心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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もしも~、煙草が~、喫めたなら~

思いのすべてを煙にして、君に伝えず吐くだろう。

 

雨が降る日は雨のよに。

風吹く夜には風のよに。

晴れた朝には晴れやかに。

 

入院していた頃、大親友がお見舞いに来てくれて、僕の下世話な可愛い看護師さんランキングの発表を一通り聞いてくれた後で「言わなきゃいけないことがあるんだ。俺ケッコンするんだ。」って報告をうけたベッドの上。

何の予定もなく、ばあちゃんのお墓参りに駆り出される1泊2日のクリスマス。

同級生の妹を、お姉様に内緒でデートに誘ってドタキャンされた渋谷道玄坂

すげぇ仲良かった後輩が出てるAVを見つけちゃって、なんでだか涙が流れてきてでも最後まで見てしまった午前4時。

年賀状余ったから欲しい人いたら書くよ~ってSNSに流してみて、いやホントは書きたい人は自分が一番分かっていて、聞く勇気がないだけの年の瀬。

担がれてたこと知るヨシもなく、あわよくば俺でよければのシタゴコロ。

閉鎖するスペースワールド。解散するlyrical school

迫る終電。「良いお年を」の、残り香。

 

だけど僕には耐性がない。

君に聞かせてないけど喘息持ち。

心はいつでも半開き。

追い打ちかけるは肺気胸

アア アー アア・・・・・・・

気胸

 

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『博愛主義だ。Laugh&Peace。誰とでもすぐナカヨシだぜ。そんなスタンスでso long来たけれど(参照ファッショニスタ大仏)、どうもニガテな人柄が一つあるらしい。最近気づいちゃってさ。

偏見を盛大にまぶし、あえてカドを立ててみる僕が唯一苦手な人、そう「帰国子女」とうまくやってける気がしない。

やれ合コン、盛り上げ役を全力でマットウするマットウなピエロ、人数合わせでも。引き出し引き出して探すエピソードトークそのオチの、ほんのちょっと手前で「注文いいですかー?」っていいわけないだろカンベンしてよ。自己紹介でちょっとへんな間を含んだときから嫌な予感はしてたのさ。「ともちゃんあれだもんねー」って友人たちのそういう間。えー帰国子女なんだー!っていろいろ聞かないといけない我々もまぁ。

そういうものなのよ合コンってきっと。あんなものに出会いとか運命とか何一つ期待していなくて、日ごろ持て余しまくってる「ウケたい」をただただ全力で発散させる場なのだ。だから全力でチヤホヤするんです僕らは。だから全力でウケていただきたいのです。いや、もちろん実力足らずツボ違いはあるでしょうお詫びはしますよ侘びと寂び。だからってマクドナルドの発音いじっただけでそんなに拗ねないでよ。そりゃ団体芸の大オチに振っちゃうよ。

なんというか自分の間を持っている人が得意ではなくて、昔の言葉で言う自己チューが。俺が俺があたいがあたいが。人の心情を察さないでモノを言う。いや、だってこうだから。いや、だって私がこうしたいから。昔受けた広告代理店の3次面接グループディスカッションでもそれを感じて、僕はすぐにウワッてナッてトッてもやる気がなくナッチャッたし、強がり半分落としてくれてよかったなって思ってる。彼ら、超COOLなのだ。コンプレックスみたいなもんだ。自分が持ち合わせてないから憧れるし、恐れるのだ。

で、経験上えてしてそういう人は「帰国子女」だったりすることが多い。おかしいな実は僕だって幼少期ミネソタにいたんだけどな。現地の幼稚園に通ってて、僕が通い出してから、それまで口も聞かず全く仲良くなかった中国人の子と韓国人の子が、僕きっかけで仲良くなったなんてエピソードも聞いたくらいなのにな。でも確かに空気を読まない意思表示はあっちではものすごい大切で、僕なんかは幼稚園の先生が塗る激アマなピーナッツバターになかなかストップが言えず、いやアダルトだしそこまでチャイルドに甘いもん食べさせないですよね、程度ってものわきまえてますよねって任せっぱなしにしてたらなかなか止めてくれず激アマなパンを食べざるを得なくなったトラウマもある。まだまだですね、精進します。心頭滅却すれば火もまたスズシ。』

 

なんて話を笑って聞いてくれる。

目の前にいるあなたが、僕は本当は一番苦手です。

その笑顔に何度だっていちころだし、相変わらず可愛いなおい。それはボケか?可愛すぎるっていうボケか?

