心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

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小1のクリスマスの朝、僕は泣いていた。

すきな女の子に振られたからとかじゃない。1年、いい子にしてたのにサンタさんが来てくれなかったからだ。いや、正確に言うと来なかったわけじゃないんだけど。

何と言ってもポケモン世代。当時の僕のサンタさんへのリクエストはずばり、「ポケモンカード」。裏がモンスターボールになっているあの初代のやつだ。デッキを組んでサイドカードは6枚。山札から7枚カードを引く。たねポケモンをセットしてさぁ勝負。カードを持っていないのに形から入る僕は、カードゲームに使うコインだけ何故か持っていて、試す機会のないコイントスの練習ばかりしていた。それなのに。

 

プレゼントの箱を開けると、出てきたのはポケモンの絵柄の「トランプ」だった。

オーキド博士ジョーカーのやつ。

泣いた。

 

大人になった今なら分かる。サンタだって大変だ。ただでさえ子育てなんてのは大変だろうし、そもそもちゃんと生まれてくるかも大変だし、何よりお相手を見つけるのだって大変で、オーキド博士もラクじゃない。タケシは一体いくつなんだい?それでも。ポケモンカードを期待していた僕は、何が楽しくてオーキド博士を引いたり引かれたり今さらババ抜きをしなければならないのか。えぇい、しねしねこうせん。

そんなことがあったからか、翌年の小2のクリスマスは今でもずっと忘れられない。前年の反省を生かしたサンタさんが執拗に僕に伝えてくる。「欲しいものはどの種類のどんなやつなのかハッキリと分かるように書いておきなさい」と。2年生は1年生よりいい子ではなかったけども、お言葉に甘えて大きく記す次のリクエストはそう、その年1999年の11月21日に発売された「ポケモン金・銀」である。

前置きが長くなった。

「このSNS時代、好きなものは発信しておくと勝手にそれを好きな人だけが集まってくるからどんどん好きなものを発信するといい」ということと、「20代、今まで自分が時間やお金をかけてきたもの(すなわち本気)を自覚しておくと、これからの人生を生きやすく(それはきっと行きやすくも活きやすくも)なる」ということを立て続けに学んだので、早速書いてみようという魂胆だ。

ポケモン銀が大好きだ。

お葬式には色とりどりのぼんぐりを棺に詰めて、エンジュシティのBGMで送り出してほしい。

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今年の9月22日、ポケモン銀の3DS配信がスタートした。日中、決して暇な女子大生ではないんだけど、それでもやっちゃうのがポケモン世代。好きなポケモンバクフーン。ニックネームは付ける派。税込1200円の、飲み会より安いポケモン銀に感動する華金。おまけに付いていた第2世代の追加100匹のミニポスターを眺めながら飲む酒が美味い。

なぜポケモン銀かというと、これも1つの我が家のルール。姉が金、弟が銀、それだけだ。前年の不備を埋め合わせようと金銀両方を仕入れてくれたサンタさんには申し訳ないが、2つあってもいっぺんにはできない仕方ない。銀をプレイすることになった全国の弟くん、妹ちゃんは多いのではなかろうか。

 

スイッチを入れる。あの時の感動が蘇る。

コロコロコミックで情報を先に仕入れておいて、マダツボミの塔という施設があるからきっといや絶対最初は火タイプがいいはずだ。とか。アカネのミルタンク対策として実はヨシノシティに行く前に46番道路でイシツブテを手に入れておくべきだ、とか。そういや大村君ちでみんなでポケモンスタジアムやったなとか。てっちゃんに攻略本貸したりしたなとか。本で言うと、ポケモンファンブックみたいな雑誌もちゃんと買っていて、金銀の初期構想「サイレントヒルズ(=静岡)」とか「オールドシティ」とか名前だけは知っていた。実家帰ったら探してみよう。穴久保版ポケモン漫画も載っていて、野球の試合の設定で、相変わらずピッピがくそほどズルをする話だった気がする。

そんなこと考えながら、夜のゲームは禁止だったあの頃出会えなかったホーホーに会える夜、僕は自分が大人になったことに気付く。マダツボミの塔にゴースが出る夜、どちらかと言うと主人公ではなくオーキド博士側の人間になっていることに気付く。まだ若いからせめてウツギ博士か。ところでタケシは一体いくつなんだい?

そう、次のサンタクロースは、僕だ。

 

水面に向かってAボタンでなみのりができるの、当たり前じゃねぇからな。

ボックスがいっぱいになりそうなときマサキが電話かけてくれるの、当たり前じゃねぇからな。

自転車が一発で乗れるのも、ポケモンが持ち物を持ってるのも、色違いも、全クリした後の「きみはいま!カントーちほう への だいいっぽを ふみだした!」も、赤緑をちゃんとやったから分かる進化は全て、当たり前じゃねぇからな。

「あの頃はよかった」とは、「あのころまでは付いていけた」のことだと誰かは言う。実際、その通りだと思う。結果、僕はブラックホワイトまでしか付いていけていない。それでも、ポケモン銀のあの進化をあの感動をあの時代の流れの中で味わえたことはとても誇らしかったりする。全ては原体験。

個人的な最近の悩みとして、「本気で仕事に取り組む」ことがどういうことか考えた時、そう言えば本気を出した経験が少ないなって思い、立ち止まる。そんな時に「本気」を言い換えてみる。本気ってぐおおおって声を上げて、精神的に体育会系のノリを演じることではなく、「熱中」と言い換えてみるとストンと腹に落ちる気がしていて。頼まれなくてもやれちゃうこととか、そんなことして何になるのって言われてもヨーギラスミニリュウを増殖させたふしぎなアメに頼らずしっかりバンギラスカイリューまで育てちゃうこととか、「熱中」「熱狂」さらには「酔狂」をキーワードに自分を見つめなおす。ポケモン銀をやりながら、そんなことを考えている。

 

かの武田信玄はこう言った。

「真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳ばかり。」

本気だと、熱中すると、気づきも多い。ポケモン愛はツイートにまとめておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、まだまだバッジ4つなんだけどのんびりやっていく予定でつぶやきも更新していこうかしら。何でもすぐオシゴトと合わせて考えちゃうのはアホらしいけど、今一番時間をかけているものがそれだからある意味仕方ないのです。

 

最後にお写真を1枚。

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会いたい人に会えたり、自然にまみれたり、ホークスが優勝したりといい連休でしたが、余韻は心にしまっておいてこの写真。
いや、別にお気に入りじゃなくてもよくない!?って最初に突っ込んだ後で、うん、そうだよな、お気に入りの方がやっぱ美味しくなるもんな、井村屋さんさすがだな、って優しさを感じました。明日からまたお気に入りの服で、お気に入りの曲で、お気に入りの1日を過ごしたいところです。
こないだ日経新聞で読んだのですが、ロイヤルホストの黒須社長は社員に「Do you like your job?」とよく聞くそうです。お気に入りの仕事できるよう頑張らなくっちゃ。

 

あとポケモン回りで、読後感が好きな記事がこちら。余裕があればぜひ。

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最近、3000-4000字書く割に中身が薄まっているので、精進目指してピッピカチュウ~~~(オーキド)。