心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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『犬』

 

夕焼けはあっという間に暮れて いつもの道がいつのまにか1人の未知

明日なんてこなくていい このまま夜に溶けてもいい

寝て起きたら笑っちゃうくらいいつもの僕だ 

すぐに気づく間違い探し 隣にぬくもりがいないいない

ばぁかってつぶやく これまでの昨日を時間が忘れさせるなんて

ほんとかよ 何回一緒に歩いたと思ってんだよ

 

いつからそばにいてくれたんだっけ 出会ったことすら忘れてて

君とならどこへでも行けた 引っ張ってたのは僕じゃなく君だったんだね

居抜かれて空っぽな僕だ 犬みたいに懐く君はもういない

吠えていいんだよ また声聞かせてよ

 

夕焼けはあっという間に暮れて いつもの道がいつのまにか1人の未知

もう会えないってそんなきれいな目で見つめないで

願ってもない「どっか行けよ」 もうダメだ

 

いつものお散歩道 公園のベンチ 触れたあたたかさも 消えるわけない残ってる 

もっといい人がいるよなんて いるわけないだろ、そうだろ

 

いつからそばにいてくれたんだっけ 出会ったことすら忘れてて

君とならどこへでも行けた 車に乗って 自転車で並んで

射貫かれて動けない僕だ 犬みたいに優しい君はもういない

吠えていいんだよ おりこうじゃなくてもいいんだよ

 

いつからそばにいてくれたんだっけ 出会ったことすら忘れてて

君とならどこへでも行けた 引っ張ってたのは僕じゃなく君だったんだね

居抜かれて空っぽな僕だ 犬みたいに懐く君はもういない

吠えていいんだよ また声聞かせてよ

君がもし迷い犬だったら 連れて帰って一緒にいよう

窓のカギ開けてあるから 横であったかくして眠りに就こう

柔らかなその毛をなびかせて 今すぐ駆けてきておくれ

全力で抱きしめるから もう離さないから

 

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『猫』

 

夕焼けが燃えてこの街ごと飲み込んでしまいそうな今日に

僕は君を手放してしまった

明日が不安だ とても嫌だだからこの僕も一緒に

飲み込んでしまえよ夕焼け

家まで帰ろう 1人で帰ろう 昨日のことなど 幻だと思おう

君の顔なんて忘れてやるさ 馬鹿馬鹿しいだろ、そうだろ

 

君がいなくなった日々も このどうしようもない気だるさも

心と体が喧嘩して 頼りない僕は寝転んで

猫になったんだよな君は いつかフラッと現れてくれ

何気ない毎日を君色に染めておくれよ

 

夕焼けが燃えてこの街ごと 飲み込んでしまいそうな今日に

僕は君を手放してしまった

若すぎる僕らはまた1から 出会うことは可能なのかな

願うだけ無駄ならもうダメだ

 

家までつくのが こんなにも嫌だ 歩くスピードは 君が隣にいる時のまんま

想い出巡らせ がんじがらめのため息ばっか 馬鹿にしろよ、笑えよ

 

君がいなくなった日々は 面白いくらいにつまらない

全力で忘れようとするけど 全身で君を求めてる

猫になったんだよな君は いつかまたあの声を聞かせてよ

矛盾ばっかで無茶苦茶な僕を 慰めてほしい

 

君がいなくなった日々も このどうしようもない気だるさも

心と体が喧嘩して 頼りない僕は寝転んで

猫になったんだよな君は いつかフラッと現れてくれ

何気ない毎日を君色に染めておくれよ

君がもし捨て猫だったら この腕の中で抱きしめるよ

ケガしてるならその傷拭うし 精一杯の温もりをあげる

会いたいんだ忘れられない 猫になってでも現れてほしい

いつか君がフラッと現れて 僕はまた、幸せで