あれから僕はさっぱりですよ。合コンだって前述の通り。そりゃシャカイに出ていろいろ見てきて最近、あなたの言ってたことが分かるようになってきましたよそれは例えば「ワンピース着ている女の子はかわいい」ってこととかさ。

前髪が決まらないだけで不機嫌になったり、きれいにお化粧ができた日は外に出歩きたくなったり。知ってるよ、ファンデーションは首の色に合わせるんでしょ。気づかなくていいとこに気づくくせ、気づいてほしいところに全く気づかないよねって職場の同期に言われたよ。あなたにもそういうダメなところを見せまくってしまったかと思います。振られた理由って、なにこれ、あとから分かるのね。

一緒に過ごした時間はだんだんと薄れていくけど、いつかのクリスマスあなたの家族に誘ってもらって一緒に食べた晩ご飯、あの幸せな美味しさだけは一生覚えている気がします。

 

元カノなんて言葉は使いたくなくて、すげぇ気心知れた、すげぇ好みのタイプの、すげぇ一生かなわない人に会ってもらって元気?とか婚活してる?とかそんな話をしてそうじゃねぇだろって思ってもやもやして会ってしまったからこそ絶対に戻ることはないのねってなんというか心の溝知っちゃってでも顔には出さずまた誘うからなー彼氏できたら教えろよー!なんて強がってみたもののそんなん知ったら僕は南の島に行って星を眺めるくらいしかできなくなっちゃうから言わないでいいや、ただSNSで知るくらいなら教えてほしいみたいなとこもあるからとりあえずまたたまに連絡するよ元気しててね人よりいつもちょっとだけなんでだか幸せでいられますように。

 

サンタさんへ

明日朝起きたあの子に、欲しいって言ってたプレステVRと大好きだったハリボーのグミを。

あと明日朝起きた僕には、新しい恋を。

メリークリスマス。

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最近、腑に落ちたこと。

とかく自分には何の才能があるんだろうか何のため働くのか生きるのかって言いがちなんだけど、案外ただドライに誰でも長所と短所があって、長所を活かして人の役に立てば嬉しいし、とは言え人生は長いんだから短所とも時間かけて向き合ってきゃ楽しいんじゃない?っていう、そういう話。

そんでもって、じゃあ君は何が好きで何が得意なのよっていう、そういう話。

 

先日のM-1グランプリ

M-1の存在する12年(なか4年)と共に大きくなってきたし、やっぱりお笑いが好きだなと思うこの季節冬の風物詩。ド恥ずかしながら卒業文集小中高、芸人になりたいしか書いてこなかった。正確には小学ではミスター・ビーンって書いてたけど。もっと正確には中学では「福話術師」って書いてあってこれについてはもう誰かいじめてください痛くない程度に

とは言え、好きだ好きだのわりに1回も出たことがないのがM-1で。どうも僕はそういうところがある。野球が好きなわりにWBCマー君が出るか出ないかは実はそんなに興味がなかったりして、スポーツ好きの上司の方の肩透かし。

今年はお客さんも温かく、緊張感とドカンドカンがとても心地よかった。中でもBRUTUS漫才特集にも、ベストオブ「もうええわ」に挙げられていた和牛川西さんのツッコミの上達っぷりに胸が熱くなった。芸人さんに何を上からという恐れは重々承知しておりますけど、そこは「だって今朝、まっちゃんもテレビでそう言ってたもん!」って素人限定の隠れ蓑を羽織る。好きなことを仕事にしている方はカッコイイのだ、ものすごく。

「ツッコミは上手くなる」ってのは僕も知ってる信じてる。所詮サークルレベルなんだけどガクセイ時代漫才をやっていて、僕は怒るツッコミが苦手だった。どうもキレちゃうのだ。当たり前だけどキレちゃうとお客さんも笑えない。上手く怒れると後半盛り上がっていけるところなんだけど、ネタを一切書かない癖に面白くないとだけハッキリ言い放ち、のくせ本番びっくりするくらい飛ばしてまさに噛みってる相方君に、どうもキレちゃうのだ。

