心頭滅却すれば火もまたスズシ

わるあがきはじめました。

300

「ありがとう。この世界の片隅にうちを見つけてくれて。」

映画『この世界の片隅に』に出てくるこの台詞が好きだ。千と千尋みたく本名を名乗れなくなったことがとっても不憫なのでお名前を呼びますが、能年玲奈さんがとってもハマっていた。

 

大学を中退し、福岡で職を転々としていたタモリさんが東京に行くきっかけになった話が好きだ。簡単にまとめると下記の通りである。

”1972年、大学時代のジャズ仲間がコンサートスタッフとして福岡にやってきて、その友人のホテルで終電がなくなる時間ギリギリまで飲んでいた。

いざ帰ろうと部屋から出たら、やけに騒がしい一室があり、通りがかり様に半開きになっていたドアから中を覗くと室内には、同じくコンサートに同行していた有名ジャズメンバーがいて、なにやら乱痴気騒ぎをしている。そこにタモリさんは乱入する。

歌舞伎の舞を踊ったり、インチキ外国語を披露したりするうちに最初は動揺していたメンバーも呼吸困難になるほど笑ったという。始発が出る時間まで共に騒ぎ、「モリタです」とだけ名乗って帰宅した。”らしい。そこから「伝説の九州の男・森田を呼ぶ会」が発足。東京に呼び寄せる動きが始まっていく。

 

この2つに共通するのはそう。「見つけてもらう」ということ。

編集者の竹村俊助さんが先日こんなことをつぶやいていた。

”以前はSNSをやらない理由として「大物はSNSなんてやらないから」と思ってた。でも考えたら自分は大物じゃないし、タモリさんやさんまさんみたいな大物だって下積み時代は自分を見つけてもらうためにデパートの営業行ったり小さな劇場でアピールしてたんじゃないか、と思い直して発信することにした。”

ハッとした。何者でもない自分をそろそろ本格的に焦るようになってきた。

 

思えば、大学4年の4月。サークルは引退。内定が1社。

モラトリアムのラスト1年を切って、かと言って何するでもない不安。このブログを始めたのはそんな時だった。はじめはアメブロで。ポップでつながりを押し出す諸々が煩わしくなってはてなブログへ引っ越した。「心頭滅却すれば火もまたスズシ」は僕が一番好きなことわざで、「わるあがきはじめました。」という副題にはまさに当時の言い知れない不安、何者でもない焦り、動く勇気のなさ、自己顕示欲と承認欲求が見事に詰まっている。

不親切に数を追うだけのタイトルは、まる5年経って300回を迎えた。誰に頼まれずとも書いてきたこれらを、せめて好きなものだけでもまとめてあげようと思う。いつかきっと「見つけてくれてありがとう」に繋がると信じて。

 

記念すべき最初のエントリーからポエマー魂があふれ出ている。

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当時、神田川沿いに住んでいて夜の間に通り過ぎた爆弾低気圧のことを書いているらしい。当時ブログを始めたことは、お笑いサークルの同期1人にしか言ってなかった。開成から東大に落ちて浪人してさらに仮面してブンカコウソウ学部に入った彼の言っていることはさっぱり分からなかったけど、聞き入れるつもりもなかったしそれぐらいで良かった。たまに褒めてくれて嬉しかった。彼女追いかけてグンマに行って、彼女に振られて彼にはグンマだけが残った。

 

書き始めた当時は少ない分量で伝わるかどうかのぎりぎりを書くのが好きだったけど、何が正解か分からなくなってわりと早い段階でエピソードトークを繰り出している。

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広告のお仕事に内定が決まったので、キャッチコピーにも興味を持ち始めます。

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このあたりは言い知れない不安の真っ只中で、作り話を始めてます。

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爆笑問題集』って本が自分のバイブルで、太田光が文を、田中裕二が紙粘土を作るエッセイ集なのだが、そこでの太田光に憧れまくって自分でお話を書きたかったんだと思う。

 

そんな中で前を向くきっかけをくれるのは、新しく聞くいい話だったりする。これは自分でも結構好きな話。ウォルトディズニー社の副社長が大学の講義で来てくれたときのお話。

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野球から学んだことも多い。大谷翔平デビューイヤーらしい。

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ブログっぽいテーマ設定「街で見かけたヘンな人」

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かと思えばすごく意味のないことも書いていて創作話「からしとわさび」

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自分にないオモシロを持つ人が大好きで、その中の1人、小学校の同級生せっちゃんとの思い出も書いている。

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読み返してたら思い出した。僕のブログを好きだと言ってくれてるみねちゃんっていう後輩がいるんだけど、みねちゃんのバレーについて山梨2位のセッターがあいつは伸びるって言ってて、その理由はずばり「体幹が強い」から。

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時間ができたので頑張って本とか映画とかインプットをしようとしたけど、重松清読んでるって文学部の政治大好き後輩に話したら、「あんなの水ですよ、水」って言われた大学4年生。

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本屋から始まってイベントスタッフやってプールのお兄さんやって最後はパン屋さんでした僕のバイト人生。特にプールのお兄さんはお笑いサークルの伝統でフセさんが言い出した「チョロ出し」ってフレーズが忘れられない。

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100まではこんなもんにして。

101-200編、201-300編はまた今度。どこかの真夜中に。