愚直な後輩から恋愛相談のLINEが来ていて、あまりのアンマッチ具合にそれ術後の今じゃなきゃダメかねと笑う。

とは言え大げさな話、一度死ぬ覚悟をした手前「好きか嫌いかそれだけ聞かせてください。先のことは分からないですけど、いま僕が好きなのはあなたです。」なんて台本を返してみる。病気とか地震とか出会いとかケッコンとか、今年はいろいろアクシデントが多すぎる。せめて後悔しなさんなよと伝えるも「ロマンチストな言葉ですねぇ、、、!」と変な感じになったのでもう二度としない。こいつにはこれからLINEの初期設定のスタンプしか送らない。あれ使ってる人見たことないくらい絶望的にダサイし。

「2度目の入院だし今度こそナースを口説け!」なんて余計なアドバイスをしてくる友人がいれば、のど飴ホールズをくれた友人もいて、みんなちょっとバカにしているので、また明日からがんばろうと思う退院前日。「お見舞いいこっか?」って言ってくれるだけで嬉しかったりする。あとはもうヘロヘロになった今だから言えるけど「大丈夫?おっぱい揉む?」ってこれほんと魔法の言葉なので誰か録音でいいのでお願い申し上げたてまつりありをりはべりいますがり。

 

がんばってくれた病院の皆さまと、心配してくれた皆さまと、自分に感謝します。

245

ヒトの細胞は90日で入れ替わるらしい。

見聞き触れ嗅ぎ味わったものを書き残しておく。

 

今この時代のメッセージング、ディズニー『ズートピア』。差別や人権、マジョリティの暴力的な正義、マスコミュニケーションの危うさ、強制される共生。今さら書かなくても世の中には多くの称賛があり、あるある観た観たあのシーンこのシーンは少し置いて。

諸々の社会課題を超越するのは、エンターテイメントだなんて感じちゃった。僕らのクラブのリーダーはいつだって彼なのさ。しばらく立てなかった僕は何というか、人生で初めて彼にヒレフシタ。良い映画だった。

 

ところ変わって日も改めて『ピクサー展』。「芸術はテクノロジーの限界に挑み、テクノロジーは芸術にひらめきを与える。」なんて言葉にこれからのものづくりを想う。「キャラクター」「ストーリー」「世界観」という三要素。車に目ん玉くっつけただけじゃカーズは生まれないし、現実をただ映すだけなら実写の映画でいい。制約があってルールがあるから想像力が発揮される。

膨大なドローイングとインタビュー映像を観て確信したことは、彼らのアイデアはものすごい数、却下されているということ。その理由はとってもシンプルでずばり「もっといいアイデアがあるから。」である。

えっ、これがあのウッディ?というキャラデザインの山を書き分け掻き分け、これこれ、これじゃなきゃというウッディに辿り着く。未来の当たり前が出来上がっていく様にとても勇気づけられる、正解はないのに探しちゃうゆとり世代夏目漱石夢十夜』の第六夜にもそんな話があった気がする。

もっといいアイデアがあるから、を承知しておくだけで、否定する方も否定される方も、正確には否定ではないんだけど、ポジティブに失敗ができる。自分ごと自分事、全否定されたと思いこんじゃうさとり世代。別にクリエイターなんてかっちょいいお名刺ではないけれど、良い時間だった。最終日の2時間待ちも関係なくトイ・ストーリーを観たくなった。

 

ところ変わって日も改めて気持ち切り替えてNegiccoニューアルバム『ティー・フォースリー』。ホントめっちゃめちゃいい。音楽詳しくないけどポップスっていうジャンル、耳に超楽しい。とは言え大衆受け狙いではなく、すさまじいアーティストからの無理難題を忠実に再現しようとする中で、お三方らしさがありあまっている感じ。田島貴男さんが「僕がオリジナル・ラブを結成して目指してきたことはずっとそれだけ。渋谷系でもなんでもない。普通の良いポップスが一番難しいし凄い。普通だから舐められることも多いけど、本当はそれが一番クリエイティブなんだ。そこに近づいてきてるNegiccoT43は大したもの」とまで呟かれていて、最&高

1曲1曲、曲順へのこだわりも受けて、シャッフル機能はオフにして。ユメトコスメさんのつぶやきからは、0コンマ何秒のたった1語の発音に鳥肌を走らせる。曰く「ポップミュージックに特別な魔法が宿る瞬間は、こういった一瞬に拠るものだと僕は想う。何度聴き返しても、この瞬間をずっと待っている。」って、音楽づくりの醍醐味なのでしょうきっと。神は細部に宿ると言うのなら、もうきっと神さまとハイタッチできるようなとんでもないところまで連れてってくれる、そんな一瞬が鏤められた名アルバムで、最&高

 

いい仕事してますか?って逆に問いかけてみる自分の中の中島誠之助先生。おんなじインプットでもガクセイ時代とは少し違った捉え方に、いい仕事してますよって言いたくなるし、いい仕事してますねぇって言われたい日曜日、病院、ベッドの上。

気胸再発してしまい、悔しい情けない申し訳ない手術は怖い大丈夫になりたい。奪われて初めて知るこの「働きたい」も早くも2回目で、3回目は許されない。

 

ヒトの細胞は90日で入れ替わるらしい。

3か月ぶりの、またしても空いてしまった肺の穴ぼこを埋めるため、見聞き触れ嗅ぎ味わい続ける。会社がある南方に頭を下げながら。