とは言え、コンビも組んで2年くらい経つと多少はツッコミが上手くなっていって、大学3年くらいになると少しは怒れるようになっていった。相方君からも「今日はちゃんと怒れてたよ」って褒められた。照れ隠しとかじゃなくただ素直にうるせぇって思った。

大した話じゃないけど、ガクセイエムワンという放送研究会がやってるような大会にもエントリーして決勝8組に残ったこともある。確か50組以上は出てたんかな。結果、6位だったけどね。ウケてもなくそこまで滑ってもなく、ただ実力が足りず強いボケがないよねっていうそれ。ちなみにその時の1~3位のコンビは皆さんプロになられた。得意なことを仕事にしている方はカッコイイのだ、ものすごく。

 

昨日は昨日で、そんなサークル時代の先輩の初単独ライブを観に行った。

7年前初めて見たその先輩のハーマイオニーのネタで僕は生まれて初めて涙を流すくらい笑った。それくらい面白い人が、魚好きが高じて今はさかな芸人として釣った魚だけで1か月生活していたり、100種類達成するまで東京湾にて自分で釣って調理した魚以外食べないチャレンジをしていたり、とんでもない世界を日々突き進んでいらっしゃる。普通のピンネタは封印して魚に関するネタしかやっていらっしゃらない。その覚悟がどれだけすごくてどれだけかっこいいか。

ライブも超満員。企画でお世話になったらしい老若男女の水産関係者の方も多く来ていて、人情でお笑いの概念を広げていた。どうか体調だけは崩されず。今後も応援していきたい。

1つ、お気に入り動画も挙げておきます。好きなことを得意なことに変えて仕事にしている方はカッコイイのだ、ものすごく。もんのすごく。

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さて本題、オシゴトの話。

前にも書いたが、1年に亘る偉大なコピーライターの方とのプロジェクトが終わった。

showkakeru.hatenablog.com

今回もまた多くのことを学ぶ知る盗む聞くありがたし。これさえなければNegiccoのライブに行ったなーという日もあったりしたけど、月に1、2回土曜の夜を潰してでも得たものはあまりあるロマンスがありあまる。年齢が近い方も多く、これはもう切磋琢磨friends略してセフ、いやよそう。またどこか何かの式典で会いたいナと思っている。あと2回も肺と仕事に穴を空けてしまい大変申し訳ございませんでした。

 

改めて、キャッチコピーもお笑いも、自分の人生すべてをさらけ出さないと作れない。

今までの人生でこういうものの見方をしてきて、ここをオモシロポイントだと思っていて、こういう伝え方をすれば受け入れられ人の心を動かし世に伝わるということを、たった15秒だの4分間だのにぎゅっと詰め込む。

ものすごい怖いことだ。1億総コンテンツメーカーでありながら1億総クレーマーのこの時代、ガンガン否定批判鹿十される。何も言えなくなるその無力さに日々向き合っている。だからこそこれ間違いないなと思うのは、面白い人ほど、キャッチコピーが上手い人ほどめちゃくちゃに人想いで優しい。

 

ちょっと前、youtubeのコピー「好きなことで、生きていく」ってのがあった。

その実際はもっと必死で生々しくて、私はこれで食っていきますから。っていう覚悟があって。で、今の僕にはそれが圧倒的にないもんでこうして3年目、わりかしぷらんぷらんノープランでやっている。

野球好きとは言え「マー君はメンバー入りさせるべきです、そうすれば大谷はこういう起用法ができますから」という宣言意思表示覚悟ディスカッションが苦手な理由もここにあると思っている。そもそも何が好きか、どういう風に物事を見ているかすら自分でたまに分かっていない。お笑いサークルの代表なのに後輩のネタを見て「うーん、ちょっと俺あんま分かんないな」って言っちゃってたし。

 

一方で、M-1の決勝に残るコンビってのはどこも「ここが面白い」っていう1つのぶっとい軸(って言うとシュウカツ生っぽくてゲロ出ちゃうな)、RGが星野源との対談で使っていた言葉で言うと「シーン」がある。

「好きなことで、生きていく」前に、やっぱり石の上にも3年で、もうちょっと時間をかけて、好きなことと得意なことを追いかけてみようと思う。姿勢とか理念とか誇りとか軸とかシーンとか、あと個人的に優しさとかちゃんと意識しながら。

 

忘年会シーズン。ウケたいですね~。受け入れられたいですね~。

久しぶりに怒りツッコミを練習しておくとする。

258

四半世紀連れてきた面の皮を眺めていると、もう間違いない確信する。近づいていくのかくるのか、彼の存在。

そう。年々、平井堅に似ていく。

 

気づいたのは14。それ以前から似てるかもなとは思っていたが、小学生にとっての彼はそこまでヒーローではないのでそっとして。母姉の前でだけ、たまに『瞳をとじて』いた。

 

気づかせてくれたのは中3クラスの美人ヤンキー。思春期真っ只中のヤキューブボーズは、女の子の目を見て話せるなんてまぁなく、加えて先方不良少女。ご近所の席で勝手に恐れていた僕に「ほっしーって平井堅に似てるよね」と話しかけてくれた。イノベーターである。横で取り巻きも「たしかに」って続いてくれてこちらはアーリーアダプター

我が家ではすでに感づいていたことでも、そこで「あぁ、知ってる」なんて冷めて返したら僕の学園生活はそこで一瞬でtheEND。諦めなくても試合終了です。さも初めて聞いたかのようなド新鮮なリアクションで「おお?平井堅!?まじか!いや、まじですか!え、こう?こんな感じ?こんな感じでしょうか?」って表情を寄せた。ウケた。That's命拾い。

 

それからの日々はおれがあいつで、あいつがおれで。給食の時間に『POP STAR』が流れると数人が僕を見る。初めのうちはいや、違う違う俺じゃないよ!で成立していたが、だんだん飽きがくる。これは、、、踊れなければならない。恋ダンス以上にマストで覚えなければならない。あのサングラスしたアフロの男性のステップを。なんかクマの着ぐるみとか出てくるあのMVを。そうなったらもう、めちゃくちゃCDを聞く。MVを見る。フリを覚える。骨格が似てるのか、実は声も似てるぞと気づいたのはこの頃で。

 

芸は身を助く。

ガクセイでもシャカイ人でも、カラオケに行くといつの間にか『POP STAR』が入れられていて、全力で応えることで僕はいつもコミュニティに受け入れられてきた。たまに本当にファンの人がいて「もうちょい肺活量鍛えるといいよ」とガチでアドバイスをくれたりした。引き続き精進いたします。

実はここだけの話、ホントは僕は『君の好きなとこ』という、恋に落ちた盲目っぷりがチャーミングな一曲が好きなのだ。でも「え、まだモノマネやんの?もういいよ。」という空気感が怖くて、泣く泣くデンモクを手放したことも少なくない。

 

恋愛において単純接触は大きな効果をもたらす。

僕にとっての平井堅もまさにそうで次第にファンになっていった。僕が大学1年の頃には、なんと平井堅がクマモトに来るぞということで、何の気を利かせたのか母がチケットを取り、友人といざ、ご本人!

会場に着くとさすが堅様、年齢層の高いおばちゃま人気が高い。レストランでカレーを食べていたら、周りおばちゃまばかり、僕らのようなガクセイはいないなーと思っていたら、どうもむこうの方のおばちゃま数人がざわざわしている。明らかに僕を指さしたりもしている。これは給食時間に平井堅の曲が流れてきたときの視線と全く同じだ。そのうち意を決した一人の勇敢なおばちゃまが近づいてきて、写真を撮ってくれと声をかけられた。イノベーターである。本物のファンに認められた瞬間、光栄なこと極まりない。いざ隣に並んで、僕も僕で少しでもそれっぽく表情を寄せてみたら「いやそういうのはいいから」と制された。鬼くそ恥ずかしかった。「息子に送っとくわ~」と言って去っていたおばちゃまを見て、息子も困るだろうなと思った。それに続くおばちゃまはいなかった。

 

参考までに彼の卒アルも載せておくが、もうこれを見て察してほしいところである。

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40を越えて、果たして様々なお噂は本当なのだろうか。

これからも彼が新曲を出す度に真っ先に覚えて、いつでも応えられるようにしてゆく。

 

さて、似ているフシギ。

その他、言われて嬉しかったのは、速水もこみち氏だったり元KAT-TUNの田口氏だったり。いずれも本物のファンが止めて二度と言わないで口に布地詰めるよと言いだしそうなレベルなので、えぇ!?それほら多分恋じゃない?盲目って言うし。そうそう平井堅にもちょうどそういう盲目の曲があってね。ってなんとか話を戻す。

 

もう一人、どうしようもなく似ている人物がいる。母親だ。

魔女みたいな鼻の形をはじめ、授業参観での親当て神経衰弱はレベル1初級編。加えて性格もまぁこんなんで、僕が二十歳の誕生日には、家族からメールが届いて姉「がんばれよ」親父「がんばりすぎるなよ」母「あんたが生まれるとき、うんこかと思った」といった具合にエピソードトークには事欠かない。

 

ところが一昨年くらい、前橋の叔母の家。親父のガクセイ時代の写真を見て驚愕した。僕とあまりに瓜二つだった。今でこそMax90キロに迫るような大男が、学生時代はひょろっひょろで笑った顔まんま僕。彼もまた平井堅のそっくりさんだったのだ。いや、時系列的には親父←(似ている)平井堅←(似ている)僕なのかもしれないが。

昔っから群馬の親戚なりが「お父さんにそっくりだな」と声をかけてきたワケがようやく分かった。物静かで、本の虫で、真面目で、我慢強いという彼の特徴は、見事に僕が持ち合わせてないものばかりなのだけど、僕みたいな親父が写っていて、親父を見てこうなっていくのかと思いながら、血の繋がりを確かに感じる。

 

親父もまた子どもの頃は体が弱くて、そこもまた似ている。聞けば中学の時に大手術をしたらしい。そういや赤ずきんの狼のようにお腹を真っ二つに開いた跡があったっけ。今年、肺気胸をやってみて、親子そろってメスの入った体か、やれやれだよって、ヘンに安心する。ちなみに親父、その中学の入院時代にアタマが良すぎて、通っていた院内学級でハブられていたらしい。そんなことあんのって笑っちゃうんだけど、病人が嫉妬するくらいの地頭の良さと彼のマジメさがよく表れた、好きなエピソードの一つである。

 

運命の実話・家族の絆特番みたいなので「タカシ。今まで黙っていたが実はお前は父さんと母さんの子じゃないんだ」「いや、僕の本当の父さんは父さんだけさ!」っていう感動再現シーンが流れる度、いつも母は決まって「よかったね~あんたは母さんたち以外に親いないって一発で分かるもんね~」って言ってた。

はいはい、うるさいよだからなんだよ。なんて雑に返していたけれど、すげぇとんでもなく有難いことだなって、言葉じゃなくて理解している。

 

おかげ様で25歳。

男は40になったら自分の顔に責任を持て。なんて言うけれど、25なりにその覚悟の端っこは持っていたい。

できるだけ目尻が下がって、口角が上がるような日々を。どうかこれ以上オモナガにはならないことを願って。

そっくりさんである親父、母、そして平井堅に恥じないように。

25歳、何卒よろしくお願い申し上げます。

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3年前も2年前も、毎年この時期記憶を失っている。まったくもってスマートじゃない。

 

水辺にボールが落ちちゃったとき、まったくためらわずびちゃびちゃになって取りに行くってやつガクセイのころからよくやってて、こないだ会社のバーベキューでやってみたらスーンってダダすべったんだけど、上司のお子さんたちにはめっちゃウケました。

良かったです。

んで、スマホが亡くなりました。

 

年々何かを失うリスクは大きくなる。

ちびっこのころは雨に濡れてもつゆしらず。「雨が降ってきたからって走ることはない。走ったって先も雨だ。」って坂本龍馬の名言も、え、いや一刻も早く屋根の下行きたくない?ねぇねぇ行きたくないぜよ?

まったく電源が入らないiPhoneの何がスマートなんだ、まったく。黒い機械のかたまり、ここはどこ私は誰君の名は。びちゃびちゃのおズボン、ジュクジュクのVANSを引き摺って帰宅して、えーいすっぽんぽん、PCに打ち込む「スマホ 水没」。スマホ すの時点で予測変換に出る水没の文字、服着ることも後回す鏡の自分の姿見て、ははーん、さてはお主溺れる者だなってうるさいよ。すがるよ藁にも萱葺にも。

いくつかの解決策と言う名のデマを潜り抜けたところ、一番怪しいお米に入れるっていう今日の献立風ソリューション。なにやらお米って吸水力高いんですって奥さん。あらやだ知らなんだ。用意するものはジップロックとお米三合、そして隠し味でありメインディッシュ。何一つリアクションを取ってくれなくなった、そんなあの子の思い出もたくさん詰まったiPhoneをさっとね。んでシャカシャカ振る。あ、うそ、シャカシャカはちょっとレシピっぽくしただけ。

 

ジップロックの艶めき、スマホの通夜めき。穴と言う穴に米粒が入り込んで、ずいぶん攻めたプレイね、ジョブズもびっくりイヤホンジャック米。なんだかもうこのころにはちょっと愛しさすら覚えてきて、わしゃわしゃわしゃーって愛でてたワシゃ話者。そんなことをしてもこいつが生き返らないってのは分かっていたんだ、ほんとはさ。きれいな顔してるだろ。嘘みたいだろ。濡れてんだぜ、それで。なんて繰り出すとだいぶ破廉恥、青春の日々。何も言えねぇ。し、お米まみれのそれをひたすらワシャつく、チョー気持ちいい。

 

失って初めて気づくっていう人類がひたすら繰り返してきたベタをもう何周目か、通る。世間も2016年、色々あったみたいだけど個人的にも今年は、おばあが亡くなったり、肺に穴空いたり、姉がケッコンしたり、10年ぶりに自分にとってアイドルみたいな同級生と再会したり、言葉があまりに追いつかないくらい感情を揺さぶってきてたから、

2年分のおはようも、お疲れ様も、ありがとうも。あんま言った覚えはないけど好きですだって、あと多分言ったことないけど友達からお願いしますだってなんだって全部四次元の彼方に消えてった。あーあ。の次の言葉も出てこなかったから、きっとそれすら四次元の彼方に消えてった。あーあ。あーーーあ。

 

新人は5日後くらいに入荷して体験入店。あまりにまっさらで途方に暮れ、一から一つ一つ(アプリ)入れるもぎこちなく。電話帳すら誰一人いなくなり、ここはどこ私は誰君の名は。2回目。何かを失わなきゃ何かを得られないっていうなら、過去を見ながら後ろ歩きで進んでるような僕にとってはそれくらいのショック療法が必要ってことか。そんなこと考えながら「モノより思い出」ってコピー、偉大すぎるなって思う。

 

どんなに笑ったお写真も、心あったまるメールも、ふと気づくと向こうは1,2行なのに僕だけ3、4行で全然釣り合ってないLINEも、メアド変えましたってメーリス回ってきてアドレス見てがっつり破局してますやんって吹き出した電話帳も、形あるものはいつかなくなる。

次へ次へと持っていけないのなら、ただひたすらに心にあっためてぎゅっとして大事にするもよし、たくさん引き出すもよし。本当に好きな人なら数人だけだけど、スマホなんてなくても誕生日とか忘れないもの。一緒に過ごした時間は、写真1枚じゃはみ出すし。新しい思い出作りましょう!って、忘年会しましょう!って誘って、いや忘れる気満々やん!って笑われる。16よりも32よりも64よりも大きな脳みそで、間に合わなくなるくらい、いろんな人と思い出を作って行こうと決める。

 

最後にこれだけは憶えていてほしいんだ。たったひとつのメッセージ。

本来ちゃんとやってりゃ、バックアップってのがちゃんとあるんだけどね。

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「おいしくなーれ。おいしくなーれ。

 

オイシイって無敵だと思うのです。目立てるし。

すべってもあとで絶対おもろくなるし。

すべればすべるほど、ときが経てば経つほどおもろくなるし。

羨ましいくらいです。オイシくやってください。」

 

音楽やってる友人が、音楽を発表する場いわば音楽会、いや普通にライブがあって、珍しく緊張してたので送ってみた。翌朝「ライブ中何回も唱えたよ!」って御礼の言葉をいただいて、うれしいとかよかったとかほっとしたとか、そんな感じ。

 

「じゃんじゃん世に出てください!」

 

中学のクラスメイトで努力と才能と美の塊みたいな友人がいて、ついこないだその子の誕生日、SNSにコメントを送ってみる。SNSの誕生日ってのは言葉取り競争で、どれだけウケるかどれだけ浮けるかを意識してる。「ほっしーの言葉はやっぱり力というか、気持ちが込もってるのを確り感じるよ!」って御礼の言葉をいただいて、うれしいとかよかったとかほっとしたとか、そんな感じ。

 

限られた人生、1日1日しっかり確実に死に向かって生きてる僕らの、その人の中でずっと生き残る言葉を丁寧に伝えたいと思う。「ずっと一緒にはいられないから、今はずっと一緒にいよう。」ってグリコの名コピーにも通じる気がする。

サボテンにきれいな言葉をかけるときれいな花が咲く。水においしくなーれと言い続けると本当に美味しくなる。みたいなところまで行くとちょっとそれはまぁさすがに吹いちゃうけど、例えば人生で初めての彼女にベタ惚れだった僕は、世界の名言集を読み漁って、できる限り喜んでもらいたくて、毎日別パターンの「可愛い」を繰り出してた。そしたら元々もったいないくらい可愛かったんだけど「君と付き合って可愛くなったねって言われることが増えたよ。君のおかげかね」って言われたことがあって、そうなのか!って納得感心照れ笑いしたし、この言葉自体僕の心の中でずっと生き残ってるから、ほらね。ほらね。

 

限られた人生、1日1日しっかり確実に死に向かって生きてる僕の、ポエマー魂溢れるinstagramを職場の後輩にフォローされたので、僕の会社の中での死は近い。ほらね。ホラーね。

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僕の自伝がもしあるのなら、10歳くらいまでのお話に伏線がもうめちゃくちゃちりばめられていて、それが2016年かなり回収されていってるから、きっと今年は読み応えがある。それ単体でなにか成し遂げる章ではないんだけど、謎が解けてすっきり進めていける、そんな未来に繋がるような。

 

移動距離の長い転校を経てきたので好きな人があちこちにいる。

先日の姉の挙式、姉の大親友ユッキーが1000kmを超えてかけつけてくれた。ユッキーの弟たっちゃんと僕もまた大親友で、6~8歳が同じクラスだった。ポケモン世代ど真ん中の僕らは自由帳に「改造ポケモン」略して「改ポケ」なるキャラクターを書いて遊んでいた。僕はクワガタをモチーフにしたとても世界観の合わない目つきの悪いキャラを書いていた。周りにはゆう君がいてヒロちゃんがいて横ちゃんがいてウノッチマンとかヒロトとか、ひっそり好きだったMさんとか帰り道が同じだった高橋さんとか。ドッジボールして野球してケンカして、2000年問題とは程遠い何のプレッシャーもない温々としたそんな日々があった。

披露宴でユッキーに挨拶した時「たつも会いたがってるよ!」と言われて、そうなったら早いのが僕らデジタルネイティブゆとり世代。小2以来、16年ぶりにたっちゃんに再会した。

 

「改ポケ?そんなんやってたっけ?ごめんなんだっけ」って、いやいやあなた暑中見舞いにご丁寧に水彩で改ポケ書いてくれてたじゃない。泣いた。「横ちゃん?あぁ横さんね」って距離感が変わっててちょっと笑った。ウノッチマンもヒロトも荒れまくって地元の族に入ったらしい。笑った。僕にとっては温々とした低学年ライフは高学年で一転、学級崩壊で先生が3人も変わったらしい。笑った。いや、笑えない。そんな中たっちゃんは高橋さんと中学で一時期付き合ってたらしい。やっぱり笑った。

思い出の答え合わせは見事に外れた。

残念と言うよりそりゃそうだよな。日記なんかをつけてきた手前、僕は人より日々の楽しいやありがとうを色濃く覚えてる傾向がある。半分くらいはこっちの感情だけが勝手に舞い上がっちゃってて、物足りなさを感じることも多いんだけど。でも、港町のべらぼうに美味しい魚を食べながらシゴトの話は楽しくて、別々の離れた場所で20年近くお互い色んな感情を覚えて生き延びて、こうして同じ社会人3年目をやっていることがなにより嬉しかった。一緒に通学路なんかを歩いてみたりした。

 

で、だ。

君の名は。』をようやく見た。

新海さんの映像と同じくらい美しい女友だちに、今月は忙しいって断られたから1人で。まだ腹落ちしてないからモスコシゆっくり考えたいと思うんだけど、実は僕も似たような経験がある。

移動距離の長い転校を経てきたので好きな人があちこちにいる。

 

100 - 心頭滅却すれば火もまたスズシ

101 - 心頭滅却すれば火もまたスズシ

 

読み返すといかに頭がとち狂ってたかが分かる。

続きは書いていないけど、実は会いに行った。行ってしまった。とある沿線のとあるカフェチェーン。これもまた運命で当時姉の住む最寄駅のカフェでMさんが働いていた。

姉にメシ食おうぜとかって無駄に用事を作って帰りに1人でカフェに立ち寄る作戦。一回目は確か無駄足に終わった。いなかった。がっかりはしたけどある意味ホッとした。それでも、大学4年の僕は頭がとち狂っていて2週間後くらいにまた行った。

そして、会えた。会えてしまった。

とびきり綺麗になってて名札にMの苗字が書いてあって、初恋の人に気づかれないまま接客された。声がすごい綺麗だったことを覚えてる。カフェオレ注文して少し待って受け取って座って飲みはじめる。どうする?どうする?どうする?声をかけるかどうするか。たまたまを装ってるとは言えやってることはドが付くほどストーカー。時間も21時半。閉店も近い。空いたカップを下げる。意を決する。

「あの、Mさんって、Mさんだよね?」無駄な小芝居をする。「小学校同じクラスだった○○です」って言ってみる。Mさんを見ると完全に戸惑ってる。そりゃそうだ一緒に卒業してるならまだしも3年生で引っ越した奴を誰が覚えていようか。後悔した。急に後悔が込み上げてきた。「あ、って言っても覚えてないよね、ごめんまた今度!」って逃げた。すぐさま電車に乗った。会えて嬉しかったのは間違いないけど困らせてしまった。申し訳なさで一杯になった。1時間半の帰り道が永遠に感じられた。

 

もう最後にしようって決めてその日帰ってからMさんのツイッター見てみたら「○○くん?」って僕の名前のつぶやきがあって、何人かが「引っ越しちゃった背の高い子だよ!」みたいな返信をしていた。Mさんは覚えていなかったっぽいけど、周りの人は覚えててくれる人もいたみたいだった。それから一切見ていない。アカウント名も何1つ忘れた。

 

そんでもってそんなことがあった上であぁもう運命ってすげぇなって思うのが、その翌年から僕らは社会人だったんだけど、Mさんの内定先、配属先が姉と全く同じ職場だった。

「あれもしかしてうちの弟もMさんと同い年なんだよー」って姉すごく仲良くなったらしい弟の初恋相手と。僕がバイト先見つけちゃって会いに行ったことは姉には言っていない。

これが僕の『君の名は。』 

 

話は戻って現在。

たっちゃんに聞いたら「あぁMさんこないだ結婚したよ」って聞いてぎゅんってなった。「確か9個上の人と」って聞いてぎゅんぎゅんってなった。上手く説明できないけど"きゅん"と似てるけど全く非なるものです。

 

帰り道最近覚えたスポティファイで『SWEET MEMORIES』を聞く。失った夢だけが美しく見えるのは何故かしら。たっちゃんと別れた時は降ってなかったのに、車窓から見える雨、赤い電車。思い出をしょいこみ過ぎるから、いつもこうなる。人生のこれからの章に、警鐘。土曜の夜、終電間際、一人ひたひたに浸る帰り道。

突然!仮装した外国人留学生が15人くらい乗り込んできて囲まれた。爆音でクラブミュージックを流し、ウイスキーを回し飲みし、僕が少しでも寝たふりするとUZAI?UZAI?って聞いてきた。

えぇいあぁ君からもらいノリ。「Sounds nice!」と「Have Fun!」で応戦した。7駅くらい一緒に乗ってたノッてた。荒療治だけど、思い出は時にこうやって上から塗り潰してくのかもしれない。それも悪くないな。いややっぱそっと取っておきたいな。

そんな2016のハロウィンでした。